1999年に書いた文章です。かなり前なのですが、大陸についてはいろいろ未だに考えます。が、ユーラシア大陸はちょいとまだ距離が遠いかも。少しは縮まったんですけどね・・・。

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  西さんと出遭ったのは11年半前で、何となくおつきあいして2・3ヶ月でいっしょに住むことになったのですが、当初わからなかったのは彼の「大陸熱」でした。日本では特に中国のことをさして「大陸」と言いますが、それ自体戦後どんどん淘汰されてしまった観念なのかもしれません。どこまで行っても広大な土地が続いているという風景を一度でもいいから見て自分の小ささを実感することは、何かしらのインパクトがあるかと思われます。そして、私がどうしても読んでしまう作家に宮本輝がいて、彼の父親が中国人のともだちを「大人(たいじん)」と子ども時代の宮本輝に語り、彼もまた大陸に対するこだわりを持って 『ひとたびはポプラに臥す』という著書を1998年に出しています。

私はAOLジャパンにアクセスし始めてから歴史スクエアにお邪魔していたのですが(文字通り邪魔してたんだよなぁ…。(-_-;)ひどいけど事実だ。)、そこでも三国志などをはじめとして「大陸へのあこがれ」というのをしばしば見てきました。そのくせ一向に詳しくはならないので、センスがないのかと思ってしまいますが、私もかなり多数の人々から、「きみは大陸的だねぇ」と言われます。西さんにもそう言われる…。(・・;)

大陸的:1.大陸に特有なさま。2.小事にこだわらず、度量・気魂の雄大なさま。また、感情・感覚などののんびりしているさま。

とっても便利な形容詞だと思うのですが、私より西さんや書き込みをしてくれるK氏(北海道生まれ・育ち)やYYYさんのほうがずっとずっとずっと大陸的だと私は感じます。物事を二元論で考えることについてBBSでもエッセイでも何度か立ち戻って考えてみていますが、この場合、「神経の細やかさ・繊細さ」も人数倍ないと大陸的ではない、と私は感じたり考えたりしているので彼らは私テキ大陸的な人たちです。

二元論:(Dualism)ある対象の考察にあたって二つの根本原理をもって説明する考え方。1.宇宙の根本原理を精神と物質との二実在とする考え方。デカルトの物心二元論は代表的な例。→一元論。2.世界を善悪二つの原理(神)の闘争と見る宗教。ゾロアスター教・マニ教など。

私は実は中国大陸はおろか、北海道も訪れたことがありません。北海道に一度行ってみなさいと薦めてくれる人の理由は、第一がその広大さを身体で感じることにある、というのが圧倒的でした。同じ何人かの人の数人がアメリカまで訪ねてきてくれて、私の運転する車でカリフォルニアのフリーウェイを走り、「あああ、北海道よりでかいや」とサイズ比べをして、「ああ、ここに住んでるのなら北海道に広大さを知るために行かなくてもいいよ」と言っていました。「北海道にはもっと他にもたくさん見るものがあるけどね」と念押ししつつ。

私は大きさの観念を描写するときに好んで、「ゴビ砂漠の砂の一粒」という比喩をよく使います(たぶんこのエッセイにも1・2使ったような記憶が…)。なぜサハラやアラビアやアフリカの砂漠じゃちと違うのか、というと砂丘チックな砂漠が年頭にないからなのです。石ころもごろごろしていて生活をしている人々がまばらにしっかり根ざしているようなところをイメージしているからです。映画English Patient(邦題そのまま)やLawrence of Arabia(邦題:アラビアのローレンス)に出て来るところとはちと違うような感じです。やっぱりアジア人なのだろうか?>私。(・・;)

砂嵐や月の砂漠はまたもや別イメージとして私のなかには存在していて、中森明菜の「サンドベージュ」という歌やそれこそアラビアのローレンスやイスラム教やエジプト遺跡やらくだはそっちに入ります。集落の数が圧倒的に少なく、住むということさえあきらめざるを得ないくらいなはずの場所が砂漠の不毛さであるはずで、人間が分け入っては敗北してきた、という感じがします。棄ておかれた集落はなく砂漠のへりに大きな町があり、そこでは緑がたくさんあって豊かな暮らしをしているという感じ、わかるだろうか?さらに、砂の大きさがかなり一定している・近似しているというイメージなのですが、ゴビ砂漠の砂は何となく大きさがバラバラなような気がしているのです>じゃ、見に行ってみろよ>私。(-_-;)

水汲みをしている老若男女たちがなぜか漢詩をひとつ以上知っていて、それを胸に抱いて日々をがんばっているようなそんな気がしてならないのがゴビ砂漠なのですね。うーん、わかりづらい説明なのか?そしてそんなイメージはかなり正確だったんじゃないか?と宮本輝の『ひとたびはポプラに臥す』を読んで考えているところです。けれども、それをまたもやさらに確かめるためには、実際に自分の目で見てこないとなりません。しかし、その過酷さというのは今の私の体力じゃ無理なので、そのためにも体力復活に精力を傾けないとなぁ。さらに膨大な時間がかかるので仕事も勉強もしばらくあきらめて、ネコシッターを探してからじゃないといけないぞ、と考えたりしました。

でも西さんが台湾にいるうちに何とかできるんぢゃ?と甘いことを想像したりもして、何となく機嫌がよくなっていったのです>昨日の私。

アメリカに長く住んでいるから西欧文化礼賛者である、とみなされることが多いのですが、そこで既に「そのわけ方はものすごいぞ」と思ってしまいます。どうすごいかって?さっきの大陸的という形容詞と同様、「物事の二元性を考えてるのか?ハロォ!アタマ起きてるぅ?」と思ってしまうのです。そりゃ二元性の片方だけに偏っている人も実際たくさんいるのでしょうが、私には西洋と東洋どちらがいいか?なんて選べない…。その悶絶の一部もシェアする気なくして言放ちはやめていただきたいもんです。

朝7時、西さんに「ねね、中国のどこにそんなに魅かれるの?」と尋ねたところ、私が書いているエッセイの内容がわかっていない彼は、「文字の美しさかな」と答えました。漢字かぁ。うんうん。人口もすごいけど漢字の数も確かにすごいっす。どうしてあんなにもたくさんの数の文字を創造できたんだろうか?ひらがなやカタカナやアルファベットを導入した日本人である私には、「合理的じゃない場合もままあるだろうに…」と俗っぽいことを考えさせます←第一、書くのにすんごい時間がかかるじゃないっすか。その創造されたプロセスと表わされた文字を美しいと朝っぱらから美しいと思える西さんは、やっぱり大陸的であると思います。しかもまだ時差ぼけでのたうちまわってましたからね。で、今からしっかりお弁当を作るのです♪>作ってやれよ>私。(・・;)

西さんの漢詩への造詣は私にはちんぷんかんぷんなことがあり、昨日も白楽天の大意を話していたら、原文のほうがわかりやすいんだなぁと感じて、原文がわからない私は少し哀しくなりました。少し前までの日本人も漢詩を諳んずることができる人々にあふれていたものですが、私は見事にそんなこたぁできません。今からでも間に合うのか?(-_-;)歴史スクエアでもそういうことができる人がまだいるんだな、と感動していました♪

ちょっと思い当たることがあります。私にはこれと言った顕著なPhobia(恐怖症)はないのですが、ものすごく強いて言えば「閉所」がだめです。たまに土管に詰め込まれて出られない夢やら棺桶に生きたまま入れられて土中深く埋められる夢を見ます。その場面までの経過を朝起きると忘れてしまうくらいのインパクトがあります。これも何か大陸に魅かれる一部を顕わしているのかもしれません。

そういう意味でも「そんなに神経質なのに大陸的なわけがないでしょ」というのはちょっと違うような気がします。広いひろい場所に居ないからこそ、度量が大きいままでは対処できない問題に囲まれてしまうからこそ、なぜか神経が尖ってしまう、というような場面が多くなり、本来神経質ではないはずなのに細かいことをどうも気にしてしまう、という理由もあるかと思うのです。西さんはまさしくそういう人です。家を選ぶときも空間を見ますし(機能はあまり関係ないらしい。キャンプ生活を1年365日しても苦にならない人である…。毎日スーツを着て革靴を履くことのほうが修行生活であると考えている)、トイレも不必要ならばドアを開けたままです(爆)。働くニッポンのビジネスマンなのに飛行機が大嫌いです。けれども小さいヤキトリやさんには大陸を見ることができるようです←わかるだろうか?わかる人にはわかる♪彼がなぜ山登りをするのかもうまく説明できないけれどもわかるし、なぜアメリカから台湾に駐在の希望を出したのかもわかるのです。

大陸に魅かれる彼に、「私を置いていかないでぇ♪」と演歌みたいなことは言えません(まぁ、言う気もさらさらないんだけどさ…)。不自由をひとつでもいいから徐々になくし、自分を解放して大陸に戻してあげようとする彼のプロセスに私が口を挟んだり、足手まといになったりする言動はできません。私もやっぱり大陸に解き放たれたいと願うし、そのための長いながいプロセスを注意深く軽いステップでこなしている最中なので気持ちは大いにわかります。祖先返りしたがっているのだろうか?(・・;)

ま、小事にこだわらないのはいいんだけどさ、あんまり助長すると「ただのいい加減なやつ」になるので気をつけてもらいたいもんです←私も同じなのか?たまにのんびりしすぎ、というのも運転のときにはやめてもらいたいもんです…。(-_-;)

さてアジア人であるあなたは大陸に魅かれますか?

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未だに大陸といえば、アメリカ大陸な私で、ユーラシアではない感じです。昨今ではアフリカ大陸気になっています(笑)。みなさまはいかがですか?

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