私がユーミンを知ったのは中学2年生のときに、名前順で席が2つ後ろになった子から「14番目の月」の歌詞をもらったときです。その前にもハイファイセットが歌う「中央フリーウェイ」や「冷たい雨」を知らず知らずのうちに、彼女の作品だとは思わずにラジオで聴いていましたが、文字にするとインパクトがあったものです。

というわけで、私のユーミン歴は13歳の夏からで足掛け23年になってしまいました。うがぁ、そんなかい…。聴いている私たちよりも、提供しつづけている本人はたいへんだろうなぁ。そのたいへんさをナマで見たことがあったのです、私。19歳のときに世田谷の用賀インターチェンジ付近に建っていた某レストランで、研修契約社員というのをやっていて、当時最も流行ったお店であったので、新店舗開店がない限りはそこでヘルプウェイトレス&研修をしていたのですが、そのとき、近所に住んでいる彼女がだんなさんとふたりで来たのですね。I.Wハーパーというバーボンのダブルをソーダ割でオーダーされて何だかどきどきしてしまいました♪私はサインももらわず、彼女のオーダーやその店のサービスに関する以外の会話はしかけませんでしたが、彼女のほうから、「ここはカップルが多いの?」などと聞いてくれて、何だかわくわくしながらヒューマンウォッチングしてるなぁ♪と感心したもんです。紙ナプキンに走り書きしたものを盗み見しないよう、好奇心を抑えて、私は普段のウェイトレス業務に徹しないといかん!と思いつつも、心をどきどきさせていました。

それが至近距離たった1回の遭遇でした。でも今思うとサインくらいもらえる素直な19歳でいてもよかったんじゃないかなぁと苦笑します。どうしてあんなにかたくなだったんだろう?今でもそういうところありますが、かたくなと自由さや素直さの混ざり具合というのはとってもむずかしいもんです。ふぅ。

恋愛というのは10代の頃のもっとも興味ありの事件インパクトの強いもので、ユーミンが送るメッセージは、他の曲や本やその他のなかと混ぜても、かなり楽しめるたぐいのものでした。体験していないこと、体験しそうなこと、体験するだろうこと、体験しないだろうこと、全部含めても、なぜか音楽と共にさらわれていきそうな感覚に陥ったものです。

中学生・高校生のときに、友人何人かは彼女をやっぱり聴いていて、手紙の裏の余白に自分の気に入ったユーミンの歌詞をそのままコピーしてくれました。私はお小遣いが貯まるのを待ったり、バイト代が入るのを待って、その文字だけから受け取ったものと、音楽つきのものとを時間をかけて味わってみたもんです。お姉ちゃんのいるお友達は発売日に割り勘で買えるわけです。早いはやい♪手紙の文面にはたいてい直截な内容は書いてありません。ただ「ベッドに横たわって目をつぶって何回も聴きました」なんて粋なことが書いてありました。うらやましく思いつつも、待てる時間を持てる自分を歓んだりしていたもんです。ユーミンの「花紀行」という歌詞を書いてもらっってそれを聴いたあとに、私はデートで電信柱しかない道端で4時間も立ったままデート相手を待ったことがあります。高校1年の終わりの春が近づいている頃でした。私はその歌を心のなかで何度も唄いました。誰も通らなかったときは声に出して唄っていました(ちょっと今、唄ってみました。全部歌詞憶えてるじょ♪)。

バイクに乗ったり車を運転しているときも、たいていはユーミンがBGMということが多かったです。唄っていれば、聴いていれば、目的地に早く着く、というのは不思議なことでした。横浜新道のトンネルを通り抜けるときに、運転している当時の彼氏の顔がオレンジに染まる横顔を見て泣けてきたり、高台をくねるカーブで見える星屑に胸が震えたのも、ユーミンからのメッセージのおかげが大いにあると、私は今でも思っています。でも、どうしてあの頃、あんなにデートでガソリンばらまいていたんだろう?(爆)密室にふたりで閉じこもることって何だかとっても特別なことで、ただのクルージングでもものすごく切なかったような気がします。そしてたくさんのキスにネッキング。ぎゃははははは、ちょっと思い出してまた胸が締め付けられてしまいました←早くこれ書くの終わらせろって…(汗)。

そういういいことも哀しいことも切ないことも全部含めて、私は渡米するまでずっとユーミンを聴きつづけたわけです。そして渡米した私に、大きなダンボールを送るゆとりのない友達は、冬になると発売されたユーミンの新しいアルバムをテープに録音して送ってくれました。父が死んで帰国して、自分で一枚買ったあと、帰国のたびにCDを買ってしまいます。浦島太郎ゆえに新作もぜひぜひ欲しいので、他に食料品や本もあるので、一気に全部買えるわけもなく、お楽しみは少しずつ買っています。まだまだ半分くらいしかないかなぁ。どうせしょっちゅう聴かないんだから集めることにこだわることもないのでしょうが、「ついつい買ってしまう」というのがもっとも正確なのかもしれません。昔に引きずられたことと、ユーミンといっしょにGrow Old(年を取る)することがとっても自然なことじゃないのか?と。

アメリカに来るまでマドンナのことは本当に表面的にしか知りませんでした。もちろんポップス・ロックの有線放送がかかるバイト先ではしょっちゅう流れていたし、聴けばわかりましたが、興味がそーんなにあったわけではありません。なぜかマドンナというのは日本でいう松田聖子みたいなもの、なんて言う人がいて混乱してしまい(そんなのちょい飲みこめなかった…)、「いいや、アメリカに行ってから現場の人に聞こう♪」とまだ英語もできないうちにのんきに構えていたのです。そんなに興味が強くなかったのでしょうか?と言うか、やっぱり「ほんとのところを知りたい」と思ったのでしょうね。

貧乏留学生でCDが買えなかった頃には1時間に2・3曲マドンナの曲がかかるステーションにセットして何だかムキになって聴いていたもんです。MTV(Music TV)のビデオクリップも一生懸命見ましたね。彼女の表現するSexualityにものすごく興味があって、彼女といっしょに変遷していってもいいのかも、なんて思ったこともありました。

音楽やファッションでこの圧倒的な数字を残して、影響をしている彼女がどうしても映画にこだわったのはなぜなのかなぁといつも思っていました。ウォーレン・ビーティーとつきあっている頃に撮影した完全ドキュメンタリーでそれがわかったような気がします。ヌードも怒鳴りもきついエクササイズも全部見えていたのですが、食事の場面で、友人が「ねぇ、あなたがいちばん愛した人は誰?」という質問に、「ショーン」と短い一言だけで応える場面があったのです。ショーン・ペンとは4年で離婚をし、彼はロビン・ライトと子どもをもうけたあとに再婚をしましたし、監督や俳優として安定感のある生活をしているように見えます。キチガイみたいな取材攻撃に対する暴力があって、お互いとても愛し合っていて別れたんだろうなぁと、見えない部分を見てしまったようなそんな気がしました。証拠なんかこの一言しかないのだけれども、何となくこれは真実なんだろうな、という気がしています。

その後に彼女が本当に満足したのが、子どもを作る決意をしながらヴォイストレーニングを基礎から受け直し、アラン・パーカーに認められて抜擢されたEvita(エヴィータ)かなぁと見ていました。コンサートではあんなに激しい踊りをしていても続く声であるのに、かぼそく嗄れた声や枯れた声まで披露してもらえて何だか得をした気持になりました。私はブロードウェイでのミュージカルを見ていないのですが、あの映画は未だに何度見てもいいです。他のマドンナの曲はカラオケに行ってもこっ恥ずかしくて唄えないのですが、あの映画からの歌は歌っても恥ずかしくない(爆)。それはSexualityに関連するものなのか、それとも彼女のように踊れないからなのか、それとも好きかげんが違うのか、なぞです。マドンナはこの映画でGolden Globe(ゴールデングローブ)の主演女優賞を獲りました。そのときのスピーチに「私に声を与えてくれてありがとう」というくだりがあって、印象的でした。それまでの声は本物ではなかったのか?生まれ変わったのか?新しい声を見つけたのか?といろいろ考えちゃいました。

そして子どもが生まれ、たいていの人はマスコミの「精子だけをフィジカルトレーナーからもらって、親権までも独占した」という解釈をしているなか、私はなぜか、彼女は恋をして、そのとき好きだった人の子どもを納得して産んで、今は友達であると思っています。ルイーズちゃんが生まれたあとに、彼女はインドの教えのひとつを師事します。つい先日はイギリスからNYに向かう飛行機の道中に殺すという脅迫状が届いていたのを本人はあとから知る、ということもあったりして、有名人は本当にたいへんだろうなぁと思いました。最近はみじめにしわが増えて年を取ったなどと叩きのめされていますが、本人はマスコミや大衆に対してどう思っているのか、インタビューを見る限りにおいて私はとっても納得できています。それが洗脳の一部なのか、と問われれば否です。私は彼女のフリークではないし、同じ宗教に入ったわけでもないし、服装もかけはなれているし、自分のスタイルを大きく捻じ曲げられた覚えはありません。ささやかすぎる冷静なファン、というところでしょうか?

けれども、このふたりの女性の今後については、私はなぜかGrow Old Together(いっしょに年を取っていく)と思っています。それがなぜチューリップでもなく、松田聖子でもなく、和田アキ子でもなく、メリル・ストリープでもなく、オノヨーコでもないのか、厳密にはわかりませんが。

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