04/28/2006 にアップした文章です。

奇跡: (1)常識では理解できないような出来事。 (2)主にキリスト教で、人々を信仰に導くため神によってなされたと信じられている超自然的現象。聖霊による受胎、復活、病人の治癒など。原始キリスト教では当時の魔術信仰に対抗するため、また使徒(預言者)のしるしとして特にこれを宣伝した。

Stigmata (Stigmaの複数形だが普通複数で用いる);聖痕;十字架上のキリストが受けたのと同一の傷が信仰者の体(両手・両足・脇腹・額)にあらわれたもの。アッシジのフランチェスコの例が著名。

Patricia Arquetteは好きな女優のうちのひとりなのです。代表作はきっとみなTrue Romanceを挙げると思うのですが、私が好きなのはStigmataなのです。俳優一家の出で、姉がRosanne。『デブラ・ウィンガーを捜して』という映画の製作をしたのですが、わかりやすいのはPulp FictionのTravoltaがUma ThurmanがODした時に連れて行ったディーラーの、ピアスをたくさんしている奥さん役でしょう。他にもたくさん出ていますが、主役級のものは少ないのです。弟は、Davidで、Screamで共演したCourteny Cox(Sitcom, Friendsで大人気だった)と結婚しています。と、事実関係はさておいて・・・。

頭は科学者寄りなのですが、幼い頃、日曜学校に通い、女の子だから国語や英語をやれと言われ続け、どこかまだまだ論理性や科学で説明できない分野を愛でるところがある脳な私は、この聖痕という奇跡はたぶんあるんじゃないか?と思うのです。アッシジ(イタリア)のフランチェスコは、12-13世紀を生きた『清貧』をモットーにした聖人で、フランシスコ会の創始者です。詳しいバイオグラフィーはこちらをどうぞ。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%B7%E3%82%B8%E3%81%AE%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%B3

この映画で「目からうろこ」だったのは、小学生だった私にはわかるはずもない、バチカンの科学者軍団。彼らは、「奇跡」が起きたと評判が届くと、その場所に出かけていき、それがHoax(いたずら、人をかつぐ)ではないかどうかを科学的に調査するのでした。マリア像からの血の涙や、聖者の腐敗しない遺体、聖痕など、多岐に渡るのです。多くの科学者は、科学の域では説明できない現象に対しての畏怖を持っており、すべてが科学で解決できるわけがない、と謙虚です。ノーベル賞をもらった学者の中にも敬虔に宗教を辿る人は多く、特にホーキングなどは「神がいなければ宇宙は説明しきれない」と公言しています。ここでまたひとつ、科学がすべてを解決すると思っているナニサマだかわからない人々には、ちょっと注目してみるのもいいのかもしれません。

その後がかなり胡散臭いのですが、その科学者軍団から鑑定を受け、科学では説明できない奇跡だと認定されると、その地や物事は「聖域・聖者・聖像・聖痕」などになるわけです。バチカンのお墨付きをもらえた、ということになり、観光収入は跳ね上がり、静かだった町は栄えるという仕組みです。

他の映画ですが、日本には渡っていないSalma Hayekが監督したThe Maldonado Miracleという映画でも、聖痕が醸し出すひっそりと荒廃している町についての、人々の関係や人生やしがらみが描かれています。コレも泣けました。そこでも、人々が奇跡を見るために集まり、町が栄える風景が出ます。のちに、バチカンから科学者が派遣されてくることになるのでしょうが、それ以前のことをテーマにしています。

が、かたやStigmataという映画は、フツーに暮らしていたヘアドレッサーである若い女性が、母親からもらった十字架をきっかけに、手足に穴が開き、血を流すという本当に最初から奇跡ちっくなことが繰り広げられるストーリーです。たぶん、キリスト教についてまったく何も知らない人にはあまり楽しめないのかもしれませんが、正統的なものには裏を押し隠してきた歴史もある、ということや、その不思議な現象について、私はかなり楽しめました。逆に、敬虔なクリスチャンにも揶揄と取れる部分が大いにあるのだと思います。

その後、ナイーブな?私は、やはり「奇跡は起きる」と信じているのです。誰にでも起きたら奇跡じゃないんですよね・・・。でも、奇跡は起きてほしいと願っているし、生きているうちにこの目で自分か愛する人に起きる奇跡を見てみたいと思っています。

もちろん、出産やその他、「事実だとは思えないほどの不思議」は日常にたくさんあります。たとえば、長年かかったものの、私がここまでたどり着けたことも不思議のひとつです。あばずれだと思っていたご近所さんは、今の私を見れば「奇跡だわ」と言うかもしれません(笑)。

人工透析を14年続けている叔母は、透析開始の10ヶ月ほど前に脳血栓で死ぬところでした。それが引き金になって、透析を始めなければならないことになった彼女は、「黄色い菜の花がいっぱいのお花畑を見た」と言い張り、「死ぬことはそんなに痛くないし、気持ちの悪いことではない」と言いながら生き続けています。さらに、「幽体離脱」を体験したのだと言っています。脳関係で倒れると、ハザマを漂うような体験をする人は多く、私はコレを奇跡だとはまったく思っていません。ヒトの脳には宇宙ほどの神秘が埋め込まれており、不思議だらけなので、奇跡なのか科学で説明できるのか、のグレイラインの領域だとみなしています。

私がまったくたまにしか買わないカリフォルニアの宝くじを数十億円当たったら奇跡でしょう・・・。奇跡的確率ですから。1年に数回しか買わないで当たるなんてこともたまにはあるようです。ただ、それくらい起きにくい現象は、私にはまだまだ巡ってきていません。

ひとつだけ、奇跡に近いな、と思えるのは、西さんに遭えたことです。が、それも、ふたりの行動範囲や今までの人生の軌跡や、世界観などを詳しく考えてみると、奇跡とはみなせないものです。が、宝くじにかなり近い。うどちゃんをはじめとするネコたちが我が家に来てくれたことも、まったく奇跡などではないです・・・。

どこかで私は、自分にはドラマチックなことは起きないとよーくわかっており、奇跡を信じたいところがあるのですね。「いやー、充分ドラマチックでしょう」と言われても、奇跡級ではないことは確かです。冷たい合理的なところがあり、すべてをプランしてそれに沿って行動するがゆえに、アクシデント5%は常に引き受けているものの、奇跡級のアクシデントにはきっとお目にかかれないとわかっているようです。

写真ではなく、映画や雑誌ではなく、本当のStigmataを私がこの目で見られる日はきっと来ないでしょう。エクソシストが必要な憑依も見ることがないでしょうし、幽霊に遭遇することすらないのだと思います。それでも、どこかでいつか奇跡が起きてほしい、といつも願ってしまう、いじましいけなげな気持ち、否定できないですね。ちっとも科学者の卵ちっくじゃないって?そうかもしれません(笑)。

奇跡は起きるか?ぜひぜひ起きてほしいですね♪