05/06/2006 にアップした文章です

長らくJonathan Kellerman のAlex Delaware Seriesを読んでいますが、最新のGoneと文庫になったRageを残し、あと2冊になってしまいました。その中で、主人公のDr. Alex Delawareの恋人が、書き下ろしから2冊目からずっと登場しているRobin Castagna(ロビン・カスターニャと発音する)なのです。私の大好きなもうひとつのシリーズ、Robert B. Parker 著のSpenser Series のSpenser Dr. Susan Silvermanがいるように、主人公の恋愛生活も大きな小説のプロットのひとつです。

全22冊の中で、Alex とRobinは一度別れ、長らくいっしょに住みますが、また別れるのです。二度目の別れを描いたあとのTherapyという作品に出会い、それから全部を読破することにし、今に至っています。あと2冊・・・。うーん、もうちょっと時間がかかれば楽しめたのにな・・・。

主人公のDr. Alex Delawareは、Jonathan Kellermanの生い立ちコピーな部分がかなり多いです。彼自身も、25歳で博士号を取り、病院勤めをし、開業をしたのち、作家生活に入っています。妻とは学生時代に知り合い、彼女のほうも博士号を持ち、化学者として勤めたあとに作家生活に入っています。そんな勤勉で優秀なふたりが描く物語の中では、生々しいセックスシーンも登場し、恋人との繋がりは、下衆の勘繰りを助長してしまいます。

私の好きなシリーズの主人公たちは、なぜか結婚をしていない。これは共通点です。他にもPatricia Cornwell の検屍官シリーズ(Kay Scarpetta Series)がありますが、彼女も恋人とは結婚しておらず、独身です。

Alexの恋人であったRobinは赤毛でカールのかかった髪をしており、職業は父親を引き継いだ大工です。が、スペシャリティとして楽器を作っているのでした。日本にも行き、有名バンドのギターを大量生産しないか?という日本企業のオファーを断る場面が出てきます。朝から晩まで手と頭を使って惜しみなく働くのですが、小柄で身長は155cmほどしかありません。シャワーではなく、夕方お風呂に入るのが習慣で、仕事柄オーバーオールを着ます。シリーズ中盤あたりで、フレンチブルドッグが迷ってくるのですが、いっしょに住んでいたにも拘わらず、そのSpikeと名づけた犬は、別れたあとRobinのわんちゃんになり、引き取られていきます。

別れた理由は、Alexがあまりに危険な目に遭うために、彼女がそのアドレナリンラッシュを求める生活スタイルについていけなくなったことにあります。ハードボイルドのRaymond Chandlerを尊敬しているRobert B. Parkerの作り出す主人公とは違い、心理学者であるAlexがわざわざ殺人事件に首をつっこみ、さらに何度も死にそうな目に遭う必要性はないわけです。Spenserはボストンで警察官をやったのち、退官して探偵になりますが、同じ「危険性」で恋人と一度別れたあと、もう二度と別れる余地はありません。そのへんのくだりはまた胸が痛むほどのロマンチックなストーリーなのですが、シリーズを最初から丁寧に読まない限り、あまり理解できないかもしれません。

自分の手で物事を創造していくRobinの生活は穏やかで、たくさんの音楽家からの依頼があり、評判は上々。わんちゃんもかわいく、生活に何の不自由もなく、時として赤ちゃんを作ろうか?という話にまで発展するのっですが、Alexのせいで、家が焼かれることになったり、強盗に遭ったり、盗聴器をつけられたり、と、Robinの人生にも影響が出てきます。決定的だったのは、Alexがレコーディングスタジオから戻るRobinを待つことをせず、書置きもせず、電話もしないまま、自分ひとりで親友の刑事にも行き先を告げずに、ひとりで、犯人に関連のある女性と待ち合わせをし、殺されかける羽目になったことです。そこでAlexは、2度目の正当防衛で人を殺すことになるわけです。一度は事故でしょうが、二度はもう事故ではない、とみなすRobinの論理にはうなずけます。すぐに、パリ行きのチケットを買い、ふたりで旅行をするのですが、旅先で彼女は「バンドのツアーに参加する。長ければ半年以上になるかも」と告げ、Alexはひとりパリに残り、彼女を見送って実質的に別れるのでした。

その後、Robinはすぐに半年も経たないうちにTimというヴォイストレーナーと知り合い、その2ヵ月後にはいっしょに暮らし始めます。Alexは、事件の助けになった証言をした心理学者である、夫をガンで失ったAllisonと知り合い、デートを重ねます。

が、AlexとRobin近辺の人間はみな、彼らが「いずれまた元に戻ってほしい」と思っており、特にRobinの現在の恋人であるTimは相当な苦労を強いられています。あと2冊あるので、またどのような状況になるのかわからないのですが、悲しい状態ではあります。

人生でイチバン愛している人のことを、英語では Love of My Lifeと表現します。お互いがそう思っているのに、別れなければならないことはあるのだなぁ、と。でなければ、自分の人生がダメになってしまう、というような事情で・・・。

映画でも、刑事や消防士など、危険を伴う仕事に理解を示さない女性がたくさん出てきます。私はどうなのか?西さんはただのサラリーマンでしたが、前の恋人はレーサーでした。逃げてしまったのですが、それは仕事のせいではなく、むしろ仕事のせいにした彼のエゴを通す回数の多さや「そんなこと言えない」のせいでした。では、彼がそのときに死んでしまっていたらどうだったのか?それはわからないですね。実際彼は生きたまま、バイク関連の仕事を興し、中学からの親友と働いていますし、妻には3人の子どもがいます。とても元気そうです。映画Ladder49, Backdraft, Donny Brascoなどなど、挙げればキリがないですが、女性が恋人や夫の仕事に不安を持ち、死んでしまったら?と悲しむ場面はたくさん出てきます。

西さんはアメリカと台湾で駐在員をしているときに、たくさん飛行機に乗りました。特に、台湾に赴任してからは、毎週のように飛行機に乗っており、パスポートのページ追加をしてもまだ足りず、再申請をしたほどです。きっと心配したほうがよかったのでしょうが、私はヘリのパイロットなせいか、旅客機の安全性には数値的な信頼をしており、特に心配はしていませんでした。なので、危険が伴う仕事ともみなしていませんでした。ただ、健康にはよくないだろう、とは思っていましたが・・・。

Love of My Lifeの身の危険を第一に考えるのは、きっと防衛本能のひとつなのでしょう。が、Spenserの恋人のDr. Susan Silvermanはうまくやっています。世界中でたくさんの恋人たちや妻たちが、危険な仕事を持つ、愛する人を、心底愛して生きています。

なんとなく、私はAlexがRobinと戻る日を待っているのかもしれません。うーん、自分のLove of My Lifeにドラマがあまりにもないから、他人のLove of My Lifeに投影(心理学でのProjection; ある状況や刺激に対してなされる解釈・判断・表現などに、心理状態やパーソナリティーが反映されること)しているのか?(爆)私の愛は安定しすぎており、西さんとネコたちをはじめ、お友だちもビジネスパートナーにも不満はありません。本人に文句はバシバシ言うことにしているので、私のほうに溜め込む不満などはないのです。むしろ、私が学ばせてもらえる美徳をもらいまくっており、何とかして鶴の恩返しをせねば、と思うほどです。

あなたはもうLove of My Lifeに出会えましたか?きっとどこかにいるはずです。離さないでね♪