09/15/2006 にアップした文章です。

 

守秘義務がこのところ、私の周囲での懸念になっています。知的財産権について調べ始める前も、私の場合は、守秘義務にかなり敏感でした。アメリカに居たこともあり、プロと名のつく人々に関してはこれについてまったく心配することがなく済んでいたのですが、ビジネスをしている人であれば誰でもコレは負わねばならぬし、個人対個人であっても本人の承諾なしに他言していいとは思えていないのが、私のラインの厳しさです。

守秘義務:職務上知ることのできた秘密を守る義務。公務員および医師・弁護士などが負う。

私の場合には、セラピーで自分の洗いざらいを話してしまわねば、心も身体も快方に向かうことがなかったので、セラピスト選びから慎重でした。そもそもそのときには、自分でごはんも食べられず、眠ることもできず、シャワーをまともに浴びることもできず、人の言葉に傷つかないでもいられず、外界を一切シャットアウトしていたわけで、そんな状態に胸を痛めた西さんが、すぐに母を日本から呼んでくれたので、最低限の衛生と食事は確保することができました。が、ドライブすることも調べ物をすることもままならず、英語のほうが会話としてはラクだったにも拘わらず、なぜか日本語のセラピストを探したほうがいいのではないか、というくらいにダメージは大きかったのです。母にもついてきてもらいたいと、3歳に戻ってしまったような感じでした。

まともな食事のミニチュア版を摂り、浴びられなかったシャワーを母に手伝ってもらいながらも浴び、理想の20%ほどしか眠れずとも0%ではなくなってから、心配してくれる友だちの電話に答えることがようやくできるようになり、最初のセラピスト訪問のドライブをしてもらい、探せたセラピストは女性でした。彼女はインド系アメリカ人で、家ではヒンズー語を話し、医学部を優等で出た女性で、文化的ギャップやその他のたくさんの面で共感を得ることがたやすい人でした。その彼女を信頼してから、ドライブができるようになり、母には3ヶ月ギリギリまで居てもらい、一度日本に戻ってもらうことになりました。

最初のうちは、週に3回も通っていたのですが、だんだん減っていき、週に1回になってからもまだ3年は通ったわけです。その50分の会話の中で、私がどんなことを彼女に話そうとも、彼女は絶対がないこの世で私の許可なしに他言することはありえないと、心から信頼することができました。実際に彼女が話してくれたライセンスを取り上げられたセラピストの話や、学校ですでに学んでいた守秘義務の大切さがあったためでしょう。

そして、知らぬが仏なのは、私が誰に対してどんな気持ちを抱いてきたか、という事実をそこでも話していたことです。私の不信や不快や疑惑は、そこでたくさん話されました。自助のためのガイダンスが純粋な目的を持つセラピーでは、心の中にあるものをすべてテーブルの上に並べなければなりません。でなければ私はWhole(完全な丸々とした存在)として成り立たたず、欠けたものが出てきてしまいます。西さんのことも話しましたし、ビジネスパートナーのこと、父や母のこと、弟のこと、本当にいろいろな人物について整理して話をしました。大学や学問に対する態度や、社会全体や文化、自分の能力や健康管理、将来の不安や正義。ほぼ5年通っていたわけですからものすごい情報量です。最後には、私が自殺未遂まがいのOD(overdose;薬物の適量超過)をしたことすら、ドクターは忘れてしまっていました。1ヶ月に1回のセラピーになったとき、私はどんなにかうれしかったことでしょう。どす黒い顔色をした私はもうそこには居なく、将来に希望を持った、この先を生きていく私が居たわけです。

今でもドクターにはこの守秘義務に対しての信頼感があります。むしろ、私が自伝を書くことになったとしたら、彼女に「それは違うでしょ」と言われてしまったらどうしよう、というくらいにたくさんのことを話してきたので、事実関係のチェック機能を果たしていただきたいくらいです(笑)。特に、トレースできる過去の事実ではなく、心持に関しては彼女が持っている資料が、私に関しては最も貴重なものなのです。

そして今、知的財産権を駆使し、ビジネス特許を取ろうとしています。秘密はなるべく少ない人数とシェアしたほうがいい、というのが常套ですが、せっかくの特許案に穴があってはたいへんに困る。ベースをきちんとカバーしておかねばなりません。何かのアイディアをくっつけて「まったく違うアイディアだ」と主張する輩がのちのち必ず出るからです。その際、ベースになっているのは私のアイディアであることを証明できるために、しっかりとしたモデル作りと考え方の枝葉分けが必要になります。

私は愚かモノではないので、自分が常に正しくないことを痛いほど知っており、自分が常に誰よりも賢いわけではないことを知っています。なので、どうしても自分の考えをシェアし、叱咤し、ダメ出ししてくださる方が必要です。西さんはまだ枝葉についてまで考えられる理解の深さまで来ていません。本日、エンジニアの方には、守秘義務の契約書にサインをしていただきます。これは今後、営業ターゲットになった大きなIT企業の方々にも書いていただくもので、特許を申請して1年半(18ヶ月)は情報公開がないので、必須なことなのです。漏れるとしたならば、誰かが口伝にしたか、書類を流したことしか考えられないわけです。

口幅ったいことしかまだ言えませんが、本日、コメント欄に書いてくださる校長センセのところまで、会いに行くことを決めました。校長センセのバックグランドや私の校長センセに対する勘と評価は、この私のアイディアを練ってくだされる人だと囁いています。いや、叫びほどではないにしろ、もっと大げさな感じ・・・。なので、お伺いすることに決めました。ネットってこんな使い方もあるんだぞ、という一例です(笑)。

さらに、弊社が総代理店になるであろう歯ブラシ除菌器の特許も同様で、日本市場にコレをバンバン売る前に、デザインをしたエンジニア兼社長に、日本市場用の特許を取ってもらうお願いもしてあります。真似したところは払うんだよん・・・。日本では韓国生まれのエセンシアが少しだけ売り出しを始めていますが、世界で300万個売れたわりには日本でのマーケティング展開に非積極的な印象を持ってしまっています。弊社の発掘した製品のデザインの構造は、エセンシアが持っていないすばらしいものがあり、歯ブラシを除菌したほうがいい利点はカタログ製作している現在、どれを削ろうかと有限な紙面に向かってうなっているところです。が、どうしてもカバーせねばならぬのは、これをコピーする人間は必ずいるのだろうな、ということ。知的財産や守秘義務なんてことに対しての尊敬や畏怖はない人々が多いのは、日本という土壌のせいなのかどうか・・・。

仕事でプロとしてやっている人々が守秘義務や知的財産に対しての考え方が浅いのに、日々の個人の秘密や持ち物に対して、敬意や畏怖が発達するわけもありません。お願いだから、親や配偶者だからって携帯を盗み見るのはやめようよ・・・。私は西さんの出張の荷造りもしたことはありませんが、携帯もメールも財布も見たことがありません。そんなアイディアさえも思い浮かばない・・・。隠す人ではないので、見せてと言えば見せてくれるんですもん。そういう関係をそもそも保っておくことのほうが、見てチェックすることよりずっとずっと大切です。

が、ビジネスは世知辛い。守秘義務契約書、これからも活躍しそうです。