09/30/2006 にアップした文章です。

 

日本人がすごいなぁ、と思うひとつにお風呂の習慣があります。そもそも肉食ではなかったにしろ、体臭がきつくないにしろ、お風呂で健康を保つのはすごいことだなぁ、とつくづく思うのです。アメリカで18年半も過ごしてすっかりシャワー化してしまった私が思うのは、やはりどこかで「お湯に浸かること」を頼みの綱にしていることがある・・・。凝りや頭のすっきりさ加減や老廃物などなど、本当にお風呂の功績は大きいのです。

行き着けのスナックのママさんは、1日3回もシャワーとお風呂を使う人です。お店に入る前と帰ったあとは必ず入り、その他にも起きたあとすぐに浸かりたいらしい。子どもの頃からお風呂が大好きで、寝起きが悪い自分には、お風呂に浸かることにより血のめぐりがよくなると信じているのだそうです。私は対照的に、たいへんに寝起きがいい。起きてすぐに活動できてしまいます。お風呂は必要ない・・・。ありがたいことです。

が、カリフォルニアに居たときでも、明治時代に日系人が開拓したという温泉にはたまに通っていました。特に冬は大盛況で、鹿児島の頴娃出身の農業従事者のおばちゃんたちがたくさん来ていました。硫黄の臭いが立ち込める小さいスペースでしたが、やはり浸かるとすごく身体がラクになりました。椎間板が下から2番目と3番目が削れてなくなっている私にとって、目下パチンコ台に長らく座っていられるのは不思議を超えた奇跡です。体温、特に平熱が高くなったことは、アメリカに渡った+でした。そもそも血圧が低い傾向だったのに、寝起きはよいし、冬でも250ccのバイクで移動しても寒すぎてできないと漏らすこともなかったし、痛みにも強かったこともあります。が、「お風呂があるからできた」という苦労もたくさんあるのです。

アメリカでは、腰痛がひどくなってから、バスオイルやバスソルトにお金をたいへん掛けるようになりました。本を読みながら軽く2時間弱は入るようになりました。ネコたちが代わりばんこに寄ってきて、さくらはバスタブの縁に乗って水をチャパチャパと前足になる手で漕ぐ動作をします。タンゴも水は大好きです。アヴィーも水は平気なようです。うどちゃんやハイジはじっと私のバスローブを敷いたところで私を見つめてくれていました。寅次郎はよほど気分がいいときでなければ、バスタブ近辺には来ません。足を骨折したときにバスルームに閉じ込めていたことがトラウマになっている模様です。これが彼を「2300ドルの男」と呼ぶゆえんなのです(『600万ドルの男』というアメリカのTVシリーズがあったのですが、それをもじって・・・)。

行き着けだったカリフォルニアのお鮨やさんのマダムは、毎晩飲んでからお風呂に入ります。浸かることが大好きで、アメリカのバスタブでも細身なので満杯にすると肩まで浸かれるそうです。が、彼女が気の毒なのは、カジノホテルでもお風呂に入れないこと。シャワーが浴びられないので(浸かることにこだわりすぎている)、他人が通り過ぎて使っているバスタブにお湯を貯めて、自分が浸かることができないわけです。2泊したときにもシャワーもお風呂も使えなかったときには、さすがに気の毒になりました。私はシャワーでまったくOKなのできれいに過ごせました。

昔の人は髪を毎日洗わなかったようなのですが、私は10代になる前から髪は毎日洗ってきています。どうせ濡らすのであれば髪も洗わねば気がすまないわけです。歯磨きもお風呂でしなければ意味がない、と思い込んでいます。濡れる部分は一気にすべて洗う。コレ、私にとってはとても大切なことなのです。特にお風呂に浸かったあと、皮膚がユルユルになっているはずなのに、足のかかとをヤスリでこすらないなどということは罪悪にも近い気分です。膝やかかとやくるぶしやひじなど、念入りに手入れするために浸かっているんじゃないか!と思うわけです。

さらに、私がこだわりすぎているのは、髪をしっかり洗ったあとに上げて留めること。濡れた髪が肩にかかることほど気持ち悪いことはありません。リンスのCMを浅田美代子がしていた頃、私はリンスを使わせてもらえませんでした。生まれて初めてリンス体験をしたのが小学校3年だったので、以来、私はリンスもコンディショナーもパックもたいへんにお上扱いをしているのです。それらが最大限有効に使われるため、しっかり髪に浸透するよう、私は置き時間を長くしてきました。シャワーにしろ、最初に髪を洗い、身体を洗っている時間ずっと髪を上に上げておき、コンディショナーは浸けっぱなしにしているわけです。行動が速いので大して長い時間でもないのですが、身体を洗うあいだはずっと浸かっている、という安心感。コレはかけがえのないものです。最後に髪を濯ぎながら、歯ブラシでしっかり歯磨きをするのです。そのあいだ中ずっと濯いでいるので、しっかり薬剤も取れている気分になってとてもいいのです。なぜこのようなシステムを作り上げてしまったのか、いつからなのか、定かではありません。が、10代だったように思います。

お風呂に浸かることは、夏の日本ではほぼありませんでした。水に浸かったことは数度あります。7月と9月、とても暑かったので、水を貯めておいてそこにどぼんと浸かり、体温を下げたことならあります。が、コレはお風呂の効用なのかどうかダウトです。本を持ち込み、体温が下がるまで浸かっていたのですが、2時間も経つとまた暑くなる。が、やらないよりはましです。私の場合、赤ちゃんと同じく、頭皮がとても熱くなるし、汗を掻くのです。「コレが最後の浸かり」になるときに髪を洗うことにしていました。私ひとりで水を落とすか、洗濯機の中に入れて運用するようにしていたので、頭ごと浸かる。頭が冷えなければ意味がないのです。『頭寒足熱』ですから。水に浸かると肩こりや筋肉までも冷えてしまうと心配する方々がいらっしゃるのですが、あんなに熱くなってるんだから大丈夫・・・。アメリカに行ってから平熱が高くなってしまった私には、日本の夏はひどいのです。

秋になりました。葡萄をいただいて秋の気配を感じたのですが(短絡的に運動会を思い出しただけなんですが・・・笑)、これからまたお風呂が大活躍します。追い炊きができないユニットバスなので、どれくらい活躍するのかわからないところですが、浸かることは大切です。特に、仕事が忙しくなって、知らない間に座りっぱなしの時間が長くなると、お風呂は必須です。さらに、二日酔いにはお風呂がいいのよ・・・(爆)。

昨日のデートののち、西さんは二日酔いがひどく、まだ寝ています。もうすぐさとみちゃんが出勤してくるのですが、その時間までに立ち直れるのかどうか・・・。コーヒーを飲むかと思いきや、なぜか日清カレーヌードルを所望し、食べたあと、スープをおいしそうに飲んでまた寝てしまいました。私は出張のため、こうしてエッセイをせっせと書いているのですが、少しだけ二日酔いぎみです。昨日は、美空ひばりの歌を数曲歌い、父を思い出して泣き出しそうになっていました。これからシャワーに入るのですが、ここで書いたことを思い出し、苦笑いをすること請け合いです。

さらに、お風呂に必要なのは固形の石鹸で、ボディシャンプーではないことは記しておきましょう。私はあのつややかなヌルヌルがダメです。いったん、しっかり脂を落としておいてから、ボディローションを塗ったほうがいいと思うのは私だけなのでしょうか・・・。せっかくお風呂に浸かったというのに、垢をなるべく完璧に落とさねばもったいないと思っちゃうわけなのです。浸かる前にしっかり前洗いをし、浸かってから何度かに分けて身体をこする念入りな私は、お風呂が毎日炊けていたときには「お風呂の長い子」でした。本を持ち込むのですから当然です。

こうして秋が来て、日本の極寒を体験できることはたいへんに楽しみです。お風呂を満喫できる冬になることは間違いなしです。母にどれくらいケチられるかどうかとの戦いになることも間違いなしです・・・。