04/03/2007 にアップした文章です。

 

引越し業者と不動産やさんは、この時期、超多忙です。国内だけではなく、海外にもおそらくたくさんの人が赴任になったことでしょう。まぁ、海外の場合には、9月が目安な時期なのですが、シビアでビジネスライクな会社になると、あまり時期は関係はないようですが・・・。日本に生まれて育ったときには、私は一度も引越しをしたことがありませんでした。引越しに憧れていた、というのは、決して過言ではなく、貧乏極まりない文化住宅から、早いところ引っ越したいと願っていました。ところが、その反動なのか、自分の家が買えるようになってからは、アメリカではだいたい3年おきには買い替えをしていたという不思議さ・・・。アメリカでは、学校から学校へと渡ったのと似た数だけの引越しをしましたから、合計で、10箇所に住んで、そのあとここに戻ってきて、もうすぐネコたちもいっしょに住めるところに1年未満の予定で引越し、その後、家を買うということになります。13個の家というのは、一体どうなんでしょうね?

移動の季節には、たくさんの出会いと別れがあります。ちなみに、母に言わせると、倖せで安定していれば、引越しの必要もないから、その回数も少ないという見解です。が、決して私が引越しをアメリカで何度もしていたのは、苦労やつらさや不幸のバロメータではないので、それを母に言ったところ、「あなたは変わり者だからよっ!」と軽くいなされてしまいました・・・。

確かにストレスの大きな原因に数えられるのが、引越しです。移動そのものがストレスの原因になっているのは、Adaptation(適応;この場合は順応していることを指す)-Maladaptation(非・悪・不などの意味がMal、非順応)という、大きなバロメータとなるからです。いつぞや、ストレスについてのエッセイは書きましたが、どうも日本人は、医者からして「ストレス」という単語を頻発するようです。ストレスと日本人が使っているものは、Stressorという刺激物全般を指し、それが個体にとってどんな刺激となるか?というのが、身体的および心的影響を測る仕組みのことを、ストレスというのですが、どうも誤解があるようだ。よいストレスもあるし、悪いストレスもあるということは、どうかご理解ください。

私などは、Nothingness(何もすることがない)というのが大きなストレスになるので、何かが起きている状態について、あまり不平や不満もなく、度を越したときに、「最近ストレスがかかっている状態」とみなしています。話せる家族がいること、ドキドキする仕事があること、やりくりするお金があること、疲労と心地よさを確かめられる身体があること、などなど、私は、いわゆる一般に言われているストレスには、たいへんに強い傾向があります。

引越しで鬱状態になってしまうことを、最近までは五月病と称していました。四月に入った大学新入生や新人社員などに、一か月を経た五月頃に見られる、新環境に対する不適応病状の総称で、実際は、その彼らを引き回したり、関係ある仕事や部署にいる人々も影響を受けています。個体がもともと生まれたときに持ったものを、これまで後天的に、人から教えられ、見聞きし、体験し、培ってきたからこそ、リズムや習慣が生まれるのですが、そしてそれを心地よいと思うのですが、困ったことに、「それらとは違うもの」を、
・ 心地悪い
・ 不都合だ
・ 嫌いだ
・ 我慢ならない
・ 不愉快だ
などと感じることになっていきます。その感じることが、身体的にも影響されるのは、たまたま日本の学業や仕事の始期が春になっているため、大きな影響を受けていることはわかるでしょうか?四季がある国に位置する日本では、身体が一番活発になるのが、春先です。たとえば、ダイエットもこのあいだに開始するのがいいとされているのは、新陳代謝を変化させることにより、影響をたやすく受け易いからです。まだ寒い日も時折現れるが、太陽は確実に日照時間を延ばします。日照時間を調整するだけで、体内時計が定まることも何度かすでに書いていますが、そのアジャストの時期には、多少のブレに敏感になるのが、身体というもので、どっちにスウィングしてもいいように、かなり敏感でスタンバイをしている状態です。ヒトも生命のひとつであり、植物や動物たちが、厳しかった冬に耐え抜き、春の息吹をいっぱいに受けて成長を受けるのと同様、身体的にも心的にも活発になるわけです。

だからこそ、さらなる環境の変化は、ある意味チャンスで、ストレッサーに日ごろから鍛えてある人間であれば、大きな飛躍が期待値としてアテにでき、準備が足りない人間にはたいへんな負荷となります。運動などに置き換えて考えると、わかりやすいでしょう。いきなりマラソンはできないので、どんな運動であっても、日ごろからやっていた人のほうが、環境が変わったとしても同じ運動であれば、能力アップが期待できるのと同じです。

ストレッサーの強弱や質や量を考えて、日ごろから暮らしているでしょうか?全面的にストレッサーを避けていては、ドラマチックな変化が起きたときに、たいへんなことになります。平均的に、引越しは起こりえることだし、職場での異動もざらにあることだし、仕事の内容が変わることも当然のことです。悲しいことですが、配偶者や愛する人がいつかは死んでしまうこともありえることなので、環境の中から慣れ親しんできた人がいつかはいなくなるということにも、心の準備が必要です。子どもがいつか自分の手から離れて起きるEmpty Nest Syndrome(巣離れ症候群)なども、この時期に起きることが多く(アメリカでは9月過ぎ)、残された夫婦が対峙することが、よい方向に作用されるよりは、悪い方向に出ることもままあります。

五月病にはまだまだ時間があるように考えているかもしれませんが、新しい環境に慣れるために学習している最中には、時間はあっという間に過ぎてしまうので、ぜひぜひ今から覚悟をしておいてくださいね。

私にとっては、移動したり、新しいものの中に身を置くのは、日常茶飯事のひとつです。やっと7ヶ月経った日本再び暮らしも、やっと板についてきました。つい最近、Pasmo http://www.pasmo.co.jp/ を生活の中に導入し、なんだかとても日本人に戻った気分なのです(爆)。日曜日の夜に、ちびまる子ちゃんやサザエさんを見ても、なんだか日本人に戻った気分が鼓舞されるし、日本のみなさんが長年日本に住んでいて気づかないことに気づいている私には、かなり数の多いストレッサーがあるはずなのですが、健康にやっています。19年前に日本に居たときと同様に、多忙な暮らしに戻りましたが、それはそれでたいへんにエンジョイしており、19年前にできなかった数々のことが、できるようになっていることに、ものすごく驚くことが多いです。それは、日本が便利になったこともあるし、私が成長して身につけたことも多いということでしょう。ただ、悲しいのは、中型バイクに乗って仕事に行けないことですね(笑)。

あと数日経てば、新1年生の集団登校の列に逢えるようになります。桜もひとりで満喫したし、次は1年生だ♪移動の季節は私にはエネルギーをたくさん充電できる季節なのですが、おそらく、放電している分の自分から発するエネルギーのことを、あんまり考えていないため、私もへとへとにならないようにしなければなりません・・・。