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マメさの因果

10/22/2006 にアップした文章です。

 

マメさって生まれ持ったものと後天的な環境要因のバランス問題だと思うのですが、ここでも私は、「環境によって生まれたあと作られる率が高い」と考えられすぎているのではないかと、ダウトしておきます。たとえば、西さんは、生まれ持ったもののマメさの多寡はそれほど大きかったのか?とつくづく考えるのですが、「平均値よりちょい上なだけだったんだろう」と思うのです。小さい頃、竹刀で殴られたりしなければ勉強もしなかったわけで、それにより訓練されたこともあり、行儀作法もすばらしい子どもであったとお義母さまなどはおっしゃいます。が、しかし、「九大時代にボート部で昼寝もできず、この細い神経を何とかしたいと野太いことをすることばかりに努めていたら、元に戻らなくなっちゃったんだよ」などとも言うのです。結局、定着しないこと・逃げたくても逃げられないこと・抗いようがないこと、ではなかったのだから、平均値近辺だったんだろう、というのが、私の中途結論です。

たとえば、犯罪者についての誤解ですが、特に「性犯罪者」は頭から、心から、計画的にしたくてやっている人々が、うんと少ない確率なのです。もうね、身体の裡側から自分の意志以外のものに突き動かされている感じ、振り回されている感じ、というのが、体験したことのない人にはわからないものです。私は、遺伝子の疾病があるのでわかります。逃げたくても逃げられないし、抗いたくても抗えない。それほどに「先天性」と因果の強さがあることって、たまに人は持っているのです。自分の中のソレがわかっている人々は、それについての防御策が施せるのだけれども、そうでない人はある日突然、事故に遭ったかのように人殺しをしたり、詐欺をしたり、二次性を持つ疾病に見舞われたり、と不幸を呼ぶことになってしまいます。

それについて真剣に考えてきた私は、性犯罪者に対して「睾丸摘出手術」などを、希望者には州のお金で施術するアメリカを、やはり「すごい国だなぁ」と思うのです。性犯罪を繰り返す人間には、投薬療法を施す。それも州の費用です。行動のどこを「生物学的」とし、気の毒な因果を持って生まれたかとするかは、論議を醸し出すところですが、医学の発達により証明が可能になってきました。日本では、性犯罪者向けの「矯正セミナー」と称した訓練を、刑務官たちが受刑者の立場になって体験する、というニュースなどが取り上げられていますが、「純粋に後天的・心理的」なものであれば、その矯正プログラムで更正できるのでしょう。が、私としては「まだまだ甘いんだな」というのが感想でした。

因果:(1)原因と結果。(2)〔仏〕(ア)今ある事物が以前の何らかの事物の結果であり、また将来の何らかの事物の原因であること。(イ)自分のなしたよい行為や悪い行為に応じて、それに相当するよい報いや悪い報いがあること。(ウ)現在の不幸は、前世での悪業によっているということ。

(形動)[文]ナリ 不運な巡り合わせであるさま。いやな運命にあるさま。

さて、マメさ。高村薫も並行して読んでいるのですが、リタイヤする刑事が最後の日に、7年ぶりに扱った殺人事件を解決するというストーリーに出くわしました。『地を這う虫』に収録されており、『去りゆく日に』というタイトル。事件解決の糸口は、ある女性の「マメさ」にあったわけです。彼女が死体になってしまった男性の着衣の乱れを直し、体位を整えてしまったがために、事件が解決するというもの。私には、それはありえない話なのかどうか、ちょっと考えてみました。死者に対する敬意があるので、最後に父の遺体を思い切り整えたことなどから、それだけであればやるのではないか、などと思ったのです。が、第3者から見れば、私はマメな人間ではないし、特に洗濯物の干し方や、マニキュアの塗り方などから、死体の着衣の乱れを直し、体位を整えたなどという推理には発展しないだろうな、と・・・。

そこからなのよ、マメって因果なことになる場合があるのね、と思ったのは・・・・。

マメ(忠実): (1)まじめによく働くこと。よく気がついて面倒がらずにてきぱきと動くこと。また、そのさま。(2)体が丈夫である・こと(さま)。達者。(3)誠実である・こと(さま)。(4)実際の役に立つさま。実用的。

この辞書の内容を見てみると、これほどすばらしい美徳はないように感じるのですが、実際は、「過労死」へのセレナーデな日常生活で、他人に騙される確率は高いが他人は騙さない、人に利用されて便利がられる、などなど、本当に諸刃なのだと・・・。

母は息抜きの方法をしっかり身につけているので、マメでもまったく過労死へと繋がりません。彼女いわく「O型だから、あやしいと思ったらすぐに病院に行っちゃうし」ですし・・・。父もO型だったけど、ガン発見は手遅れだったし、私もO型なんだけどなぁ(爆)。身体が丈夫だからこそ、過信して病院に行かないので、見つかったときはヤバイというのが、O型なような気もする・・・。というか、そもそも私は血液型のような簡単すぎる4分類を信じていないので、母には言わせておいてあげちゃうんだけれども(爆)。しかも、母はしょっちゅう人がよすぎて騙される手前くらいのことをしており、モノを買ってあげたり、面倒を見てあげたりもしています。が、彼女が他人様を騙すところは見たことがないです。身内はよくなおざりにするんだけどね(爆)。

独楽鼠のように動かないと気が済まない人たちばかりに、私は囲まれてラッキーです。西さんのマメさは、自分のケアに関する日常生活にはあまり発揮されておらず、登山関連やらその他のスポーツ、仕事などに反映されています。ただ、自分のケアについても「やる気満々」なので、私が特に彼について面倒を見て後ろを歩くわけでもなく、たいへんにラクです。私が頼んだことも気軽に引き受けてくれるので、マメではない私はたいへんに助かっています。たぶん、自分がマメな人は、他人からの「ちょっとしたお願い」は断れないんだろうなぁ・・・。できる範囲のことで特に損をするという意識を駆られるものではないから。ご飯を食べ終わった2時間後くらいに、西さんが自分のお酒を買いに出ようとするときには、私はタバコやソーダその他を「ついでに買ってきて」と使ってしまうのです。あまりいい態度ではないのですが、「いっしょに行こうか?」と言っても答えは同じ。「ついでだからいいよ、わざわざ身支度しなくても」ということになる・・・。そうなのよ、私は家の中で、本当にテロテロボロボロの服を着ているのです(爆)。生まれ持ったマメさは平均値近辺であろうとも、西さんの場合、後天的にいろいろやってある分野においては、スーパーマメですね。

仕事にしても同様で、得意な人に得意な分野をやってもらう分業制のほうがずっと効率がいいので、私はかなりラクをしています。プランニングやその他の大雑把だったり、大きな絵柄だったりする分野についての責任は取るのですが、セールスに関しても自分が先導するのですが、事務処理はほぼ手をつけていません。でも未だに誰も「きくみさんって事務関連無能なんだよね」とは言わない・・・。あ、言えないのか・・・(爆)。でも自覚はしっかりしています。マメではないことへの贖罪ですし、そりゃ引き受けなければいかんでしょう。

マメなことも因果かもしれませんが、性犯罪の資質やその他、因果でどうしようもない先天性に大きく占められた傾向というのを、もしかすると誰しも持っているのですよね。それが何なのかわからぬまま、野放し状態にしている人々によく遭遇します。私はそれでも「開発中」だとみなすことにより、受け入れてきた感があります。特に、心理的なことで、生物学的に疾病とみなされない傾向は多いです。たとえば、自分をどうしても傷つけたくないという気持ちが極端になり、秘密や保身や対面作りやパワーゲームなどを、他人を利用してまで行うようになるのが日常になること。虚言癖もSelfをどう捉えているかに左右されますが、その先天的な部分はどこまでなのか知っていたほうがいいでしょう。抗えないほどの強い力であれば、虚言は直りませんもんね。

こうした因果の中でも、マメさは私にないものなので、かなり気にしています。あー、気にしていると言っても、欲しと思っているわけではなく、他人様のマメさに対して充分に他の形で恩返しができているかどうか、です。そして、その因果について、いろいろ考えているのですが、逃げられないものはしょうがない、で済ませない人々が増えてくれるといいなぁ。

 

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