語彙が増えない悩み

01/21/2008 にアップした文章です。

なんと、語彙が増えないという悩みを持つ人は多いのですねぇ。英語では、TOEICで650点を超えると、だいたいの文法問題にはもう引っ掛らないよ!と思いつつ、それでもケアレスミスがかなり出て、Listeningでは、語彙がないから、聴けないという結論に至るようです。私は真っ向からこれに反対させていただきます(笑)。私が1月2週目から見ている高3の男の子は、長文読解で5割しか点数が取れなかったのですが、今では問題にもよりますが、7~9割取れるようになっています。まぁ、点数を上げたいという目的と、本当に英語ができるようになる、と、2通りの考え方ができますが、それについても言及。

語彙:(1)〔vocabulary〕ある一つの言語体系で用いられる単語の総体。言語体系をどのように限るかによって、内容が変わる。日本語という限り方をすれば、日本語の単語全体を意味し、漁村・農村あるいは特定の職業など、ある領域に限れば、その領域内で使われる単語の全体を意味し、ある個人に限れば、その人の使う語の総量を表す。(2)単語を集め、一定の方式に従って順序立てて並べたもの。解釈の付けられているものが多い。

語彙ひとつの解釈も深いよねぇ・・・。私の脳内にある語彙体系を、図式化したらどうなるのか、ひとりで想像してにやにやしてみる(笑)。英語と日本語が分かれて、その中に数少ないスペイン語と他の外国語の語彙欄を設けないといけないかもしれない・・・。

ヒトは、母国語をマスターするときに語彙を豊富に持っているわけがなく、模倣して学びます。実際の現場に居合わせることが必要で、その現場への臨場感や必要性などから身につけていくことばかりです。私がかなり遅くまでマスターできなかったものに、派手と地味があり、子どもにはてんで必要のない語彙だったのだろうと、今ならば笑えます。井戸端会議で、「この服派手じゃない?」「ううん、奥さん、大丈夫。地味なくらいだわ」と話されているのをよく聞いて、それでもまったくその差がわからなかった。反対語というのをおぼろげながらわかってきたものの、おそらく中学生くらいまではよくわかっていなかったような気がします(笑)。

音の問題で身につくのが遅かった語彙に、「手術」があり、私はこれを「しりつ」と聴いていたようです。周りの人間の発音が悪かったのか、早口だったのか・・・。小学校4年くらいのときに、漢字テストで「あああああ!これだったのか!」と大声を出してしまい、クラスのみんなに説明責任を果たしたことを記憶しています。看護婦さんもそうで、「かんごくさん」に聴こえており、小学校高学年になって「監獄」という語彙を『巌窟王』で学んだときにびっくりしたものだった・・・。そういった語彙はかなりたくさんあります。

今も、和製英語、輸入英語を認めては、「へぇ、そういう意味だったのか・・・」とよくやっています(笑)。死ぬまで続くのだろうなぁ、とかなり観念しており、今は『柿本人麻呂論』を読んでいるのですが、それで古文についての「目からウロコ」にかなり遭遇しています。語彙だけではなく、日本史の史実としての「え・・・、知らなかった」というのもけっこうあり・・・←まずい(汗)。

日本語ですら、語彙が足りずに生きていけるわけです。知らない単語をイチイチ辞書とクビっぴきになって、調べている大人は、ここのところ見たことはありません。英語学校で、英単語はよく引いているのに、日本語は引いているのを見たことがないです。うーん、どうしてなのだろう?私は、ほぼ毎日引いているのですが、もう習慣です。知らないと不安で、確かな手応えがないと地面が揺らぐような気がしてしまうからです。しかも、こうしてみなさまに読んでいただくものを書いている場合、自分の発した言葉に責任を持たねばならず・・・。

語彙が増えない、と悩んでいる人は、どうも間違った記憶の仕方を励行しているような気がしてならぬ・・・。日本語を学んだように、どうやって?と自分の胸に聞いてみるとよろし、なのですが、どうもそういう初歩的なことに立ち戻れないのが、大人の悪い癖なんだろうなぁ・・・。

私が渡米して、集中英語学校のコースを取ったときには、「ちきしょー、私の語彙は、ペラペラさ加減は、アメリカの子どもの3歳にしか匹敵していない・・・」と強く自覚したのです。24歳の日本語の頭を持ち、それなりの経験を積み、それでも3歳に戻ることは厭いませんでした。もちろん、時々はグレましたよ(笑)。どうしていつも、日本語にすると;
私の名前はきくみです。
日本生まれ、日本育ちです。
バイクに乗ります。
パイロットになろうと思っています。
誕生日は10月です。
おなかが空いた。
カフェテリアのごはんはまずい。
などという初歩的フレーズ、まるで幼稚園前のことしか言えないのだろうか?と。でも、それらが一通り言えるようになったときには、実感しましたね。

読んで100回・聴いて100回・書いて100回・喋って100回なんだなぁと。きっと日本語もこうして身につけてきたんだろう、とも思いました。ところが、50数日目に、耳が抜けたわけです。スコーンッと。すべてが繋がって聴こえていた英語が、突然すべてクリアに切れて聴こえるようになった。

それからは語彙がバンバン増えました。大げさな表現ではなく、1日50個くらい。1ヶ月で1500個くらい。最初の1年で、私の語彙はTVを一生懸命観たり、他人を観察したり、授業を受けたり、送り迎えをしたりして、ちゃんとした中卒くらいにはなったようでした。ただし、なめらかに言えるようになるまでには、まだ「書いて100回と喋って100回が足りていないようだ」という自覚もありましたね。

そこで飛行機学校に行くのですが、なんたって間違えてしまったことが生命を左右するかもしれない、という恐怖感ともなるプレッシャーもあり、みるみる上達しました。英語学校のときと同じか、それ以上の語彙が増えていくし、自炊や保険やその他もあるし、生活ができるようになればなるほど、語彙は増えていったわけです。

私の経験から行くと、やはりポイントは、
・2歳や3歳、人によっては5・6歳から12歳くらいまでに戻れるのかどうか?そういう謙虚さがあるかどうか?
・繰り返し使う語彙からきちんと行動や状況に繋げて(Association:関連性)を以って、生活の中で身につけているかどうか?>Animated(動作がきちんとついていたほうがいいので、頭の中で映像化することが大切)
・たまにしか使わない語彙については、手で辞書を引くこと。心や頭に引っ掛るような関連性をしっかり見出して、ビジュアルエイド(視覚による補強)をさらに強くすること。
となります。

日本語だって、語彙を失っているかもしれないです、今、この瞬間。それでも人々は生活を続けていきます。英語ならなおさらでしょう・・・。それくらいの当たり前なことをどうしても無視したいらしいのだけれども、やはり私は頭の中で、部屋の中や家の中や道々やクラスやその他、自分がわからない名詞(ものの名前)がないようにしていたけなげな日々を思い出します。動作に関しても同じだし、形容詞に関しても同じ。わからない語彙があったって、常識的な推測さえできれば、問題だってスラスラ解けます。和英辞典もあるわけで、メールだってどんどん書けるようになります。実際は、語彙ではなくて、基礎文法がわかっていないほうがきっと多いはず。しっかりチェックしてみてくださいね。

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