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ご近所づきあいの利点と欠点

07/21/2006 にアップした文章です

 

私がご近所づきあいについて書いたのは、これをアップする予定の日から逆算すると6日ほど前の話なのですが、秋田の能代での男児殺害事件の容疑者が、自分の娘の殺害も自供し再逮捕されました。それでまた繋がっちゃったんですよ・・・。

ご近所づきあいするといい点を失っている日本がここに凝縮されてるじゃんよ・・・と。

秋田の能代には、私個人は訪ねたことがありません。が、Vital Factsはネットでも見れますので、事件のときに追いつくためにちょっと調べたことがあります。

http://www.city.noshiro.akita.jp/

http://www2.city.noshiro.akita.jp/nshomepage.nsf/0/2f9f6b10d1f9ec8649256d5d0025c76e?OpenDocument#top ちゃんとこういうのもあった

他には、もうすでにネットも事件でかなり瑣末な個人的意見で、事実ではないものなどに毒されており、今の状態ではかなり検索は難しいかもしれないです。

が、この事件だけではなく、弱者による家族放火事件も連続して短い期間に起きたり、殺人も相変わらず起きています。事件や事故も多いし、どうしてこうなるのか・・・。

ひとつの大きな理由は、フィジカルに(物理的に)自分が占めている場所、自分の配偶者や子どもたちが育ち生活する場所への愛着と責任がない人々がうんと増えているからでしょう。偶然起きる事件というのは当然あります。が、たくさんの事件や事故というのは、たくさんの要素の重なりによって起きているものです。でも、人の心の中にあることで、ここ30年ほどでドラマチックに変わったことには、近所づきあいがあります。

私が近所づきあいを「お宝だと思っています」とまで書いたのは、この監視制度なのよ。どんな犯罪であっても、見られていたらやりにくいでしょ・・・。やるチャンスを奪うことになるわけです。これ、ほんと、ポイントだよぉぉぉぉ。空き巣が多くなった理由はどうしてだかよく考えればわかるだしょう・・・。主婦であっても専業が減り、パートやフルタイムが増えたこともありますし、住居形式が変わったこともある。子どもも少なくなり、いい学校へ、と近所ではなくて、電車やバスに乗って遠くまで通うようになった。料理や洗濯などの家事に追われる時間も減り、レジャーのために外に出ることも多くなった。でも、その根底にあるのは、「他人は他人、うちはうち。それでもいっしょに遊んだり、気にかけあったりしようよ」「私も見てるから、あなたも見てね」がどんどん失われているからでしょ。

母にもいろいろ言っていたのですが、よそ様がどうであれ、うちはギリギリまでエアコンを節約し、窓やドアを開け放し空気を通し、適度に家の中を見ていただき、監視していただくのがよい、と。そうすれば、母もコマメに掃除するし、誰がどのように住んでいるか、会話で直接話さずともわかっていただけるでしょ、と。母は、マンションに移ってからは、「一軒やのときとは違うから」と気持ちが少し閉ざされており、「やっぱりマンションはイヤだなぁ。土がついているところがいいなぁ」と言っていたのです。弟の家に居たときには、隣のわんちゃんを含めたご近所の人々の名前と顔をたいてい把握しており、誰がどんな時間にどんな出入りをするのかも把握しており、商店やスーパーなどの有力商品や得意商品分野なども把握していました。引っ越してきてからもそのへんはマメなんですけどね・・・。母は、マンションの理事長さんと副理事長さんとはなかよくする気が満々で、副理事長さんの中華やさんにはけっこうマメに、「酒を飲む口実」として通っています。

私はそういう母に育てられたので、誰がどんな人なのかはとても気になる。さとみちゃんは最初のうちは隣の20代の男性と挨拶をしていたそうですが、最近しなくなったようです。知り合ったからもういいらしい(笑)。またここでいきなりフレンドリーになるのも、気があるふうに思われてしまって面倒くさいことになるかもしれず・・・。が、男女のわずらわしさがないのであれば、ちゃんと近所づきあいはしたほうがいいと思います。怖い思いが避けられる。特に女性ばかりだったり、一人暮らしだったりするとなおさらです。

私はひとり+ネコたちで暮らしましたので、近所の人を巻き込む知恵はうまくついたと思います。西さんは近所の人とだけではなく、学校でも会社でも積極的に友だちや知り合いを作る人ではないので、私たちの The Circle of Trust(信頼の輪)は私にかかってくるわけです。隣近所の人には、和食を持って必ず挨拶に行きますし、ネコや犬好きの人にはその話題で近づきます。学校や職業や宗教の話もまったく太刀打ちできるし、立ち話10分ほどはまったく大丈夫。母が昔やっていたような(明るくなってから始めたんだよね)2時間も道端に立って、ただただ何もせず話しているのは非生産的だからダメよ・・・。川で洗濯をしながらとか、手作業をして口も手も動かしながらというのはいいと思うわ・・・。だから井戸端会議なんだから>会議って描写されるくらいなんだから、討論や相談しないとね・・・。ゴシップで自分の好き嫌いだけで話をガンガン進めて妄想に走っちゃダメだわ・・・。

さらに、スーパーでこの時間帯に行けばこんな人がいる。レジの人はこんな人で、ちょっとおせっかい気味だから見ていてくれる。銀行もこのクラークならば私がドアを出るまでしっかり見て笑顔をくれる。タバコやのおじさんならよくておばさんはおしゃべりに夢中で何も見ていない。などなど、私はチェック屋かもしれません。が、ひったくりが起きる可能性はゼロとは言えず、レイプのためだけに忍び込む人がいないとも言い切れず、たったビデオ一台で殺された人だって実在するわけです。自分にはそれが起きないと決め付けるのはナイーブすぎる。

しかも、日本人の犯罪への防衛意識は低すぎるので、「自分が家に居るときに来る強盗や殺人者」については、考える人などものすごい少ない確率であることは、すでに何度か述べています。空き巣なんか怖くないよ。最近ものすごいいい赤外線装置出てるじゃない。私は母がいるので買う必要などないし、ネコたちも来てくれるのでいいのですが、一人暮らしだったら買ってるだろうなぁ。むしろ、家まできちんと送ってくれるジェントルマンをひとり確保したり(家まで送ってくれる人を見つけるのってたいへんなことよね・・・)、そんな装置を使うよりは、近所づきあいをちゃんとしたほうがラクなんだってば・・・。悪口を言われてストレスたまるって、たぶん想像や妄想のほうがでかいと思います。口にするほど、人なんか他人のこと見ちゃいません。ただ、衝動的に思ったことを言っているだけで、そんなことを言ったことさえ忘れちゃう人のほうが多いんだから。

夜道を家に戻るときも、ご近所づきあいをしていれば、もしも何かあったときに駆け込めたりするから気分がラクです。携帯の短縮ボタンも警察を入れていない、夜道の一人歩きの女の子多すぎるしね。親御さんや車が故障したときの連絡ラインや事故のときのカスタマーサービスなんかも、時間があるときに入れておかないと・・・。あとは、ご近所さんと電話番号を交換しておくのは、本当にラクです。ちょっと帰省するときや旅行するときなども、見ておいていただけるんだもん。おみやげなんて、代償としては安いくらいです。

「また安いものをくれて、見ておいてくれなんて図々しいわね」って言われたらどうしよう、って?いいじゃない、図々しくても生き残れたほうが・・・、怪我や事故がないほうが・・・、安全についての自分の気持ちがラクなほうが・・・。ご近所づきあいをしていて、おせっかいでも心からケアしてくれる人にめぐり合えたら、会社や学校やサークルやその他でも、他人に深入りすることも怖くなくなってくると思います。自分が住む場所を愛し、自分が安全でいられる場所を確保する。愛する人が住む場所を愛し、愛する人が安全でいられる場所を確保する。これ、大事ですよ。

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