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すてきな奥さん

1999年に書いた文章です

こういう名前の雑誌があることを何人かの日本人から聞きました。「すてきな奥さんって何を以って言うんだ?」と読んだことがある人に聞いてみたところ、どうやら倹約をしつつ、生活をエンジョイするいろいろな手を紹介している雑誌らしいことが判明。そうか、散財しないことが美徳なわけですね。私はさっそくすてきな奥様失格であることを悟りました…。別にすてきでもなければ、奥さんじゃなくてもいいんだけどさ…(汗)。

その雑誌のなかでは、たとえば、牛乳パックやペットボトルを再利用する方法やら、ダンボールで収納ボックスを作ったりするそうです。手作りが大苦手な私は既に挫折ですな…。身の廻りにあるいろいろなモノを活用して生活を華やかにしつつ、生活費を切りつめて貯金をして一戸建てかマンションを購入する王道をたくさんの「生きて証明している主婦」のみなみなさまからのナマの声で紹介するものらしいのですね。今度紀伊国屋に行ったら立ち読みしてこようかと思っています←最初から立ち読みと決めてかかっているのは、私はやっぱり手作りができないというGive Up状態から発生している模様。

お金の使い方というのは人それぞれ、家庭それぞれの方針というものがあるのでしょうし、どのように使うのがもっとも賢い使い方というのはないとは思います。けれども、「倹約しなくちゃ♪」と思っている奥さんたちがその雑誌の極端な例を模倣して、却って生活がつまらなくならないことをなぜだか祈ってしまいました。おもしろおかしく話を聞いていたのですが(読んだことのある人から)、奥さんのお小遣いがゼロって…それはないでしょう…(汗)。煙草を吸わなくても、豪勢なランチをお友達としなくても、やっぱり自分の自由になるお金ってないとものすごく心まで貧しくならないのかしら?と少し心配してしまいました。まぁ、やりくり上手になって、お金を貯めるためにはどんなことでも、というモットーであるにしろ、ケーキが雑費なのか食費なのかと眉間にしわを寄せて考える人がいたりするんだろうか?と不思議になりました。

さらに晩酌は一升瓶の焼酎で、コップに目盛りまでマジックでつけておいて、それ以上注いではいけなくて一杯のみ、という決め事でお酒飲んだ気持ちになるんでしょうか?もちろんもともとのアルコール致死量にもよりますが、まったくから少ししか飲めない人ならば1杯でも充分しあわせな晩酌になることでしょうが、ワインを2本以上飲める私としては焼酎をお湯で薄く割って梅干しもライムも入れてはいけないのを一杯だったら飲みたくないっすよ…。それにチーズが2切れ、じゃこが刺し身皿に一盛りなんて決められているなんてちょっとぞっとしてしまうくらいです。家でそんなことしていて、さらにお小遣いまでなくてガード下のヤキトリやさんさえも支払できないなんて、ちょっと気が狂いそうです。

それでも我慢できる人がいることに驚嘆してしまいました。

ま、お小遣いとお酒は置いておくとしても>個人差があるだろうから。

ファミリーメンバーの誰かが収納の達人になることが、日本の狭い家屋設計での必須であることは、私も小さい頃から薄々感じていたことであります。母のシュミは夜中の家具の配置換えプラス収納整理で、私は「何でこんなに命賭けてるんだろ?棄てればいいのに」と思っていたもんです。母は叔母の家にお下がりのお洋服を上げるためのダンボールを用意します。私がいちばん年上で、そのあとが弟で、叔母の子どもたちとは7歳以上離れています。しかし、けちな彼女は部屋のなかに置いておくとどうも「あ、これはやっぱあげなーい!」だの「うーん、これはまだもったいない。好きなんだもん」とどんどん目減らししてしまい、結局ダンボールが要らないことになってしまうのです。で、私が玄関に出させたり、車のトランクに隠してしまったりしたもんです。今は誰が管理してるんだろ?帰国したら聞いてみよう♪

仕方ないですね、私の母は筋金入りの貧乏生活を長年やっていたのでいつしかこうなってしまったんでしょう。溜め込みすぎていざ棄てるという段になるとどこから手をつけていいのか、まったくわからなくなってしまうような感じ。祖母に至っては紙袋や熨斗紙や包装紙やビニールシートをすべてきれいに折り目がまっすぐになるようにこたつとこたつ台のまんなかに挟んでから収納していましたもんね。

私が小学生の頃は給食のパンも給食袋のなかに入れて持って帰っていいことになっていました。今はどうなんでしょう?私はいつもきれいに食べてしまったので、その給食袋そのものを持っていなかったのですが(あ、あの給食当番のときのユニフォームはあったよ。あれはクラスのみんなで順番で着ていましたね♪洗濯して月曜日にまた新しい当番に引き渡すやつ)、母は幼い弟と妹のためにたくさんもらって帰ってきたと言います。たまに祖母に余剰なお金があるときに、「のんちゃん、コッペパン買って来て」と頼まれるとスキップしてパン屋さんに行くのですが、丸ごとコッペパン一個を道々食べてしまっていたのです。そうすると「あらぁ、おかしいわねぇ。きつねがよく出ること!」と笑われていたと。毎回だったらしいしね…(汗)。

私はそういう祖母と母を見ても、なぜか倹約家になりませんでした。「宵越しの金は持たない」し、必要でないものは持ち物にしない、というのが身に付いていて、アメリカに持ってきたモノでさえも多すぎだと思っていました。ところが今度引越しをするじゃないですか。引越しするたびにモノが増えていることに気づきます。けれども私はバシバシ棄ててしまえるのですね。ここに母が同席していたら、きっと恐怖で顔がひきつって失神してしまうかもしれませんね…。引越しや病気でも母を日本から呼べないのはそういう理由もありますね。来るたびに私の家を整理してくれる母。その整理した状態を見て、容赦なく棄てに入る私…。

もちろん棄てるって言っても使えるモノを棄てるわけじゃあありません。あげたり売ったりちゃんと地球の資源のことは考えます。引越しはいいですね。自分が着膨れしていることがよくわかります。必要なモノとそうでないものの判別に敏感になれる時期です。そうやってシンプルな生活をなるべく保っていきたいなと思いつつも、ハンドミキサーやらミートスライサーとはさよならできないとか、このお洋服はまだ手放せないとか、こんなジャンクはさよならね♪とか、忙しいけれども楽しい作業に入ります。今回の引越しで欲しいものがある人は来てほしいくらいだよぉ。でも遠いしね>みんな。

私は倹約をしている人を尊敬してしまいます。けれども今の生活が楽しめないほどの倹約には反対です。無駄よりは、飽食よりはいい、という説もありますが、やっぱり限度の問題です。どっちも過ぎているのはあまりいいことではないでしょう。

一家の年収が400万で小学生の子どもがふたりもいるのに、東京郊外で暮らしていてどうやって7年で500万も貯められるんだろう?生命保険に入ってるのか、子どもには肩身の狭い想いをさせていないのか、だんなさんのお小遣いはつきあいができるくらいあるのか、とっても心配になってしまいます←他人事なんだから放っておけよ…(汗)。自分が消しゴムを買うからって20円もらったのだけれども、トンボの10円の消しゴムを買っておいてから、残りの10円でお菓子を買おうともくろんでいたことを思い出してしまいます。それでも母に「消しゴムどれ買ったの?」と言われて仕方なく見せると、翌日のお小遣いがなしになったりとかね…(汗)。

私も留学したばかりのときには仕方なくダンボールで収納箱を作ったことがあります。そのあと、自分で買えるゆとりができたときのヨロコビはでかかったです。けれどもその時間の問題かなぁ。7年10年15年20年の長きに渡りけちけち生活がいつまでココロの潤いを奪わないでできるんでしょう。私にはできなかったので、日本に帰ったときにバリバリ働いてまたまたお金を貯めました。

何かね、けちけちするよりは、働いて使って、使って働いて、でいいような気がしてます。ある程度の安心できる貯金や資本金(たとえば株やるにしても家買うにしても)ができるまでの辛抱は大切であると思います。でもその目標設定もあんまり過剰だと心がお金やモノに囚われすぎてのけちけちになる可能性あるでしょ?

モノを棄てて無駄をしたと思ったら、舌の根が乾かないうちはモノを買うのを自粛してみる。クレジットカードの請求書でレストランの金額が大きかったらレストラン禁止令を向こう1ヶ月とか3ヶ月とか出す。クロゼットを眺めて袖を通してないお洋服が多かったら、それを着るまではお洋服購入禁止令を出す。レタスを腐らせてしまったらサラダはしばらく罰として食べない。

こんなことをやっていてもちゃんと元気で働いて勉強していれば生き延びていけるもんです。それにかなり楽しい♪食べてみないとキャビアもトリュフもフォアグラもふかひれもおいしいかまずいかわからないしねぇ。

すてきな奥さんになれなくてけっこう!と開き直っているみたいですが、それなりに質素なところは驚くほど質素にやっています。どうしてエンゲル係数がこんなにも高いのか?とちと悶絶ぎみなので、ここが反省点ではある…。けれども、すてきな奥さんじゃなくていいな、と心から思います。あらくれ奥さんでも、キチガイ浪費家でもいいから、働けることに感謝してこれからも貨幣制度のなかでがんばるよ♪

 

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