2008-11-08
私が躁鬱病をアメリカで認定してもらったのは、設問をたくさん(もちろん英語で)応えたあと、人生の起伏グラフを書いたあとでした。それでも、「100%決定」はなく、MRIに必要があれば将来入りましょうということになったのです。とはいえ、その後、入ることになったのですが・・・。いわゆるバイオリズムの人生バージョンなのですが、実際のところ、それを頭の中にグラフとして持っている人というのは、かなり少ないのだなぁ、と、私はここのところ、自宅レッスンをしてきて思います。人生そのものを聞いているわけではないのですが、英語の勉強の歴史を聞いているときに、たまにボソッと人生のイベントが語られるのですね。そこで気づいてほしいのは、人生がLower Pointsにあるときには、勉強だって捗ってはいないはず・・・、ということなのですが。
フツーの折れ線グラフでいいんですね。そこに分野をくっつけてもいいです。勉強・仕事・健康・恋愛・経済状態などに分けてもいいのです。パターンが見えてきたらめっけものなのです。横軸には、年齢を入れて、縦軸にはその指数を入れる(100にするのがたぶんイチバン簡単で、100以上になることもあるとは思う。それくらい夢見心地な時期はあったほうがいいですもんね。あとは、ゼロ以下になることもあると思うので、マイナス値の幅も作っておくといいです)。でも、こうして書いてもイメージが湧かないだろう(笑)。
私の場合は、躁鬱病の症状が出る時期というのは、見事に人生のイベントやその調子に左右されており、納得がかなり行ったことを憶えています。そのときに、こんな指数表のようなものを、どうして中学か高校のときに教わらなかったのだろう?と、失った時間について、ものすごく腹立たしかったのですね。たぶん、強運の持ち主や鈍感すぎる人ではない限り、この人生起伏グラフは、たいていの人に役立つはずです。
http://www.healthyplace.com//communities/Bipolar/mood_chart_blank.pdf *現在リンクが切れています
これには、体重もあるんですよねぇ。躁鬱病の人は幾人かの例外を除いて、みなぽっちゃりしているのです。しかも寝る時間がとても大切なのですね。寝ていないとやっていけないのが、躁鬱病の躁寄りの人。私がソレです。
http://www.healthyplace.com//communities/Bipolar/mood_chart_example.pdf *現在リンクが切れています
これが出来上がりのチャートで、×をなぞっていくと折れ線グラフのような形になる、というわけ。
これは英語でのBipolar(躁鬱病)の本格的な表なのですが、Daily(日毎)になっています。これほど細かくやる必要は、疾病ではない人には必要ありません。が、アイディアは取り入れると、自分のムードが全体的に見えてきます。このDailyをYearlyに変えてやってみるか、ゆとりがある人は、Monthlyくらいまでやってみるのがいいかもしれません。数値化してみます。理想は、順番としては「人生全体のムードの起伏」→「この頃のMonthlyのムードの起伏」。健常者はここまでで大丈夫です。
なんとなく見えてきた方は、作ってみませんか?簡易なものから始めて、それがうまく作用するようであれば、細かくしていけばいいだけ。そこにイベントもちゃんと入れてください。渡米やら、異動やら、結婚やら出産やらその他。そうすると、バイオリズムという、天候や時間のような自然界に左右されているものの他、環境要因の中でも、自分にコントロールがある分野が見えてきます。
表を書き終わったところで、第二検討を始めます。
ムードの高いときと低いときに、
・ 自分にコントロールがあったかなかったか。
・ 決断のチョイスの数が多かったか少なかったか。
・ 好き嫌いや志向性と合致していたか。
など、昨日も書いた
・ 性格とのバランス
・ 適性とのバランス
・ 人間関係とのバランス
を振り返ってみるのです。私の場合は、性格や適性が破綻してしまうまで、人に合わせようとすることで、ほとんど、躁鬱の症状が出てしまうことが露見し、渡米してからは凪いでいたことも鑑みると、その表を作ったことは、本当によかったです。その後、自分でコントロールができることが増えましたし、決断のチョイスの数を増やして、深く検討したあとに選び取る癖ができました。そして、日々おつきあいする人たちと、どのように、どの深さで、どんな頻度でおつきあいするか?を選び取っていくことができるようになりました。
それまで、無意識のうちに強制されていた環境要因が、実際のところは、自分で「他人のせいにしてはいても」選び取っていたことに気づかされた次第です。
私は投薬療法は制限つきでしか容認しないようにしており、このような行動療法やら、分析をしてきて、今も、投薬せずともフツーには生きています。セラピーや認知の改造に必要なだけの脳のバランスだけを保てるようするために、たまには投薬もあってもいい、程度。習慣化するような投薬は、依存症を作りかねなく、医師でも化学者でもない素人に至っては、自分の身体を他人に任せていいとは思えず、その人の思想や利益や不利益などを考えて判断することが大切です。
私の叔母の人工透析まで至った理由は、やはり若い頃の腎臓病の投薬の副作用から、というのがあるし、私自身もアル中や喫煙は止められないこともあり、投薬で身体で最も大切な脳をやられるのは、イヤだよな・・・といつも思っています。
そのせいで、この人生の起伏グラフはかなり大切で、毎日コレに固執しているわけではないのですが、今でも誕生日あたりにはやっていますし、ちょっとまずいな、と思うと細かいのをつけてみます。日本に戻ってきたばかりのときには、かなり活用できた(笑)。
幸せすぎてもストレスになったり、ムードスウィングが起きたりするような、自分のリズムに気づけたら、もうそれほどチャート化する必要はありません。ただただ意識して日々に取り入れていけばいいだけです。ただ、慢心しないためにも、自分で自分をモニターするために、この程度のスキルは持っていても損ではないです。
ちょっとシリアスになりすぎただろうか?(笑)いやいや、仕事が忙しすぎて、自分のムードがわからない人がたくさん出てきている昨今、それほどシリアスすぎる問題でもないのかなぁと思うのです。気づいたら隣人がゾンビになっている・・・というのは、心当たりはあるのかもしれないですもの。私の生徒さんでも、「しばらく来ないなぁ・・・」と思っていると、「残業100時間ありました」と笑って復活する場合はいいのですが、さっぱり姿を表さないまま、未だに再会できない人も複数います。そんなとき、「連絡先だけでももらっておけばよかったなぁ・・・」と大反省するのでした。
せめて、自分のムードくらいはいつも把握していていただきたいなぁというのが、切実な願いです。
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