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原爆記念日に寄せて

08/08/2007 にアップした文章です。

 

1945年8月6日広島。8月9日長崎。あってはいけない悪夢が行われた日でしたが、62年後、人々の意識がどうなっているのか?を懸念する当事者たちが多いことに、思わず涙する毎年のこの時期です。アメリカの最大ケーブル局HBOで、White Light/Black Rainが放映されることになりました。たくさんのアメリカ人に知らしめることにより、人々の正当化がどう変わるのか、私はたいへんに楽しみにしているのです。手がけた製作者は日系人。アカデミー賞を獲ったこともある人は、業界に影響を与えるNoblesse Obligeを理解しており、自分のルーツに関連するものの興味を掘り下げてくれたことに、大いに感謝します。

http://www.pcf.city.hiroshima.jp/ 公式サイトの紹介文。かなり細かいことがわかるようになっており、映像やストーリーに感動した人々が追いかけ検索をしたりするのに、とっかかりになるサイトでしょう。不思議なことに、私はコレに関して、「原爆」という日本語体験を、英語で読んでも差異がそれほどありません。なので、英語であってもよく伝わるような気がしています。構成もよくできており、登場人物のBiographyもあり、被爆者たちの絵画などもあり、もちろんインタビューも載っています。

これまで、日本の子どもたちに向けての活動はたくさん行われてきたと思いますが、アメリカでは「運動家」「懸念層」「政治軍事関係者」以外で、きちんと、原爆の現実を学んできた人たちはあまりおらず、至って少数派でした。大学生などは、Debateで原爆投下について話し合っていたようですが、その中の人口のどの程度が、正確な情報を入手していたかは、ダウトです。もちろん、Oliver Stoneのような人々ばかりではないわけですから・・・(その傾向がある人たちはけっこういるにしろ・・・)。

ちなみにWikiの情報も、アメリカの正当化を強調するものになっています。広島や長崎の人たちにしてみれば、この「地域選び」の論理を読んだら、怒り以外の何も感じられないことでしょう。私は少なくともそうです。京都・広島・横浜が候補地で、その重要性や人口や広さなどを話し合ったことが書かれています。広島が不運なことには、軍港があったことが挙げられます。しかも、広島は丘(小高い山々)に囲まれている市だったことも閉鎖性と集中性の論理に合致してしまったわけです。京都は、歴史的文化的重要度が高かったために、免れました。それには、会議の長のひとりが、その30年前に新婚旅行で京都を訪れていたことにあります。そうでなければ、軍事関係者は京都の価値がわからなかったかもしれません。さらに、小倉と新潟も標的候補だったことは付け加えておきます。
http://en.wikipedia.org/wiki/Atomic_bombings_of_Hiroshima_and_Nagasaki

さらに論議を続けているのは、「原爆投下に反対か賛成か」を後になっての人々へのモラル強化なのでしょう。賛成派は、国粋の意気を守るためにたくさんの理由を挙げています。
1. 降伏を早めた;続けていたらさらに命が失われたという理由づけ。
2. 日本が降伏しなかったから;これはのちに戦争裁判で東条英機らが罰せられたことで証明されていますが、市民を犠牲にしていい理由にはなっておらず、不思議な論理です。
3. 全面戦争の一部でしかない;政府の決定に対して市民が従っており、巻き添えを食らわせることは回避できなかった(しかも久間氏の発言がこのページにすでに出ており、正当化に使われているし・・・汗)。

反対意見としては;
1. 生来的に不道徳;代表者には、原爆を作るきっかけになったアインシュタインがいますが、「ドイツも核兵器を持っていたが、アメリカのようには使わなかった。もしドイツが使っていたら、アメリカは戦争責任を問うただろう」と責めています。さらに、「人類」としての意識を問うものや、国際社会での位置についても懸念しています(実際に、アメリカは力のみで強国になり、真の賛同を得られていないとする人々は多い)。他にも多くの宗教家たちも、「許されざる行為」という表明を出し、反対意見を述べています。「理屈はどうであれ大量殺人」という主張が多く見られます。
2. 日本はすでに負けており、時間の問題だったのに投下する必要はなかった;アイゼンハワーをはじめとして、けっこうな人数がこの意見を述べています。彼らがどんなに優秀な軍人だったかはわかりませんが、きっと多くのアメリカ人は、現場でこのことを感じていたことでしょう。何ヶ月に渡り戦争が続いていたとしたら、鍋釜までも鋳造していた状況では、いずれ降伏をせざるを得なかったでしょう。

私は、この反対意見の1.に勝るものは、理論としてないように考えます。「とりかえしがつかない」ということは、この世にそれほどありませんが、生命に関してはこの1点で論議が終わります。たとえ、他人や他国と闘うにしろ、ルールというものはあるはずで、日本も鎖国後すぐに、この国際法というのを学びながら、日清・日露戦争で喘ぎました。その立役者であったはずのアメリカが、国際法に明記されていなかったから、という理由で、原爆を使用しても戦争責任が回避できているこの史実。おそろしいことです。

どんなホラーよりも恐ろしいってば・・・。

結局歴史は、似た方向性で繰り返され、Bushパパが湾岸戦争を開始し、他国の政治や成り立ちや歴史にまで過干渉し、たくさんの人命をさらに失い、自国の人命までも犠牲にし、まだまだイラク戦争は息子によって受け継がれています。その評判や支持率の悪さに気づければいいのですが、彼らは気づいていても無視できるらしい・・・(汗)。←これは、安倍内閣にも言えることなのですが・・・。

ちなみに監督のSteven Okazakiとはこんな人です>http://www.imdb.com/name/nm0645574/
社会派と言えるドキュメンタリー監督で、薬物依存などについて追求しています。他にも、自分の日系であるルーツを追求したものもあり、編集者・写真・カメラや機材などの修行も積んでいます。元気付けられるのが、このサイトを見ただけで、彼を検索した人々が、先週よりも22%上昇していること。HBOで彼の作品を見る人々は増えることでしょう。

そうなると、広島・長崎の現実がアメリカ人に伝わり、歴史の教科書には載っていないことも理解されるに違いありません。歴史の教科書では、「真珠湾での報復」「戦争の早期終結」などと、アメリカの正当化ばかりが書かれています。イマドキの子どもは、その被爆体験が次世代、次々世代をも脅かしていることを知りません。知らねばならぬことです。人類の一員として。

ニュースでは、「原爆投下したことで悪夢なんか見たことがない。悪夢は一切、何に関しても見ない」と豪語している元アメリカ軍人を見ました。本当ならば余計なお世話なのですが、彼の子どもや孫、友人たちはどう考えているのでしょうか?これまでの総犠牲者が、37万人余り。それでも、彼らは平和な気持ちで生きていけるのか、と思えます。

参考までに載せておきます。一度は訪れていただきたいところです。私は2箇所とも行ったことがあります。http://www.ne.jp/asahi/hayashi/love/omura4.htm  http://www.pcf.city.hiroshima.jp/

 

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