ブログ

平和な眠り

Jan 13, 2006 に書いた文章です

 

睡眠薬を使わないほうがいいことは何度も書いてきました。そもそも眠りって何でしょう?

詳しく勉強したり読み込むとキリがない分野ですが、とりあえず基礎を。わかりやすく、最低限のことがまとめてあるリンクです;眠り

「先の井上教授によれば、人間は大脳に頼って生きており、その「大脳を創り、育て、守り、修復し、よりよく活動させること」が睡眠の役割で、しかも睡眠不足に最も弱いのが大脳であるそうです。」

↑このステートメントは事実ですが、実際は、睡眠の目的はまだ解明されていません。必要なのは動かされない確かなことですが、諸説あり、その組み合わせだろうということまでわかってきました。大脳が睡眠に頼っている機能からの目的を考えると次のようなことがあります。

1. エネルギーの節約;睡眠時の代謝率はぐんと下がる。特に、代謝率の高い小動物は睡眠時間が長い(ネズミやハムスターやリスなど)。が、実際は、REM睡眠ではエネルギーをかなり必要とするので、この説は完全だとはまだ証明されず、REM睡眠と脳波や脳機能の役割はまだまだ調べられています。
2. 天敵からの逃避;どの生命体ももっとも種によって不利なことが起きる時間に眠る仕組みになっています。ヒトであれば、夜です。これは、地球上のすべての生命体が共存するための掟で、それを超越しているヒトだけは、多くの確率で睡眠障害に悩むことになります。
3. 身体の修復;特に大脳です。特にプロテインの修復が注目されており(脳内ケミカルを構成する物質なので)、成長ホルモン(GH)などはこの睡眠のSlow Wave Sleep(レム睡眠ではない穏やかな眠り;このステージにも段階があるがここでは省く)時と運動をしたときにのみ分泌されます。野生の動物だけではなく、家畜やペットでも、怪我をすると睡眠時間が増えますし、ヒトも増えます。細胞修復、特に大脳とその指令による修復は、睡眠時にもっとも効率よく行われます。
4. 記憶の強化と整理;睡眠中にはいたって原始的な学習しか行われませんが、大脳の睡眠時の脳波(特にレム睡眠)が助けて記憶の強化と整理を行っています。ヒトによってその頻度や成果などは違います。なぜなら、日中覚醒時に学習した内容、量や質が違うからです。が、事実としては、学習の量と質が多いヒトほど、レム睡眠を必要とします。

この目的をよーく理解したうえで、質の高い睡眠を得たい!と思えるようになりましたか?だとしたら、睡眠薬に頼っている場合でもなく、「私って夜行性なの♪」と決め付けている場合でもないことがわかります。

現代人の睡眠時間は減ってきていますが、それでも生き延びていられるのはなぜなのか?簡単です;脳を使わないでもサバイバルできるようになったからです。段取りを頭の中で組み立てなくてもいいことだらけになり、買い物をして買い忘れてもお店は近くになり、さらに料理などしなくても外食や宅配やお惣菜は増えました。洗濯物を手でしなくても機械はあります。家の中だけではなく、仕事場でも同じです。簡単にファックスできるようになりましたが、昔はカーボン紙を使って間違いがないようにといつも緊張していました。郵便かテレックスか電話しかなく、料金も高かったので、今のようにし放題のメールとは違い、商売の話を持ち込んだり受けるときも脳の緊張度や使い方はもっと引き締まっていたわけです。学校でも同じです。鉛筆が削れないようになり、校庭でも線引きをすることがなくなってきました。

脳の甘やかし状態が、ドラマチックに脳を休ませ修復させなくてもいいようになってきたわけです。が、これだけは言えるのは、ヒトがヒトという種として進化できたのは、脳を使い続けてきたからです。このままのレートでは、今後、数百年・数千年・数万年で、ヒト以外の生物が地球を制しても、私には不思議はありません。が、抵抗する私は、ひとりでいつも、脳みそがから揚げになったなぁ、と思うまで1日をがんばることにしているのです。

もっと身近なことを言えば、お日様が当たる時間に眠るようになると、生活そのもののリズムが崩れ、細胞の老化を招きます。さらに、ストレスに対する免疫性も下がります。夜中に起きているということは、それだけ天敵(ヒトの場合はストレスや暗闇に対する恐怖、視覚を休めることができないネオンや騒音など)に曝される機会が増えるということです。忘れやすくなった、思い出せないなどに心当たりがある場合は、睡眠の不規則や不足を最初に思い浮かべてください(その次が必要な栄養素の摂取です。糖分、特に砂糖、甘いものを食べ続けると興奮状態が続き、入眠も難しくなります。運動をして興奮を疲労に変えるのは、現代人ではたいへんなことです。お惣菜や外食では自分が食べているものの中身もわかりません)。

入眠が難しい人は、カフェインやタバコ、アルコールなどのドラッグが原因であることが多いです。普段の量とは違っていないでしょうか?摂取している時間やリズム(間隔)なども影響があります。脳そのものや、脳内ケミカルが原因であることは、とても少ないと予測されます。ストレスと簡単に一まとめにしてある問題ごとや悩み事である可能性も高いです。それには、問題を根本解決するのがイチバンです。あるいは、根本解決できない問題であれば、大幅に軽減するしかありません。

睡眠をキープするのが難しい場合もあります。トイレに起きてしまう、というのが本当ならいいですが、言い訳の場合もあります。健全な場合は、トイレが済み、のどを潤したらまた眠れるのですが、心理的圧迫がかかっているとキープするのは難しいです。身体的理由ではない限り、環境に左右されている場合もあります。「枕が替わると眠れない」ほど繊細な人は、やはり他にも環境に左右されて眠りに入るのが難しいことや、眠りをキープすることも難しくなります。勤務時間がシフト制だったり、出張が多かったり、時差ぼけがあったりする環境的原因以外と、身体的に左右される生物学的原因(手術後や出産後や検査前や怪我などなど)であれば、心理的圧迫の可能性と、日ごろの覚醒時の暮らし方、がキーになります。

PTSDを患った最初の半年は、眠れない日々が続きました。睡眠薬はそれでも一度も飲みませんでした。どうしても極限的になれば眠れるだろう、とどこかでささやかに、根本的に、とても楽天的だったようです。その後も、ひどいフラッシュバックが続くと眠れないことが続きました。それは、私にとって生まれて初めての経験で、本当にびっくりしたものです。が、私は最後まで睡眠薬は使いませんでした。自力で平和な眠りを再奪取することに、とても意地になっていました。私が生きていることの大きなヨロコビのひとつですもん、眠ることって。Holistic(全体的視野から)に睡眠を取り戻したかったので、生活態度や行動から直し、曲がった恐怖感や考え方を直し、睡眠も最終的に元に戻りました。

が、このPTSD以外で、睡眠に悩まされたことはありません。多く寝すぎるというのは私にとって悩みではないので。私のビジネスパートナーは、34歳になっても週末は14時間とか16時間眠れます。すごいです(笑)。私は最長でも9時間くらいが限度です・・・。落ち着きがないのかしらね・・・?1年に2回くらいは9時間以上眠ることがありますが、普段は7時間半です。6時間しか眠らなかった場合は、お昼寝を必要とします。すっきりしないので、1時間半やはり眠っています。

脳と密接に繋がっている睡眠、どうぞ大事にしてください♪知れば知るほどおもしろいですよ。

peacefulsleeping5 peacefulsleeping4 peacefulsleeping3 peacefulsleeping2 peacefulsleeping1
CTA
調布駅から徒歩1分、脳科学に基づいた英語学習
調布駅から徒歩1分、カリフォルニア大学バークレー校心理学部で学んだ『心理学』『脳科学』に基づいた英語学習をお伝えする”Precious One English School”。半年で平均TOEICスコア250点アップ!英会話を身につけて人生を変えたい方におすすめの英会話スクールです。

 

英会話を身につけて、人生を新しいステージに導きたい方は
下のボタンから、本校をご確認ください

調布駅すぐ英語教室のPrecious One English School