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打てば響く

06/27/2008にアップした文章です。

 

やはりこれは講師の仕事をしているから得られる機会が多いのだろうと、日々の労働の疲れが癒される瞬間が持てることを歓んでいます。打てばしっかり響く手応えを得られるというのは、実際のところはそれほどたくさんあるわけではないのかもしれず・・・。私の思い通りにしたいわけでもなく、他人は他人でいい、というのが私のスタンスではあるんですが(そうでないと疲れすぎて死ぬんじゃないかと思えるので・・・)、10のうちいくつかを語ったときに10を知ってくれる人がいると、この商売はたいへんにラクです(笑)。手抜きをしているのかという錯覚に陥ります・・・。そうではなくて、理解力が速さに伴われているだけなのですが、その理解力の源が、全体の構成や仕組みを知っているということなのでしょう。法則性を見つけるということなのか。

 

私の生徒さんの中で、高校2年だった当時、生まれて初めて受けたTOEICが半年前に630点だった子がいますが、この週末はその子が800超えをするかどうかの瀬戸際です。彼女の賢さには目を瞠るものがあり、見ていてとてもうれしくドキドキします。ただし、体調が悪かったり、精神的に不安定でイライラしていたり、混乱していたりすると、それが如実にスコアに出るわけです。しかも、「ねばならぬ」に縛られていることを、第三者として見ている私だけではなく、本人がわかっていることで、それが大いなるハードルになっていて負担になっていることは確かです。それが軽減されるために、私に言えることは限られており、それをどう受け止めるのかは、彼女の賢さではなく、生命力のほうに賭けておきました。私は、彼女は830は取れると踏んでいるのだけれども、プレッシャーを跳ね除けるのはたいへんです。

 

受験生としては、やはり家族や社会の期待に押しつぶされそうな圧迫感があり、そこからはなかなか抜け出せないのではありましょうが、私はどうだったのか?という話をして、あっけらかんと雲を退ける時間を持てるゆとりを持てるコツなどの談笑をして送り出しました。しかも、彼女はTOEICを日曜日に受けた翌日から、期末テストで、その結果が内申として受験校に送られる、というわけで、昨日も、「どうしよう・・・。どうしよう・・・」を連発していたのです。彼女はとりあえず、2年半先までのプランを持っており、その先も「ひとりで経済的にまず自立するためのスキルをつけること」というしっかりしたビジョンも持っており、私は彼女に期待はしないように自分を窘(たしな)めながら、できるだけ目撃者になりたいと思っています。

 

それを見ていて思ったのは、私もおそらくそれほど頭の悪い子ではなく、ただ、勉強をやろうという意志がなかったことや、ヒトとしての安定に欠けており、一体全体、人生に当時は何を求めていたんだろうか?という謎ですね(笑)。とはいえ、私の場合は、渡米したあとにそれまでの怠惰を挽回するチャンスがあったので、本当によかったですぅ・・・。

 

ただ、私の場合は、それほど身につけてきたスキルをフルに使っていない・・・という贅沢な現実があるのですが・・・。もちろん、プロセスで身につけた経験というのは大いに生かされており、厳しい自律とEasy-goingが見事にコンバインしたラクな生き方ができているのも、それらのおかげなのですが。ただ、ひとつだけ言えるのは、私は10代の頃から、もしかするとかなり小さい頃から、「打てば響く」子だったんだろうということ。

 

打てば響く:すぐ、その反応・効果が現れる。

 

Mental Chronometryという言葉があります。頭の中で行われている精密時計の働きのことです。考えというのもある規則性があり、それに沿って動いています。

 

たとえば、演繹法と帰納法の違い。

演繹:(1)〔deduction〕諸前提から論理の規則にしたがって必然的に結論を導き出すこと。普通、一般的原理から特殊な原理や事実を導くことをいう。演繹的推理。⇔帰納 (2)一つの事柄から、他の事柄に意義をおしひろめて述べること。

帰納:(1)〔induction〕個々の特殊な事実や命題の集まりからそこに共通する性質や関係を取り出し、一般的な命題や法則を導き出すこと。⇔演繹(えんえき) (2)反切によって漢字の音を導き出すこと。

http://www.abysshr.com/mdklg010.html 

 

目の前にあることからどちらを使ったほうがいいのかを瞬時に判断することが、あるヒトにとっては簡単でも、あるヒトにとっては難しいかもしれません。そうした頭の中で行われている動きが精密に働き、ある結論に達したり、行動や言語として外に出るものたち(複数の場合が多い)が見られたときの時間の短さを、「打てば響く」というわけです。

 

この時間を短くするために、算数や国語などではドリルを用いていますが、私はアレを決していいとは思っていないんですね。側面でしかなく、あれが学力になるとは思っておらず・・・。そろばんも同じでしょう。その速さの対象物が、とても限られているというところが問題で、その先、その速さを使って何を考えていくのか?というところがどうも引っ掛るんですよね。あれだけをやって、あれが楽しければずっと続けていくのかもしれませんが、対象物が広がらなければ「ただ計算が速いだけ」「ただ漢字を書くのが速いだけ」で終わりますもんね・・・。多少の応用が利いて、その先、もう少しだけ複雑な問題を速く解けるようになるかもしれません。が、どこまでが頭打ちなのか?という問題になっていくだけのような。

 

が、やらないよりやったほうがいい、ということなのかもしれず・・・。なので、全面的な否定をするつもりはありません。そのあと、を次々提案していくのはいいことなのか?ここに自主性・自発性がなければ、あまり効果が上がっていないという例のほうが、うんと多いのではないかと思うのです。

 

とかって、私が公文やそろばんをやれなかったことへの恨みのように聴こえたらごめんなさい(汗)。

 

頭の回転が速いヒトを見ると、それをもったいないと思うことがたまにありますが、何も勉強だけがすべてではないので、仕事やその他に応用していることをひたすら願うことになります。ただ、頭の回転が速い生徒さんの英語の伸びが悪いときには、ちと苦悶することになります。正しい勉強法を他の科目で本当に身につけてきたのか?何であれば頭の回転が速く、どんな分野が苦手なのか?という深い探訪が始まります。たいていの場合は、「身体のバランスが悪い」という第一関門で躓くケースが多いのですが、他にもRote(暗記)勉強ばかりをしてきていたり、性格のよさと悪さをまったく鑑みないでひたすら他の人と同じことを模して勉強してきたり、と、いろいろな原因があります。せっかくの「打てば響く」分野があることを、他に応用できないままでいる人というのは、本当にもったいない・・・。もったいないオバケが出ます。たいていのヒトがそうなのでしょうが、「嫌い」「やらなければならない」という縛りがでっかいことになりますね。

 

私の今日の生徒さんは、Major League Baseballを教材に使っています。グラマーを英語で学ぶ他、電車の中でListeningをしてもらい、楽しさが増すように、という教材選び。まずは地理。白地図を渡して、Major League球団の本拠地を書き入れてもらったのですが、50州もある略になっている州の名前だと認知するだけでもたいへんだったようです。そのあと、Ticketの買い方をオンラインで見てみる。日本の相場と比べてみたり、ホームチームとヴィジター席の雰囲気などを話したり、というところまでやりました。今日は、その延長で、好きな選手の解説を説明してもらうことになっています。そして、いよいよビールやおつまみを買う、というところへ(笑)。かなり楽しいですよ♪こういうレッスンをすると「打てば響く」が大繁盛します(笑)。

 

打てば響くような反応ができるよう、たくさん眠って、おいしいものを食べて、キビキビ動きたいものです。

 

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