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日本における英語の立場

2006年に書いた文章です。

日本における英語を使った看板、まちがいがやたらと多いですね、英語を使った看板や広告やその他、公共で嫌でも目に付くもの。恐怖の赤ペンおばさんになっていちいち添削して歩いたらどんなことになっていたのでしょうか?よくお習字なんかでも「朱を入れる」と表現して、先生が手直ししてくれましたよね?あれ、もしもやっていたら英語の看板は朱がたくさん入っちゃいましたぜぃ…。(-_-;)

それに日本語を主体とした歌の歌詞のなかに盛り込まれている英語。あれらもかなりすごい表現やら明らかな文法まちがいがありますよねぇ。で、くちずさんでいる若者の未来が心配になりました。←よけいなお世話だよね…。

なぜなら、昔むかし、小森和子という映画評論家が、「モアベターよ♪」という不可思議な英語を流行させて、実際に私の同級生のなかで、比較級のテストでそれを思い出して書いた子が何人かいました(今、アタマのなかで比較級ができなくて焦っている人はいるだろう…。正解は Much Betterだよ♪)。それを考えると、間違った英語に視覚を曝されていて、その頻度が高くなればなるほど、その間違った英語をためらいなく暗記してしまうのでは?という推論が成り立ちます。大手企業と言われ広告費を大々的に使った会社の間違った英語は、英語を習っている子どもだけではなく、大人のためにもよくないよなぁ、と思ったりしました。さらに歌によって覚えた英語の言い回しというのは、なぜか染み付いてしまうものでしょう。私だって未だに10年以上聴いてなかった楽曲だって、流れればなぜか唄える…。歌ってそんなもんだよね?

日産の工場閉鎖や縮少のドキュメンタリーをちらっと見たのですが、その地域のシンポジウムで50代の男性が大声で、「We love our townじゃねぇだろう。何で【愛する我が町】じゃいけねぇんだよ」と怒鳴っていましたが、ごもっとも♪どうしてフランス語じゃだめなんでしょ?(この皮肉は反則なのか?)スローガンやコピーラインをどうしても英語にしてしまうのはなぜなんでしょ?どうしてヒンズー語やスワヒリ語じゃだめなんでしょ?そっちのほうがよっぽど Cool!だと思うのですが…。←私の感性はおかしいのか?

今回は長い滞在だったので、東京もいろいろなところに出向いたし、地方にもたくさん行ったのです。で、日本における英語の立場なんかを考えてしまいました。この話は某えみさんともしたのですが、やっぱりえみさんも「私なんか詳しくはわからないから、騙されちゃってるのかもしれないねぇ」などと言ってました。うんうん、もっともらしく見えてしまうよねぇ。

さらに、私が英語を利用して派遣のバイトをしようかな♪と思ったのですが(あまりに人に逢って遊ぶのに忙しくて挫折…)、TOEICの要求点数がどうもピンと来ませんでした。私はTOEICの点数を保持していないのです。だってねぇ、日本を長く不在にしていたし、ビジネスのために英語を使っているわけではなく生活のために英語をやっているので、アメリカに居るとどうしてもTOEFLというテストのほうが必須なわけです。まぁ、それでさえも2回しか受けたことないんだけどさ…。しかももう9年も前のお話だな…。もう今後も必要ないし、かなりの得点を取れているので更新するためには受けないと思います。で、TOEICの点数をいろいろリサーチしたところ、何となくTOEFLとRelevant(関連する)な点数が見えてきました。ふぅ、けっこう低くてビジネスに使えてしまうんだ…というのが感想でした。テストでこれだったら会話はどうなんだろ?(Listening部門はテストに盛り込まれているが、Speakingの要求はない)とふと思ったわけです。

ここではっきりきっぱりしっかり言っておきましょう。中学3年生までで教わる英語を80%以上消化していれば、英語圏で生活できる会話はすぐに習得できるはずです。あとはただ発音を理解し、自分のそれなりに正確な発音をこなせることのみ。日常会話には受動態や関係詞などの複雑なものはほとんどありません。話されるトピックにもよりますが、きちんと英語で、「それはどういう意味ですか?」「もう一度ゆっくり言ってください」と頼むことができれば、生活はしっかりできます。プラス、それに文化を考慮することができ、まっさらな状態で挑むことができれば(自分が日本で培ってきた文化を英語で会話している相手に「常識」として押し付けない)、会話はきちんと成り立ちます。

英語は難しい、と決め付ける心理的な圧迫感さえ解け、上記のルール(文化の違いを考慮する)さえ守れば、英語は言語のなかでも簡単な構造から数番目に位置する言語です。だから私でもできた♪

留学生に今まで7人、家に来てもらいましたが、その圧迫感とルールを打破できた人たちがやっぱり基礎の英会話は早々と終えることができています。そして英語で他の教科を学び、さらに中学3年生以上の文法やボキャブラリーや表現を海綿体のように吸収することができます。いいねぇ♪勉強に生かさなくても、映画を見たり、本や新聞を読んだり、生活の行動範囲もどんどん広がっていきます。もちろん個人差で時間がどのくらいかかるか、というのはあります。でも、そのスピードもやはり「意固地さ」「常識を常識とみなす」などのアタマの柔らかさによるものではないか?と私は思っています。

話を戻すと、日本で英語ができる人はたくさんいると思いますが、仕事で英語をバイリンガル状態で使っている人を除くと、やはり「自分はできる」と錯覚している人もさぞかし多いのだろうなぁと推測できるわけです。先日、ある外資系の会社のビジネス英語の文章を見せてもらったのですが、「ああ、この人はできると思っているがゆえに進歩がないんだなぁ」と感じました。仕事環境で海外と電話でビジネスをする会社はごく少ないパーセンテージでしょう。あとはE-mailやFaxなど、時間の猶予があり、ある程度考える時間があるはずです(時差があるので、そこのところはきっと助かっているに違いありません)。そこでは推敲する時間があるのに中学3年生以下のまちがいをたくさんする。これはやはり過信による復習不足や、基礎を完璧に終えているという間違った自負によるものだと思います。その文章を書いた人のTOEICの点数はかなり低いものでした。それでも日本では通用する、という不思議な統計への安座が、英語をさらに磨くための努力を怠らせているのだと思いました。

実際に、西さんの会社での駐在員と呼ばれる人たちのなかでも、ビジネス英語がこなせている人は非常に少ない、というのが私の感想です。西さんには「厳しいんじゃない?」と言われますが、億の金を動かすのにそんなコミュニケーションでだいじょうぶかよぉ、と思っちゃいますよ…。お金が動くことで、そこに働く従業員やその家族の将来が左右されるんだから、真剣にやってほしいと思いますです、はい。日系企業に働く、取引先の会社に働くアメリカ人はとても寛大です。ジェスチャーと30ほどのボキャブラリーだけで4年滞在した人を知っています、私…。勘がいいと言えばいいのか、どうしてこれで意思疎通ができるの?という状態は日常茶飯事で実在します。それでも大きな災いもなく世間が渡れてしまうのは、運なのかもしれないなぁ、と、思わされる瞬間です。

とらばーゆで見た範囲での英語を使った職種というのがあれでいい理由は、ここにあるのでしょう。実際にそんなに正確に使えずとも世間がそれなりに渡れてしまうわけです。海外旅行だってそうですもんね。私も北京語ができなくても台湾で困ることはほぼありませんでした(帰りのタクシーがちょっとだけ困ったけど、その運転手さんが仲間内で英語ができる人を連れてきてくれたし♪)。英語よりも日本語ができる人のほうが多かった台湾でした。マッサージ師のふたりまで日本語で、「ここ痛い?」とき聞いてくれてたし…。

世の中が国際化したと言っても、テクノロジーに人間ひとりひとりが追いついて行っているわけではなく、現場処理・雰囲気処理・運まかせのような状態が多々あり、便利な状況が国際化という名の下でベルトコンベヤー化されているのかもしれません。そのベルトコンベヤーに載せられてしまえば訳がわからないままでもOKよ♪と。余分なお金を払い、時間を失う場所や物事がどうも楽な方向へと流れている、と見えてしまうのは、私だけなんでしょうか?

留学歴のある人々が昔ほどではないにしろ、まだまだ日本で優遇されているのもわかるような気がします。留学経験があるだけでもう企業は採用しない、と建前では言われているし、実際に少しずつではありますが、企業もわかってきたのかもしれません。たった数ヶ月の留学でどの程度の英語ができるのか疑問です。アメリカでは一般に赤ちゃんは24ヶ月までは月数で数えます。2歳以上は歳で数えます。保育所や幼稚園などだと36ヶ月まで月数で数えるところも多いようです。同様に、滞在の目安としては、2年以下であればまだまだ赤ちゃんと同じ状態と言えなくもないのかもしれません。もちろんこれにも個人差はあります。

一日も早く、名実ともに日本での国際化が実現することを心から祈ります。赤ペンで添削するような英語が町にあふれていることを、義務教育を終えた大人が認知できるような…。

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