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Batman Beginsに大いに学ぶ ~ひとりじゃできない

05/31/2006 にアップした文章です。

起業する前の私は、お勤めらしいお勤めをしたことがまったくありませんでした。英会話講師を3ヶ月だの、バイト掛け持ちだの、派遣社員を10ヶ月だの、と、システムの中に組み込まれないために、わざわざイチバン緩いところを選んできた感があります。他人とつるみ、同じ考えだと歩調を合わせることが苦手だったし、たとえ沈黙という形でも嘘をつきたくはなかったので、自衛のためにこうなったと言えます。

起業して、少ない社員とメンツながらも思うのは、「ひとりじゃできない」ということです。今まで、「ひとりでできるかのように」いろいろなことをこなしてきました。特に、上級になればなるほど、勉強はひとりの割合が95%ほどで、授業によってグループ研究提出があるくらい・・・。アメリカの大学で100%英語で授業を受け始めた最初の頃は、あんなにドキドキしたものなのに、平然として「ひとりのほうがいい」と言えてしまう高慢ちきなところもありました。所詮、学習というのは、模倣や伝授があるにしろ、やはり最後の段階は、ひとりっきりで消化しきらねばならぬところがあるせいです。

あらゆるところで、ひとりじゃ何もできないということを小出しで学んできたはずでした。ネコたちという守る存在ができて以来、キャットシッターだけでも、お金という代価を支払ったにしろ、ひとりじゃ何もできないのだな、と実感してきました。椎間板を2枚失くしてからは、ネコ砂を2階に持ち上げるのさえたいへんだったし・・・。って、こんな実利的なことだけではなく、もっと大きな絵柄でも同様です。

さて、Batman Beginsでは、Bruceはすでにビリオネアの家に生まれ、父親やそのまた父親からのLegacy(遺産、遺物、物質的なものだけではない)に守られています。そのおかげがあり、執事のAlfredは、絶対がないこの世界で、絶対的に信頼できる存在となってくれます。たとえ、ものすごい財閥の息子であったとしても、ひとりっきりにごくごく近い存在になった実在の人物はたくさんいます。犯罪者の中では、Max Factorの御曹司が、女性にドラッグを使いレイプし、それを映像として保存しておいて、メキシコにまで逃げるという茶番がありました。最後にはハワイの凄腕のBounty Hunter (賞金稼ぎ;システムとしては現在、裁判前の保釈中に逃げ出す人々を追いかける仕事)The Dogに見事に捕まってしまいました。ちなみに、この事件で彼は、自分のケーブルでのシリーズを持つほどになりました。その彼を雇ったのは、守ろうとした家族ではありましたが、それは財閥の名誉を守るためであり、息子個人を守ることが目的ではありませんでした。他にも不動産王の息子や、DuPont家など、レガシーを持っていたにも拘わらず、受け継げなかった人々は多数います。

そもそも、最初から「ひとりじゃなかった」状態であったのに、その利点を使わなかった愚かな人々。

私はそれが無に等しかったものの、これまでしっかり使ってきたのかもしれない、と感じるところはたくさんあります。それでも、社会的にアテになるようなコネクションでもレガシーでもなかったので、やはり「ひとりでできるもん」を前面に出してきたのかもしれません。が、ゆえに、ひとりで何でもすることを好んできたのでしょう。

死刑制度や自殺防止、被災者への救済など、いろいろな場所でいろいろな人々が、Cause(大義)のためにでき得る限りの力を尽くしています。が、やはりそれも「ひとりじゃできない」わけです。会社も同じく、政府も同じく、ひとりでできるかのようにしている感謝の念がない人々には要注意です。

架空の人物とは言えども、Bruceでさえ、自分のAlly(味方、援助)をしっかりと探し当てることで、自分にないものをきちんと補おうとしており、自分にできないことを見極め認め、他人に頼ろうとしています。

Lt. James Gordon: のちのコミッショナー;当時警部補; You’re just one man. (バットマンに向けて) たったひとりじゃないか。

Bruce Wayne: Now we’re two. 今、僕たちはふたりだよ。

Lt. James Gordon: We? 僕たち?

何度か危険を冒して、ゴードンの前に現れ、話を繰り返し、有言実行をしたあと(この場合、犯罪に立ち向かう)、信頼を得るための場面のひとつです。他にも、Katie Holmesが扮するDA(District Attorney; 検察官)などとも手を組み、後のバットマンシリーズでもわかるように、Robinを加えたりと、自分の正義を行うために、味方を増やします。ひとりぼっちの軍隊のようなバットマンでも、ビリオネアのバックグラウンドがあっても、やはり「ひとりじゃできない」ことはたくさんあるわけです。

もちろん、ひとりのほうが気楽だ、という人も多いことでしょう。結婚しない人や自営、私のように組織になるべく属さないようなやり方で、対人関係を最小限にして暮らしている人たちは多いと思います。外から見える分、結婚をしたりサラリーマンをしたりしていても、決して深部の心を見せず、マスクの下を見せない類の人たちも、この世にはたくさんいます。マスクの下を見せる術を知らないのか、あえて見せないのか・・・。そういった心を開かない人と生涯のコミットメントをするのは、心を開いているふりをされるのは、とても切なくて悲しいことです。条件付のコミットメント。「この線から入らないでくれよ!」と言われているわけで、ある意味、利用されている気分にさせられます。親子でもそうですが、コミュニケーションをしているふりをして、実際のところはプライバシーという名の下に、考え方が違うという名の下に、線を引いて、「この線から入らないでくれよ!」という鉄条刺を張り巡らしている人に、私もたまに会います。

もっと率直に言えば、西さんがそういう人だったかもしれません。あくまで過去形ですが、たまにその当時の癖は出てくるので、イライラさせられます(笑)。

仲間がいたように見えたDucardは、本当に志をいっしょにした仲間に囲まれていたのでしょうか?

Henri Ducard: Your compassion is a weakness your enemies will not share. おまえの慈悲深さは、敵が共有しない弱点だ。

Bruce Wayne: That’s why it’s so important. It separates us from them. だからこそ、それが大切なんだよ。それが俺たちからやつらを分かつところなんだから。

私が援助や味方だけではなく、敵や考え方の違う人々に対しても慈悲深いことは、知っている人は知っています。コミュニケーションを取り、そうであるから信頼してほしい、という材料のひとつにしているところがあります。が、信頼を得る道は果てしないのよ・・・(笑)。「会社を始めて以来、お金にまだたまに困るのに、どうしてこんなに気前がいいのか?」とクビをかしげる人はまだまだいます。起業前の経済的豪胆さを失っては、私にとっては起業した意味がありません。理念を曲げてまで儲けても仕方がない。他人に向けてではなく、自分に関することには、しつこいほど倹約していますが、他人には常に慈悲深く、気前がよくいたいと思うのです。それが、有言実行のひとつの側面であり、私がどんな人間であるかをごちゃごちゃと言うよりは、行動として顕さなければ、まったく説得力がありません。

「ひとりじゃできない」ことへの感謝を、形にすることはとても大切です。

世間がどうであれ、味方や敵や考え方の違う人がどうであれ、私はやはり自分が正しいと思うモラルをキープし、自分の言葉を常に裏切らない人間でいたいと思います。そのためには、痛いほど「ひとりじゃできない」を噛みしめなければなりません。スーパーヒーローでさえ、ひとりじゃできないんだから、凡人の私など、たくさんの人々の愛情や気遣いや尽力によって生かされているのだ、と、またまた映画で学んだ次第です。4個のエッセイを、Batman Beginsにからめて書きました。4日間おつきあいありがとう♪

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