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“Bread and Butter”

08/21/2006にアップした文章です。

 

アメリカ人のあいだでもあまり知られていない言い回しについての、私の想い入れです。普通に辞書を引いてみてください。まず和英から。

Bread and butter: (形容詞) 生計に関する; 金になる; 目玉の; 歓待を謝する;平凡な

一般的な表現についての説明は、けっこういろいろなHPでされています。

http://homepage3.nifty.com/onion/labo/bread.htm

http://www.eigo-eikaiwa.com/0516.html

そして英英辞典。http://media.fastclick.net/w/pc.cgi?mid=81227&sid=6096 ここにも上記の和英と似たようなことが書いてあります。あらゆる英語圏の辞書サイト(いわゆる国語辞典のサイト)を見ても同じなのです。

http://dictionary.reference.com/browse/bread%20and%20butter http://www.m-w.com/dictionary/bread%20and%20butter

http://dictionary.cambridge.org/define.asp?key=9429&dict=CALD

ところがぎっちょん、違う意味があったのです。もうアメリカ人でも使える人が少なくなっているらしいのです。私は日本人なので、よくありがちな「これはアメリカ人なら使う言い回しなのだろう」とMonkを見ていて勝手に思っていたのですが、行き着けの鮨やで聞いても誰もわからない。ちょっと前にそんな名前のバンドがいたはずなんだけど・・・、ってそんな答えばっかりだ。そこでいろいろ検索してみて、Monk繋がりでちゃんと調べたファンがいたのです。すごい!http://www.eviltwinltd.com/trudy.htm#interview このサイト、長いからどれがその部分かわからないかもしれない・・・。私はこういうサイトを読むのが好きなんですけどね・・・。真ん中よりちょっと上部から始まります。が、この逸話だけでもかなり長いです(笑)。

その彼女は、わざわざ http://www.worddetective.com というところに問い合わせています。担当者はとても親切で、返事を読むと少し年配のようです。奥様と結婚して25年以上に渡り、“Bread and Butter”と言え、と要求されてきたのだ、というエピソードが返信に添えてあるのです。どんなときに彼女がその言葉を彼に要求するのか?ふたりで歩いていて、電信柱やパーキングメーター、向かい側から歩いてくる人など、何でもとにかく二人の間を引き裂く障害物が来て、その繋いでいる手を一時(いっとき)だけ離さなければならないときに、必ず奥様が求める言葉なのだそうで、まさしく、それがMonkのシーズン2で使われていた意味だったわけです。

担当者の男性はそれまで、奥様の育った地域でのローカルルールか、家庭での言い伝え文化だと思い込んでいたようです。ですから、辞書にもまともには載っていないことを述べており、ひとつだけ見つけたという報告をしてくれています。The Dictionary of American Regional English;DAREのみだったそうです。

Bread and Butter: an exclamation used when two people were walking together are momentarily separated by someone or something coming between them.

(感嘆・叫びで、ふたりがいっしょに歩いているときに、ふたりの間を割って来る誰かあるいは何かによって、ほんのわずか離れさせられるときに使われる)

不思議なのは、この出典は1939年のGuide to Kansas(カンサスへの案内)に、おそらく起源はもっと古いもの-19世紀頃からのもの-である可能性が濃厚であることと、子どもたちのあいだで至るところに流行していたおまじないだったことが記されていたものです。が、移民の本家であるイギリスの出典がどこにも見当たらないことから、おそらくNative Americans(当時の呼び名はインディアン)が起源ではないかという推測が立てられているそうです。

Monkの中では、死んだ妻であるTrudyがいつもMonkに瞬間手を離さなければならないときにそう語っており、死ぬ間際に救急隊員に残した最後の言葉も“Bread and Butter” だったわけです。その意味は、「私は今死ぬけれども、あなたと別れるのはほんのつかの間よ。また手を繋げるわ」ということなのです。少なくともMonkはそう信じているわけです。

流していたらこんなステキな意味も知らず、私はぼーっとチャンスを逃していたわけです。なぜ気になったのか?意味が通らないからです。生活の糧にしろ、平凡なことにしろ、まったく意味が通らない。しかも最後の言葉になるほど重要なはずなのです。私はこんなにしつこかったのか・・・と驚くことにもなりましたが、私が『無から有知へ』を有言実行していることはわかっていただけたかと。

最近は誰かと手を繋いで歩いた記憶がないのですが(なんたって西さんとも別居してるし、起業してからもなぜかすれ違いで、つい最近も重なったのはわずか1日半・爆)、今度チャンスがあったら姪っ子たちに教えてあげようかと思います。もしも彼女たちが、とても深く愛する人が大人になってできたときに、「愛しくてたまらなくて瞬間でも離れたくないのに」と思うときに、おまじないの言葉を持っているとうれしいはずです。きっとまた逢えるのだから、すぐにまた手を繋げるのだから、と信じる力もつくように・・・。

コレを読んで、「いいな、採用してみようかな」と思っていただけたら幸いです。

そこで私はさらにこの子どものおなじないについて考えたのですが、やはり子どもは単純だ。パンにはやはりバターだから、くっついているという意味なわけです。そういう単純な発想のシンプルな願いの短い言葉のおまじない。

日本にもけっこうあるこのおなじないですが、きっと最近の子どもたちは「痛いの痛いの飛んでけー」のような新しいものもわからず(たぶんあんまり痛い目には遭わないと思うんだよな・・・)、民俗学に残されるような言い伝えを信じることもなく、自分たちでおまじないを編み出すような遊び方もしていないのでは?と、やたらと心配な私です。私は小学校の登下校が子どもの足で20分から30分あったので、たくさんの儀式を勝手に作り出していましたが・・・。そのどれがローカルモノで、どれが自分のオリジナルなのかも、もう鮮明には区別できません。

あとは、なぜに私がMonkにこうまでして日常を侵害されているのか、をお伝えできたらいいなと思っています(笑)。44分(枠は1時間)のショー作りのために、ライターが3人いて、さらに招待ライターまでいて、1シーズン16作しか作らない豪華さ(普通は21か22本)。その中の誰がこの“Bread and Butter” を知っていたのか?とまた興味がもたげてくるわけです。すごい知性に、さらなる子ども心だ・・・、と。

私も死ぬときには誰かに “Bread and Butter” が言えるといいんだけれども・・・。西さんより先に死ぬよね、きっと・・・。

 

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