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Golden Girls  

1999年に書いた文章です。

若いよぉ!と言われる率が少なくなってまいりました。四捨五入をすると40代に首を突っ込んでいるので、その数字から言うと若くはないのかもしれません。英語では若い人のことをSpring Chicken(春の鶏)と表現し、何となく飛び跳ねている感じが伝わります。Goldenというのは「黄金期」と訳せばわかりやすいのかもしれません。年齢を経て、あの結婚式の金婚式・銀婚式のような順番(あの詳しい順番すごいですね、1年目からずっとありますもんね。紙婚式とか?)にあるように、どんどん成熟してきて深く尊くなってくる、という願いが込められているのでしょう。

優子さんが遊びに来て、だんなさんに電話をしたときになぜか彼とこのSitcom(Situation Comedy:状況設定がしてあるコメディ劇)の話をしてしまいました。10年弱前に打ち切りになったテレビシリーズですが、私はこのドラマに見入るまでは老年になってからの女性の生活というのを垣間見れなかったかもしれないと思っています。

そそ、これはCBS系(アメリカ三大テレビ局のうちのひとつ)で8年ほど放映された50代から80代までの女性たち4人がルームメイトになって、どたばたおもしろおかしく生活していくお話なのです。だからGolden Girls。でもGirls、少女たち・女の子とするのがちと粋です。私の記憶が確かならば、日本に居た頃に、50代以上の人々が主人公になっているドラマはたとえ3ヶ月の12回放送ドラマであってもなかった記憶があります。単発の2時間ドラマでもあったのでしょうか?

舞台はアメリカでも引退後(仕事を終えて老後を送る)メッカのフロリダ州マイアミです。適度な湿気と一年中通して暖かな温暖さが決め手なのでしょうか。けれどもマイアミはキューバ他、海外に近いこともあり、犯罪も多い街です。ひとつの街をひとつの側面で語れないいい例ですね。

家の持ち主Blanche(ブランチ)はいちばん若いのですが、だんなさんに死に別れてから彼といっしょに住んだこの街に残り、ルームメイトを募集します。アトランタ・ジョージア州の南部文化に生まれ育ち、黒人の乳母と2人の姉妹と父親の愛を奪い合って育ちました。だんなさんと熱烈恋愛結婚をし、彼が病死するまで彼ひとすじに恋をして暮らしましたが、だんなさんが死んでからは「現在妻子持ち」以外の男の人をとっかえひっかえデート三昧して暮らしています。子どもも居て、祖母でもあります。美術館で働いています。「誰とでも寝る女」に見えますが、彼女なりの決まりがあって、それに促して行動しています。障害者と恋をしたり、いろいろなタイプの男性とデートをして、私を学ばせてくれました。

Rose(ローズ)はセントオラフ・ミネソタ州で生まれ育った北欧の血を引くアメリカ人です。その田舎町のなかから出たことがなかったのですが、だんなさんが彼女とMake Love(セックス)をしている最中に心臓発作で死んで、マイアミに引っ越してきました。彼女のセントオラフ話は素朴すぎて、訳のわからない寓話のような話で、見ている私たちのほうも馬鹿らしくて笑えてきます。彼女は最初Crisis Center(危機センター:経済的・心理的に追い込まれた人々の救済所)のヘルパー、次にテレビ局のアシスタント、その次に病院のヘルパーをやり働いています。子どもも孫もいます。Roseは乳児のときに棄てられ、養女にもらわれて農場で育っています。

Dorothy(ドロシー)はブルックリン・NY育ちのイタリア系移民二世です。Senior Prom(高校卒業時の最大のパーティー)で振られたことで、次に声をかけてくれた男性とすぐカーセックスをして妊娠して結婚しました。大学を働きながら終えてSubstitute Teacher(代休教師)になり、ずっと続けています。だんなは結婚後35年経ってから娘ほどのスチュワーデスと恋をして彼女と離婚しました。けれども、そのだんなも紆余曲折あり、彼女の居るマイアミに住み、友だちとしてしょっちゅう登場します。子どもがふたりいます。

Sophia(ソフィア)はDorothyの母親で、シシリア生まれ育ちで、移民船に乗って渡米しました。ブルックリンで知り合ったSalvador(サルバドール)と結婚し、3人の子どもの長女がDorothyです。だんなさんとは死に別れました。だんなさんはよくSophiaに話し掛けるために幽霊で登場します。一度Dorothyに老人ホームに入れられたのですが、老人ホームが火事になってBlancheの家に同居することになりました。何種類もの薬を常用していますが、とても元気でデートにも出かけます。息子のPhil(フィル)はTransvestite(女装趣味)で、彼女がそういうふうに育ててしまったのでは?と悩んでいます。

この4人が繰り広げてくれるドラマに対して「彼女たちの生活の半分は現実味がない」と言ったアメリカ生まれ育ちの人もいましたが、私はコメディの大袈裟さを引き算したとしても、たくさんのことを知りました。まずは、自分の女性としてのSexualityについてなぜか40歳か45歳くらいになったらあきらめなければならないのでは?という強迫観念があったのですが、それがすっかりなくなりました。83歳のSophiaに劇中でセックスについて語られた日には、「うーん」と唸ってしまいました…(汗)。本当にきれいなのですね、いくら劇中でも恋をしているときには、いくつであっても関係ないのである、と思わされました。

3人の女性たちは、Strangers(見知らぬ人々)だったところから、親友へとなり、いつしかFamily(家族)になります。Blancheが心臓バイパス、Roseが心臓麻痺、Dorothyが原因不明の風邪のような症状を数ヶ月も続け、Sophiaは蜘蛛膜下出血の手術のあとに長生きしています。病院のシーンで、彼女たちは「家族でないから逢わせられない」と言われるたびに、「血縁ではないけれども私たちは家族です」と叫びます。

法律で2人以上のルームメイトを置いているのでライセンスが必要になったときに、Blancheは10000ドル(110万ほど)の修理をしてライセンス申請するか、家を4人名義にするかという選択に迫られて、共同名義にします。

Blancheの収入はだんなの残した年金と美術館での短い時間の仕事。Roseもだんなの残した年金だけでは暮らせずに仕事を無くすたびに嘆き、新しい仕事を探します。Dorothyの仕事も彼女の志す英語教師(国語教師)ではなく、Driver’s Ed(運転者教室)であったり、仕事が長くないこともあります。Sophiaも移民として長年働いて来ただんなさんの残した年金だけでは暮らせず、Dorothyからお小遣いをもらっています。

彼女たちはみな贅沢をしすぎないし、働き者であるし、ボランティアまでやり、それでも物価がどんどん上がってしまい、年金だけでは暮らせないことや、健康を保つために、ずっと働きつづけています。再婚の意志もBlanche以外の3人にはあり(彼女はだんなさんを愛しすぎていて、未だに夢にうなされます)、この番組が打ち切りになったときには、Dorothyが結婚して終わるというストーリーになりました。しかもBlancheのお父さんの弟とアトランタの豪邸に住むことになり、Sophiaを連れていくはずだったのに、Sophiaは“I will stay with the girls They need me here.”(ガールズといっしょにここに残る。私を必要としてるから)と新婚のふたりを見送ります。

やっぱり映画やドラマは見ないとなかなか伝わらないと思いますが、このコンセプトがすごい!と私は思ったのですね。「アメリカだから子どもに面倒を見てもらわないさらっとした親子関係の国」ではないわけです。実際、親子べったりでなく、距離を少し置きながら近所に家を購入したり、家を改築して暮らしている親子はたくさんいます。かなりの頻度で電話をしあい、それでも自分たちのActivity(行動)を楽しむゆとり。

60歳になってから社交ダンスを踊りに毎週行けるのか?新しいMotivational Seminar(動機開発セミナー)に行けるのか?ミステリーツアーに参加できるのか?クルーズに行く元気があるのか?セックスを楽しめるのか?恋をしてどきどきできるのか?今のだんなさんが居なくなっても強く生きていけるのか?

笑いを織り交ぜコメディ仕上げにしてあっても、社会問題に立ち向かっている彼女たちに私はいつも元気をもらいます。再放送が1日4エピソードあるうちの2エピソードは必ず見てしまいます。もう全部見終わったかなぁと思っていますが、まだたま~に見ていないのに登場するので、ついついテレビをつけてしまうのです。そして見たことがあるものであると消したり、憶えていないものであれば見ます。

おまけには、昔いい男と鳴らした俳優がばんばん出てくること♪若き日のジョージ・クルーニーやエルビス・プレスリーの格好をしたタランティーノまで見れてしまいました(爆)。どうしてこんな自分の番組を20年近くも続けた人が30分のSitcomに出演するのぉ?と思うくらいのすごい人はたくさん出ています。そういう昔に浸りつつ、アメリカの歴史も学びつつ、年をステキに取ることは女性にもやろうと思えばできるじゃん!と毎日思っている次第です♪

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