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Oliver Stoneと彼の映画たち

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07/08/2007 にアップした文章です。

 

イランの大統領に、Oliver Stoneが「大魔王」と呼ばれて激怒したというニュースを見たのだけれども、the Great Satanと呼称する意味がわからず・・・。何しろ、Oliver Stoneは反体制の代表者みたいなもんなんだし・・・。英文のニュースを読んでみたのだけれども、具体的にどうして政府に楯をついているOliver Stoneを「その一部」と決め付けているのか、そのへんはまったくクリアになっていない・・・。どうも、アメリカの映画文化そのものに対して怒りを感じているらしい。うーん、イランの上層部は、「ささやかだけれども重要な違い」がわからない人々が多いらしい・・・。

英文ニュースはコレ>http://abcnews.go.com/Entertainment/wireStory?id=3341375
日本語ニュースはコレ>
http://www.asahi.com/international/update/0702/TKY200707020257.html

ホメイニの頃まで解説してくれているのは、さすがニュースを売りにしている局だな、と思いつつ、どこかで「こんなだから、アメリカの助力をいいように利用して再生するってことがなかなか実現しないんだろな」と思っているのである。もちろん、アメリカが世界の警察になって、あんなところまで出向いて、人に物事を押し付けるのは言語道断です。実際、横田基地で通訳のバイトをしているときには、いろいろな話を聞いていましたが、そのせいで備品の予算が縮小されていたり、家族と最後の別れをするための費用(日本から飛び立つ兵士が多かった。権利として、もしかしたら死ぬかもしれないので、事前に家族に会える)がかさんだりと、いいことないよ、ほんと・・・。パパが始めた夢だろうけれども、やっぱりBush家は愚か者ばかりだ・・・。

あ、そんな愚痴を書いている場合じゃなかった・・・。私は特に右でもないし、左でもないつもりでいるのですが(まぁ、アメリカ人じゃないからアメリカで右派だったらとってもコミカルだけれども・・・)、Oliver Stoneの反骨精神は大好きです。彼の映画はどれくらい見ているのか、改めてチェックしてみる気になりました。

英語ですけれどもこちら>http://en.wikipedia.org/wiki/Oliver_Stone
日本語だとかなり短いようだなぁ>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B3

とにかく、この人がどうしてこんな人になったのか、というのは、これを見てかなり理解できてしまうので、私同様、かなり資料が多く、むしろ、環境に乗れた類の人間ではないかという明瞭な例なんじゃないかと思えるのです。

NYで、終戦の翌年、ユダヤ人の株やさんのお父さんと、フランス系のカトリック女性のあいだに生まれて、Yale Universityに行くというのは、エリートだし恵まれています。ここですでに宗教という哲学を背負って育つ環境を与えられて、妥協案としてイギリス発祥のアングリカン教徒として育てられるなんて、親の言いなり系だよね・・・。もちろん、この年齢で彼がどうこう言えるわけでもないのだけれども・・・。でも、どうして両親ふたりが、ふたりのあいだ(ユダヤ教-ローマンカトリック)がアングリカンだと結論づけたのか、適度に宗教学と歴史の教養があればわかるわけです。そのせいなのか、14歳ぽっちで全寮制の学校に入れられる。コレは、今でもそうですが、アメリカやヨーロッパでは、良家の子女が良家の後継者となるためには、必須な道のりで、親にはその時期くらいから育てられないわけです。その頃粋だったり伊達だったりするパパたちがしたのかどうか、息子を売春宿に連れていき、筆おろしをさせるという事件も起きており、彼は相当に混乱したに違いない事件としては、彼の父は母以外にたくさんの女性とつきあっており、子どもも複数いたようです。異母兄弟がいるという感覚は、ティーンエージャーにはまたもや刺激だったに違いないはず。

そこで、反抗期として、Yaleを辞めてNY公立に行き、勝手にベトナムまで行き、英語教師を体験したあと、従軍で再びベトナムを訪れています。兵士としては優秀だったようで、わずか1年半の期間中Platoonに所属し、Purple HeartやBronze Starなどをもらっています。

彼自身も結婚を3回しており、ひとりめはレバノン人、ふたりめは白人、3人目はベトナム人です。彼の恋愛論は映画を見ればわかると思います。

私は彼の作品は、4つ見ていませんでした。脚本だけ参加したものでは、1つ見逃しています。他はほとんど見ていたんだなぁ、と改めてびっくり・・・。特に「Oliver Stoneだからゼッタイ見なくちゃ!」と意気込んでいたわけではなく、チャンスがあったり、映画チャンネルでやっていたりしたから見ただけだと思うのです。しかも、彼がふざけて本人として出ていたDaveも見たし、まるっきり彼の作品だと思わせるような Conspiracy Theoryも彼のものではないと知り、最初はけっこう驚いていたもんです。

どの作品が最も好きか?と問われるとたいへんに難しいのですが、どれも「社会派」であり、反体制であることは確か。何かデモやパレードがあると、彼も協賛しているとか賛成表明をしていると担がれることも多く、時事問題番組やコラムなどにもしょっちゅう顔を見せています。

私個人は、こういう男といっしょに暮らしたらたいへんだろうなぁと思うのです(笑)。ただ、仕事をいっしょにするのは楽しいことでしょう。恋愛も究極的な魂を求める傾向があり、母であり恋人であり娼婦であり娘であり妹であり、とたくさんの役割をこなさなければ、彼のパートナーにはなれないと思うので、私には到底向きません>Heaven and Earthを見るとよくわかると思う・・・。あとは、ちょっとだけNatural Born Killersにも片鱗があるかもしれない。

ということは、たぶん、私自身がOliver Stoneのような部分をたくさん持ちすぎているということなのでしょうなぁ・・・。放置しておいてもらいたい基本形があり、それでも求めるときにはひとりの人間に多く深くを求める。仕事のほうが基本的には恋愛よりは楽しく(私の場合は勉強なのですが)、目の前のことを大きく広げまくって社会問題へと繋げて考えるのが大好きと来ている(爆)。

アカデミー賞3個を含め、大きな賞を7つもらっていますが、ついこのあいだやっともらえたMartin Scorseseに比べるとラッキーなのだろうと思います。Scorseseの場合は、赤とされたElia Kazanを師事していたのが痛かったのでしょうが・・・。

基本的な私の性格は、反体制なんだろうな、と、ここでまた改めて認識していくのですが、もしもOliver Stone級の日本人映画監督が出たらすごいだろうと思います。特にドキュメンタリーのスキルを持ち(取材をしっかりして、リサーチを続け、文芸的要素を持ち映像化できる)、そのあとあらゆるConspiracy(陰謀)系の小説をどんどん映画化できたら、まぁ、そりゃすごいでしょう。日本には描くことがアメリカと同様、たくさんあるんですもの。

あ、いるかもしれないか・・・。私は、日本映画をろくすっぽ見ていないのです。過去19年+渡米準備期間3年はもちろんのこと、その前も映画といえばハリウッドだったんだな・・・。そういう監督がもしもいたら教えてください。見てみたいと思います。

ひどく感心しているのが、Oliver Stoneのように「できうるべくしてできあがった男」と思える、環境がドラマで、それにちゃんと作用-反作用をしている生き物というのは、なんとなくとても愛しい。ただ、彼が逸脱した才能を発揮できたのは、映画という媒体があったためで、そうでなければ、どこかで英語を教えていたり、Veteran’s Hospitalに入院して終わったかもしれないし・・・。彼の映画は考えさせられることが多いので、見たことがない方は、ぜひぜひ2.・3本は騙されたと思って見てみてくださいね♪