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Social Influence廻りから受ける影響力

10/02/2007 にアップした文章です。

 

私はかなり社会から受ける影響力というのを、かなり大雑把に使ってきたような気がするので、しかも、2日前に『ストックホルムシンドローム』を書いたときにも、ブログであのお題について書いている人たちは少なかったので、ちょっと詳しく書こうかな、という気になっています。お題が思い浮かばないせいだって?うーん、それもあるかもしれないな(笑)。明日から1週間は昼間の仕事はお休みしようと思っているのですが、それでも行かねばならぬところはたくさんあり。通おうかと思っている学校見学と相談や、研修会や美容院。夜の仕事はあるので、結局、働いているときと似たように時間は取られてしまうのです。私も、社会からたくさんの影響力を受けてここまで生きてきたので、最初に心理学でコレを習ったときには、「おー!そういうことだったのか!」と辻褄が合ったので、けっこういい知識でした。説明できそうでできないことなので、一度ちゃんと書いておこう。

Conformity: n. 従うこと ((to, with)); (他との)調和, 大勢順応, 相似 ((to, with)); 〔英〕 国教信奉.
順応:(1)環境や境遇の変化になれること。(2)生物体の機能・性質・状態が、与えられた外部条件の持続的な変化に応じて変化すること。(3)〔心〕 感覚器官が同一刺激を連続して受容すると、それに対する感受性が低下する現象。匂いに対する嗅覚の順応や視覚の明順応・暗順応の類。

大勢順応って(爆)。確かに日本語で単語にしづらい概念ではあります。社会の中に混じるということは、多数の違った人間との相似と差異を目撃・体験していくことになります。その中で、サバイバルが大きな機動力になり、さらに心理学的にはSelfをどうしても守るために、ヒトは他者との差異を埋めるか、他者に理解してもらおうとします。その埋めようとする行為が、このConformityで、調和しようとするがために、時として、大勢に従順してしまうことです。

たとえば、駅の歩行がそうではないですか・・・。あんなすごいパワーのある流れ、誰が逆を歩けるんだ?と私などは思うんですが、たまにいますね、逆方向を歩いて行く人・・・。アッパレだ!これはあまりにわかりやすい例ですが、強制的な自白などもこのいい例です。取調室の中で、弁護士にも会えず、複数の刑事に入れ替わり立ち代わり、時間をかけて諮問されると、「意見の相違」がなぜか、事実までも曲げてしまうことになるという例です。

さて、これに注目した学者で、Aschという人が、今では古典になってしまった「同調実験」をしています←日本語を調べていてこの単語にぶち当たったのですが、確かにコレがイチバン近いかなぁ・・・。でもこの言葉には力関係がないよなぁ・・・。

http://en.wikipedia.org/wiki/Asch_conformity_experiments

リンクの表を参考にしてみてください。9人並んでいて、この長さの違うラインを比べてもらい、ひとりひとり公開で答えていくというもの。「同じ長さのものはどれ?」という簡単な質問で、その長さも変えて実験していますが、長さが歴然と違うものでも、得られた結果は微量でしかなく、驚異的なものでした。最初に答える8人はサクラで、悩みつつもわざと間違って答える。最初のうちは、9人の最後にいる被験者は笑ったりしますが、大勢が答えるうちにそれに屈してしまい、自分も間違ったものを答えてしまう、というもの。

3回ほどのラウンドを重ねて最後まで屈服せずに正解を言えた人は、わずか25%でした。いかに大きな影響力を及ぼすかがわかるかと思います。

コレは国には関係なく、そもそも、最初の実験が文化的にも個人主義であるアメリカが発祥で、そののち、文化比較をしていますが、多少の差があるにせよ、どれも同じように驚異的な数値であることは、現在も続いています。特に、設定が学者などの実験であったり、権威のある学校や裁判所や警察の取り調べなどであったりすると、大きくなるようです。

サクラの人数ですが、多くても少なくても大差は得られておらず、2人がサクラであっても充分似た数値が取れたので、1対1でなければ、起こりえるという現象です。「社会」という言葉の定義で示されるように、小社会は、2人以上集まればすでに小社会の単位として立派に存在を認められ、強さや社会的役割や意義などが問われるだけで、この世に小社会は無数に存在します。親子や夫婦や恋人関係なども立派な小社会の単位であり、個人からの見地では、たくさんの小社会に属しているので、Conformity現象は簡単に起こりえるということです。

私はかなり自分の意見を通す性質ですが、「ラインの長さごとき」であれば、やはり大勢の意見に従って順応することはあるかもしれません。ただ、死刑制度&執行問題や、教育問題など、世界観が左右されることになると、かなり依怙地に食い下がることでしょう。たとえば、設問が知的な問いであれば、もっと食い下がるでしょうし(どうもバカだと認めることには抵抗があり、学習すればバカなどいないと信じているので、これに関しては譲れない感じですな)、他人の人生に関与することや尊厳を削ることなどであれば、かなりしつこいことでしょう。ラインの長さでは、おそらく、人の生命や健康や尊厳には関係ないと、譲ってしまうことは多いかもしれません。どうだろうか・・・。被験者になったことがないのでわかりません。が、私は母の「小さいミスを流してあげない冷酷なやつ」と、弟やその妻、西さんによく指摘されるので、きっと平均値よりは食い下がる確率は高いのかもしれません。みなさんはいかがでしょう?

生物学的にも、同じとは言えなくとも、似たような仕組みがあり、浸透圧などがそうです。細胞膜を隔てた電解水などの電位が違う場合、分子や原子レベルで日常的に「同化・均一化」は行われており、9割くらいはよく作用するのですが、疾病を招く原因として、糖尿病になってしまうインシュリン分泌やグリコーゲンからエネルギーを供給するシステムなども、「あ、期待値と違う。せっせと同化しないと」と一生懸命働いてくれるものがあるので、仕組みの論理としては似ていると思うのです。

Modeling(模倣学習)で触れましたが、知らない町や文化に触れたときに人々がすることは、このConformityに他ならず、箸を使うのか、フォークを使うのか、スプーンを使うのか、素手なのか、など食べ物ひとつにしても、周りの「規範的影響」を真似るわけです。宗教色が濃いところでは、特に気をつける必要があります。規範(行動や判断の基準・手本)は、食べ物のツールの選択ならばまだシリアスでもないですが、その規範に従わないと村八分になったり、制裁を加えられたりするようなこともあります。法律や条令には定められていないものの、暗黙の了解としてしないこと、というのは、社会単位でたくさんあるものです。それに、右側通行なのに左を走っていたら生命にも関わりますしね・・・。

これくらいすごい影響を受けていることを知らず、日々を暮らしているのは、ちと不自然なので、改めて書いてみました。いくら私が依怙地だからって、やっぱり初めてパチンコに行ったときは模倣学習を駆使しましたし(これは規範的影響ではなく、もう少し軽い情報的影響。より適切な行動を取ろうとするためのヒントたち。パチンコ屋で制裁を加えられるようなことは、明らかに磁気やその他を使ったりした営利目的なので、刑事沙汰になる確率高し・・・)、電車の乗り方や仕事探しについても、いろいろな人たちの意見を参考にしました。ただし、携帯電話加入についてはまだ決着がついておらず(爆)。

というわけで、参考になったら幸いです。子どもたちはこの影響を大きく受けているので、彼らの未来のためにも、ステキな規範と情報で社会をいっぱいにしたいものです。

 

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