英検で表現すると、2級合格レベルらしいです。英検目安 TOEICでいくと600点程度ということかな。
わかりやすい数字の目安にひっかかると、おそらく英語は「話せる」ようになりにくいと思います。私は英検1級、TOEIC990点満点を渡米して戻ってきてすぐに受けたのですが、ひどいなぁと思いました。
なぜならば、英語検定の多くは、そのValidityとReliabilityが低いからです。
Validity: 妥当性:測るべきものをきちんと測れているかどうか。
Reliability:信頼性:そのテストそのものや実施団体が信用できるか、安定性や一貫性があるか、など。
この2つでブレが生じているので、そもそも英語検定の在り方や存在意義には疑いを持ったほうがいいと思われます。ただ、これだけ受験や就職に使われてしまっている昨今、他のすんばらしい基準を新たに作り、それを浸透させるのは至難の技であります。ゆえに、便宜的に使っているというのが実際のところ。
たとえば、英検1級の語彙テスト部分は、「えー、こんな単語日常的にはまったく使わない。10年前に一度見たかも」くらいなものも出ます(笑)。そうした意味では、内容的妥当性はうんと低いです。あるいはBritishに偏った意味で使われていたりすることもあったり、出題記事に使われているものが、論理性が低めだったり、と戸惑うことが多い内容でした。
さらに、英検ではSpeakingはわずかな時間で、ほんの数分でSpeaking能力を査定できるのか?という疑問も起きました。私の場合、1級でしたが、ドアを開けて入って出るまでの時間は10分に満たないものでした。挨拶なども含めて、です。たぶん、12-15 sentences くらいしか話す機会はなかったと思いますね。
TOEICには、SpeakingとWritingがないため、妥当性も信頼性も格段に落ちます。が、就職に至っては、履歴書にコレがあるかないかで、海外に行ける・部署が決まるなどの大きな要因にすらなっており、気持ち悪いところです。課長職に就きたいのであれば600点をクリアせねばならぬ、などという会社すら実在し、「イッタイ英語を何だと思っているのだ???」と憤慨するくらいの感じです。
英語で食べている私が、英語検定をこんなに否定していいのか?とは思いますが、いいんです(笑)。基礎コースの42のレッスン中1時間かけて、これについては説明しております。
どのレベルを身に着けるべきか?という質問に戻ると、
・英語が苦手ではない
・英語が嫌いではないし、むしろ好きなほうである
・できれば書く・読むよりは、聴く・話すほうがやりたい
くらいのレベルになっていれば、いいんじゃないかと思います。準1級やTOEIC600点越えをする前に、気持ちの問題がクリアできてさえいれば、大学に入ってからでもいくらでも伸びますから。
小中高校で学んでいるスタイルに馴れきり、座学が必要だと思い込みすぎている状態を逸脱すれば、きっと読み書きについては、基礎力はさして心配ないはずです。とはいえ、問題は日本語レベルで、それに英語も比例していくことは否めません。理系であろうが、日本語という言語を使っているレベル感を見てみたほうが早いですね、査定の結論を出すのは。
Precious One English Schoolの中高生は、Listeningのレベルがたいへんに高いので、Readingセクションは苦労しません。その後、文法の揺れや語彙、読解のコツやWritingをやるだけで、英検は楽勝です。むしろ、英検1級やTOEIC990点後の道のりのほうがずっと長いです。
そこのところをわかっていないと、体制(受験の仕組み)などに取り込まれたままで大人になることになっていくと思われます。厚顔無恥に存在する不条理について、少し考えられるようになっていれば、英語だけではなく、人生そのものに効くので、ぜひともそうした態度になっていてくれることを願うばかりです。
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