2006-04-13
彼の腎臓病がわかったのは、1年おきの健康診断で、12歳のときでした。3年前です。それまで、同じ獣医に長年かかっており、Dr. R (女性)をとても信頼していたはずなのですが、彼女は私に「あと1年の命かもしれない」などと、開口一番言ったのです。私のパニックぶりは、うどちゃん溺愛を知っている人ならばみな想像に難くないことで、睡眠時間を減らし、日本語と英語サイトの「ネコの腎臓病」についてのサイトを読みまくりました。
その後、彼女のしてくれたことはさらに悪く、私の結論としては、「症状の進み具合はネコの体質によるものが大きく、誰にも予測は正確にはできない」ということをぶつけてみたのですが、彼女は責任を持ちたくなかったのか、とにかく死期を覚悟しておいたほうがいいというプッシュをぶつけてきたわけです。彼女への不信感から、他の獣医を当たってみたのですが、この近所ではその獣医の一番設備がよく、それまでの治療や経験から来たよさは他と比較できず、やはりそこに戻っていたわけです。
私の叔母(母の父親違いの妹)が腎臓病で、14年前から人工透析をしているため、私は腎臓病への理解や知識がすでに多少あり、かなりそれは役立ちました。さらに、心理学をやったせいか、Dr. Rがやってくれた「悲観先行」を一切拒否し、「楽観先行」とPlacebo Effect (プラシボ効果;砂糖や小麦粉を飲んでもありがたい薬だと思うと心理的作用が働き、効いてしまう)を使い、この3年本当に明るく過ごしてきました。
他の5匹のネコも健康で、外に出たいときは出し、本人が出たくないのであれば放置し、自然のままにやってきました。私は過干渉や過保護が大嫌いなので(自分が幼い頃、それをぐわーっと押し付けられてきたような想いがまだあり、自分が大人になってから、両親を他の大人と比べてみるとやはりその指数は低かったものの・・・)、ネコたちには一切押し付けることはしません。生命や健康の危機に関わること以外で、何かを押し付けたことはなく、長い留守のときにも、ペットホテルはやめて、多少苦労をしても人を探し、家に来てもらっていました。今回、長すぎる留守が多くなってきたので、専用のキャット&ハウスシッターさんがお泊りで来てくれることになり、さらに彼らは「別に・・・、マミィじゃなくたっていいもん」の様相を増やしています(笑)。
うどちゃんのために、我が家のネコごはんのグレードはどんどんアップしてきました。そして3年後、体重はわずか450gしか減っておらず、進行もさほどではなく、まだマイルドな状態とのこと。この進み具合であれば、今、完全に腎臓病用の処方ごはんを始めれば、寿命(最近の飼いネコは17年平均)はまっとうできるとのことだったので、決意して、またごはんグレードをアップすることにしました。一缶で120円もするのですが、日本では当たり前の値段でしょうし、他のネコが腎臓病にならぬためにも、そのごはんを1日中置いておいて、他の5匹がおなかを空かせている人間の目が届く場合には、フツーの塩分やたんぱく質のごはんを下に置く、という具合に。ちなみにフツーのネコ缶はこちらでは、35円から70円くらいで買えてしまいます。カリカリも腎臓病のものは、3倍します。が、余分に1万出すだけで、ネコたちが長生きしてくれて、私の支えになってくれるならば、安いもんです。
ネコたちは、時としては西さんやお友だちよりも私を支えてくれました。西さんや彼らが頼りないわけではなく、私はヒトに弱みを見せられない意固地なやつだからです。時として、セラピストになり(いい聞き手なのよ・爆笑)、枕になり、本立てにもなり、アンカにもなり、血圧やイライラを下げるマジックだっこちゃん人形になり、社会生活のおもしろさを見せてくれる小社会集団になり、学習成果を見せてくれる生きた証拠になり、いっしょに映画を見てくれるデート相手になり、ごはんを数倍おいしくするグルメ友だちにもなり、長いお風呂をさらに長くする温泉場友だちにもなり、家に帰ることを楽しくする、外でがんばれる鎹(かすがい)になってきてくれました。自然のくれた偉大なDNAの可能性を日々見せてもらえて、私も自分の障害など屁でもないことを言葉だけではなく、実感で学ぶのです。偉大な恩師にもなってくれています。
特に、腎臓病を患ってからのうどちゃんのこの3年は、文字通り、私の胸が痛むことがあったのですが、ネコクローンまで考えてしまうほどだったのですが、疾病や老齢でもコントロールを充分に持つ暮らしはできることを、またまたうどちゃんに教えてもらっています。
うどって名前へんだって?(笑)最近熱愛がバレたうど鈴木ってお笑いの人が売れ始めたのがいつなのか正確には知りませんが、うちのうどちゃんは彼がブレークする前に命名しています。「うどの大木」のうど、で、兄弟4人の中で一番大きく、スローな動きだったからです。が、やはり成長するにつけ、愛情が一番深く、居残り、機敏になり、アルファメール(オスネコ全体のボス)になってしまいました。しかし、アメリカの獣医のカルテにUDOって書いてあるのもやけに妙です(笑)。他のネコはみな英語や英語で括弧をつけられる名前なのですが、うどちゃんだけがUDOなのよ・・・(笑)。
ネコの5割以上が、死ぬときには程度の別こそあれ腎臓病にはかかっています。歯磨きができないため、というのが主な理由です。良質のたんぱく質と塩分の少ない食べ物を与えなければ、症状は進んでしまいます。もともと砂漠原産のネコは、水をあまり飲みませんが、大量に飲むようになれば、それが第一症状です。うどちゃんがソレでした。もともと他のネコと比べるとよく水を飲んでいたので気にしていなかった私が悪いですね。うちは、人間ごはんは生肉(ささみと牛)しかあげず、たまにハムや豚肉のかけらをあげるくらいで、勝手に食べてしまうのがきゅうりやざるそばや海苔です。ネコの健康にはいいはずのものしかあげていません。鰹節もあげますが、じゃこやシラス干などは塩分があるかないかをしっかり確認してからにしています。
うどちゃんの発見時の腎臓病はとてもマイルドだったこともあり、3年で450gしか体重が減りませんでした。もともと、6.7キロもある巨大ネコだったので(そんなに太っていたわけではなく、骨格が大きいことが原因です。でもおなかのあたりちょっとChubbyだったかも・爆笑)、450gしか減らなかったことにはほっとしました。症状が進むと半分ほどの体重になるネコも多いとのことで、それはとても心配しており、そのせいでどんどんネコのごはんのグレードがあがっていったのです(笑)。が、おかげで、他のネコ5匹のうち、3匹はすごい体重増やしてしまったよ(笑)。野良ネコだったその3匹は、どうしてもがっついて食べてしまう傾向にあります。他の2匹はSPCA(保健所の半民営・半私営なところ)でわずか6週間でもらってきたので、そうでもないのです。
今後は、新しいネコごはんで、うどちゃんの体重が変化しないことが私の目標です。
はぁ、やっぱりネコの健康は大切だ。私の精神生活をこんなに左右するとは・・・。でも・・・、子どもを持っている人はもっとすごいアップダウンを味わっているんでしょうね。が、ここでも子どもだろうが、大人だろうが、ペットだろうが、生命の重さはEyes of Beholder (見ている側の眼)だと思っている私は、同じくらいのヨロコビや不安をネコがいるゆえに味わっていることをお伝えしたかったわけです♪
最近のダウトは、西さんが私の生命や健康をどう思っているか?ということです(笑)。不死身のスーパーマンやスパイダーマンくらいなことを思っていたら困るぞ、というところ・・・。彼は自分がMortal (死にゆく運命にある存在)であることも意識していないような気がして困ります。が、ゆとりがあるのか、この前の日本出張では、鷺とネコを入れた桜満開の風景の写真をくれました。そのゆとりは、強引な楽観に持っていってほしいものです(笑)。うどちゃんのように♪
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