06/30/2006 にアップした文章です。
以下のようなメールを三省堂の担当者様からいただきました。私の問い合わせ画面の文章もつけてあります。
おおだいらきくみ様
いつも三省堂ワードワイズ・ウェブ(三省堂辞書ホームページ)を
ご利用いただき、ありがとうございます。
今般、「デイリー新語辞典」の「セックスボランティア」の項について、
お問い合わせをいただきました。
当該編集部において、改めて再調査などを行いました関係で、
お返事を差し上げるのが遅れました点、まずお詫び致します。
結論から申し上げますと、再調査した結果、
ご指摘のとおり、米国での活動事例は確認できませんでした。
また、合わせて再調査した北欧における活動事例も、
確認することができませんでした。
今回の再調査で、確認できましたのは、
オランダでの活動事例だけでした。
この項目の執筆担当者や校閲担当者に問い合わせても、
どのような経緯で、誤記が生じたのか、正確には辿りきれませんが、
項目執筆などの際に参照した文献の記述に引きずられ、
複数の事実確認が十分に実施できていなかったためと思われます。
この点は、まことに申し訳なく、お詫び申し上げます。
また、今後、更に十分な事実確認・校閲体制を目指す所存です。
「セックスボランティア」の項目については、
できるだけ早く、次のように改めることに致します。
セックスボランティア
〔(和製)sex+volunteer〕
障害者に対して性的サービス(性交,自慰行為の補助,情報提供など)を行う人。
あるいはそのような無償奉仕や有料サービス。
オランダではこれを行う団体が存在する。SV。
貴重なご指摘をたまわりましたこと、
改めて、御礼申し上げます。
以上、ご連絡申し上げますが、この件につき、十分にお答えしきれて
いない場合は、お手数ですが、再度お問い合わせお願い申し上げます。
三省堂ワードワイズ・ウェブでは、三省堂の辞書のご利用に関して、
お客様のお役にたつべく努力させていただきます。
今後とも、三省堂の辞書をご愛顧いただきますようお願い申し上げます。
《今般いただいたお問い合わせ内容》
要旨 = セックスボランティアについて
内容 =
セックスボランティア【sex volunteer】
身体障害者に対して性的サービス(自慰行為の補助など)を提供する人。
また,そのような無償奉仕や仕事。
北欧やアメリカなどで行われているサービス。SV。
(三省堂「デイリー新語辞典」より)
とあります。
アメリカに在住し18年が過ぎました。
アメリカでは補助金を風俗や性的奉仕に使うかどうかは個人の裁量であり、
セックスボランティアと呼称される人々は存在しません。
サービスを受けて金銭の授与がある場合には、ボランティアではありません。
無料で政府や団体にてのセックスニーズに対するボランティアはおりませんが、
どうしてここにアメリカを羅列しておられるのでしょうか?
カリフォルニアに18年住んでいますが、
ヴェテレランズ病院やボランティア活動をしている団体いくつかに問い合わせましたが、
そのような個人的な多岐多様に渡ることを、公にはしていない、という返事ばかりでした。
また、性的サービスを受けるためにボランティアの人々が、
金銭授与のある施設に連れて行ったり、性的サービスを自宅にて受けられるように段取りする行為は、
アメリカでもボランティアとしてあるかもしれませんが、彼らを特に「セックスボランティア」と指すものではありません。
介護人・ヘルパー・一般ボランティアです。
河合香織氏の著書の影響なのか、最近、日本在住の日本人のみなさんと話して、
この誤解にびっくりいたしました。
カリフォルニアには日本がすっぽり入る広大さです。少なくともカリフォルニアはおりません。
他の49州も英語で調べてみましたが、私には見つけられませんでした。
アメリカのどこかの一部でアンダーグラウンド的にやっているのであれば、
この辞書に載せるような意味合いとは違うのではないかと思われます。
アメリカでどこででも日常的に行われているかのような誤解を招くことです。
辞書は、日本人の日本語の礎になるものです。
お調べのうえ、ご回答ください。
東京都調布市布田1−1−1−304 ←これ鼎総合企画なんで(笑)
大平紀久美
042 499-2280
—
三省堂ワードワイズ・ウェブ(三省堂辞書ホームページ)
担当:XX ←担当者様のお名前は伏せておきます。
http://dictionary.sanseido-publ.co.jp
このようなメールをいただけたことは、現在手元にある著作を実際に読む前にいいオーメンです。今日、母に頼んで新品を買って来てもらってしまいました・・・。1,500円以上したよ・・・(汗)。
しかもうれしかったのは、辞書を作っている人々は、本当に自分たちの仕事の内容、言の葉に対して責任を充分取る態度が証明されたことです。私はたまに出版社や新聞社、航空会社やその他に問い合わせ・苦情をするのですが、「世の中まだまだ捨てたもんじゃない」といつも思わせてもらえるので、とてもいい気分です。
さて、河合香織氏の著作内容を読んで、週明けあたり、その読後感を数々の問題点に沿ってアップします。待っててね♪ 日本語の本はもったいないことに、単行本でも1時間半ほどで読み終えてしまうんだ・・・。今、英語でやっとこさDa Vinci Codeを読んでいるところです。エンジョイしていますが、中断します。しょうがないよね、公約だし・・・。
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