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プロの中のプロ

Oct 19, 2005 に書いた文章です

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私は、映画 The Professional(邦題レオン)がかなり好きです。ベスト50には入ります。何度見ても泣けます。プロとしての積み上げてしまった自分を、ひとりの少女との出会いで日常のリズムを狂わされた彼は、結局は彼女のために死に行くのですが、彼の姿は、プロの中のプロを通しながらも、新たに培った人としての情愛を胸に抱いて、少女の心の中に行き続けていきます。

架空のストーリーにしろ、ありえそうなお話ではあるな、と入ってしまうのですが(シーンのひとつひとつには、そりゃ映画なんで疑問点はありますが・・・)、薄情な人には、アレ、わかんないんでしょうね・・・。

こんなへビィなストーリーを、私は美容院に行って思い出しました。12年ぶりの日本の美容院だったのですが、最初はそりゃぁもう緊張しましたよぉ。鏡だらけの間というのは、私には苦手なところです。私は、結婚式もしなければ、写真も残さなかったし、披露宴もせず、指輪も持たない既婚者なのですが、その裏には、特に契約に頼らずとも、儀式に頼らずとも、パートナーとは死ぬまでやっていけるというのが背景にあります。当然、私には、『ヒロインにたった1日でもなりたい願望』は皆無で、花道やら舞台やらという華やかしい場に、自分を置くことは、むしろ恐怖や嫌悪で、憧憬ではありません。日々、どんな場面でも試されていると思えば、そういう劇的な場は、私には必要なく、他人からの評価に振り回される機会を減らすことで、私は何とかやってきているわけです。

いやぁ、日本の美容院はすごいっすよ・・・。私は、パリで2回ほど髪をカットしてもらった体験があるのですが、創造性に富んだショートカットは、3週間後にはまたカットが必要でした・・・(汗)。当時とても有名だった彼は、その2年後、AIDS発症で亡くなりました。当時も、HIVポジティブだということは聞いていましたが、私には、なーんの差別も間違った知識もなかったので、かなりエンジョイして髪をいじってもらいました。日本の美容院は、技術は世界では、平均以上なので、どこを選ぼうともハズレが少ない、と安心して行ったのですが、この流行に乗らない私のノリをどうつじつま合わせしようかと、とても緊張してしまいましたよ・・・。

私は、ロングがどうしてもよく、合理的なので、見た目が見苦しくなければ、手入れが簡単なことがイチバンの優先なので、いまだにソバージュ系のパーマで、髪は15年ほど前から、染めており、ハイライトを入れています。真ん中で分けており、ワンレングスも無理です。何しろ、パーマが保ってしまうので、上部でも3・4ヶ月に一度くらいしかパーマをかけず、全体には1年に1回しか必要ないのです。さらに、染めるほうも、上部にボリュームがあるうちは、背が高いので、それほど他人に見下げられることもなく、10cm未満の黒い毛は隠れてしまう、という寸法です。

とりあえず、その主旨を伝えるのに一苦労・・・。けっこう??とのまなざしを浴びるのでは?と予測。当たった!何しろ、今、1年前のせいで、髪がかなりまっすぐだったし、黒い部分ももうすでに12cmには優になっている・・・・。まきこさんのところに最後に行ったのが、確か7月で、そのときはパーマではなく、髪を染めただけ。なので、上部パーマは、すでに6ヶ月も経っていたし、全体パーマは1年経っていたのです・・・。「跡形ないですね・・・」とのお言葉(笑)。

シャンプーも丁寧だし、すごくやんわりで、洗っているというよりはマッサージ?私ひとりに、最高で4人つきましたからね・・・。確かに髪が多くて長いので、巻くのはたいへんだと思うんだけど・・・。立ち位置を確保するだけでもたいへんだろうに、というのが感想でした。

責任者はチーフだったのですが、彼女には西海岸のカナダとSF近辺にお友だちがいるということで、最後はホッケーの話で思い切り笑っていただけました。すごい男率が高いことを、特に強調し、すでにシーズンが始まっているにも拘わらず、私はもう試合を5つも見逃しているのだ、とつらい気持ちを吐露してきました(笑)。

20代の男性に、シャンプーや薬塗布その他のお世話になったのですが、彼にはなぜなぜ坊や爆発的質問をたくさんして、かなりお得な気分になりました;右利きと左利き、ヘアを扱うのにどっちが有利?リンスとトリートメント、どう違うの?染まりにくい髪の構造は?アジア人は白人と比べてどのくらい染まりにくい?キューティクルと食生活やストレスとの関係。天然抽出と人工成分のヘアケア製品は、市場のどれくらい?日本にいて、世界に通用するようになるためのステップ。雨とカールの関係。流行のサイクル。などなど、私は思い切り、2時間半を満喫しました。

タダでは転ばないのだった・・・・。

プロがプロらしくあるために何をしているのか?というのも、垣間見てきました。鋏はお値段と技術に役立つ機能がピンキリなのだそうです。スタイルによって、流行によって、鋏を変えると、新人さんには莫大なお金がかかるそうなのです。「かっぱ橋で買うの?」と聞いたら、「そりゃー、レストラン店舗関係でしょう」といなされてしまいました(笑)。けっこういいモノで、5万や10万なんてすぐしちゃうらしい・・・。うひー。私の商売道具は、とりあえず、名刺と脳みそとPCくらいしかないのですが、何かすごい備品必要だろうか?と考え込んでしまいました。が、手に職は強い・・・。

貿易をやるにしても、すごい商材を獲なければ、その特性を買ってもらえず、リサーチや数字を取るのは、けこう誰でもできるし、直感のみで当たるって人たちもいるしなぁ・・・。こうして話をしていて、自分の得意分野を、お金に繋げて、食べていく、というのについて、またもや、深々と考えてしまったのでした。

The Professionalに戻ると、私はアクションが多々出てくる映画を見るたびに、自分のサバイバルスキルについて考えます。障害その2を持ってからの私は、アクション映画では、最初の15分くらいで殺されてしまう役になってしまっており、最近、またもや運動を再開しているのですが、元に戻るまで、あと何ヶ月かかるんでしょう?特に、Leonくらいなすごいサバイバル能力がなくてもいいですが、せめて、残り15分くらいまでは生き残りたいです。

Leonをビジネスパートナーに見せたことがあるのですが、感動は?と横顔を見たところ、どうも前日に見たコメディの Galaxy Quest(邦題は何だろう?)があまりにインパクトが強くて、ぼーっとして、表情を読み取れませんでした。私は、Mathildaが植木を植えなおしているときには、大粒涙がボロボロなのですが、彼女のこれからの人生を想像して、横を気にする暇がなくなりました。

私が大人になる前には、きちんとお仕事をしてくれる人に多々恵まれましたが、自分が仕事を再開してみて、当時のような期待値を持つことは甘いな、と近頃、認識しています。私が成長しすぎたのか?それとも、仕事の懸命さ基準が減ったのか?お世話になったジェントルマンたちを思い出し、がんばりまっす。

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私は今もこうしたプロ中のプロという意識が高いため、集客が下手という評判です(笑)。まさか、この値段でこんなにサービスしてくれないだろ・・・と思ってくださってしまう方が大半なのだそうで。生徒さんの知り合いやら、いろいろな人に聴いてみましたが、そういう印象だそうです。なので、嘘だろう、と思われてしまっている結果論らしい。困るなぁ(笑)。嘘なんかつかないし (・・;)

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