ブログ

ホームレスについての考察 その2

2006-03-21 にアップした文章です

ホームレスになる原因について追いかけなければ、ホームレスの人々を正しく解析できません。昨日は、それに触れられず終わってしまいました・・・。

日本もたぶん似通ったところがあると思うのですが、アメリカのホームレスの第一人口は、精神病者です。特に、精神分裂症と診断されるはずの人々が多く、他にも人格障害(特に反社会性人格障害や境界線人格障害など)や、一時的には躁うつ病などの人たちもいます。この人口がとても多いのです。社会の一員として生きていけなくなるそもそもの原因が、疾病の場合、誰が彼らを責めることができるのでしょうか?

私は心理学部を卒業しましたから、本来ならばホームレスシェルターでボランティアすると、きっと社会のお役に立つだろうと思うのです。が、心配なのは、ここで生まれ育っていないがゆえに、私では役不足だろうと思い、自信がないことです。いろいろな人種や文化社会に属してきた人々のつらさや理由や事情を、引き受けることが到底できないのでは?と不安です。以前のボランティアで、Children’s Hospital(子どもばかりが入院している病院)に行き、ガン病棟でしばらくボランティアをして、とてもつらくなり、自分にはこのような福祉関係の仕事は無理だとよくわかったせいもあります。かと言って、私は彼らの事情を、自分の日常から完全に断絶してしまうような器用さもなく、自分の頭と心がおかしくなってしまうような気になり、次の学期には戻れなかったです。日本語翻訳とデータ解析をしました。

それもそのはず、私が通った大学の女性で初めてのCo-Chairだった Christina Maslach PhDがプロの心理的状態を論文にしました。Burnout Inventory(職場における燃え尽き診断)があります。他人の問題に常に直面する職業の人たち、特に、看護婦や医師、社会福祉に携わる人たちは、この数値が高いのです。私は、職業などにする前から、これに振り回されてしまいましたから、この職業には就くな、という警告です・・・。

話が細かくなってしまいましたが、精神病者に対しての理解が低いがゆえに、ホームレスが生まれている、とう構図がわかっていただけるでしょうか?

精神分裂症は、おそらく遺伝子であるという通念が合意されている疾病です。その証明を確実にするためには、まだもう少し時間がかかります。精神分裂症を持つ親から生まれた一卵性双生児(100%同じDNAを持つ)を比較したところ、発病率は、60%弱とかなり多く、さらに、一卵性双生児で、片方が里子に出され、片方が精神分裂症の母親に育てられた場合でも、発病率は、里子のほうが少しだけ低いものの、それほどドラマチックな差はありません(数字は2001年のものしかないので割愛します。きっともっと詳しい論文が出ていると思うので)。

ということは、やはり子どもには選べないのですよ。半分以上の確率で発病してしまい、がゆえに、社会生活に対するスキルがない!とどやされても、本人はどうしたらいいのでしょう?とても運よく、分裂症に優しい環境に生まれ育てば、発病しないかもしれないし、発病しても健常者とまったく変わりなく生きていけるかもしれないです。実際に、精神分裂症の第一人者のひとりとして、ペンシルバニア大学で研究をしている学者は、本人が精神分裂症です。

アメリカでは、人口の1~2%が精神分裂症です。人口が、2億ちょっとですから、200万人以上はいるということなのです。

さらに、精神分裂症ではなくとも、人格障害や躁うつ病、重いPTSDや長きに渡る重いうつ病なども、社会生活を健常者と同じ条件で渡っていくには、相当たいへんな疾病です。システムがなっていないことや、人々の理解が薄いこと、本人たちの恥の感情がさらに悪循環を招くこともあります。子どもは勉強ができないことでさらに劣等感にさいなまれ、大人は仕事ができないことで経済的自立の道が揺らぎます。

それに加え、核家族化や、都市部での地域の繋がりがぐんぐん減り、人々は社会生活の練習や鍛錬の場そのものを取り上げられてきました。単純に考えて、私は小学生の頃は、毎朝50回はいろいろな人に対して「おはよう」と言っていましたが、今の子どもたちはどうでしょう?平均が25回に減っているとしたならば、それだけでも、半分のInterrelation(相互関係)を練習し、鍛える数そのものが減っているわけです。その挨拶をする人の中に、近所の庭掃除をしているおじさんやおばさんがいるでしょうか?小鳥や通学路の犬たちはいるでしょうか?見送りに出ているお友達のお父さんやお母さんはいるでしょうか?バラエティもきっと減っており、お友達と先生だけになっている家庭も多いかもしれません。私などは、親に「おはよう」が言えないと、メシも食わせてもらえませんでしたが、家庭内での挨拶をしなくなっている子どもは増えていると聞いています。他人の家の朝っぱらを覗くことができないので、本当かどうか、まったくわかりませんが・・・。

では、精神病の類には入らないホームレスの人たちはどうなのか?

たとえば、アメリカであれば人種差別や性的嗜好差別、学歴差別、職業や年齢差別など、いろいろなことが考えられます。さらに、アメリカは伝統的に給料を1週間や2週間ごともらっていた名残があり、今でも大企業では隔週、小さいところでは毎週というのが給料のもらい方です。こうして、クレジット文化が進み、物欲の時代と呼ばれ、人々が物質文化を巨人化してしまった中で、持っているお金を使わないでいることは、とてもたいへんでしょう。

さらに、アメリカでは、大量解雇がかなりえげつなく行われます。たとえば、軍の基地をひとつつぶすと、10万人以上の経済状態に余波が来ます。最近では、半導体関連業界での大量解雇は日本にもニュースになって飛んでいきますが、たとえば、アメリカで言うとOhio州は伝統的に車が作られてからずっと、タイヤを作ることで町が成立してきました。が、近年、Global Economy(モノを作るのは海外で安くあげて、持ってきて売る)が常識なったため、オハイオのいろいろな町では、たくさんの会社が縮小したり、解雇や倒産に踏み切りました。

さらに、70年代以降は、女性が働くことも常識となり、専業主婦はある特定の階級の贅沢だとさえ言われるようになりました。家庭の収入が2箇所から入ることで、当面の生活をその2個の収入を基礎にしても、誰も不思議だとは思わないことでしょう。が、急に解雇されたり、倒産したり、と、自分たちのコントロール外にあることで、立ち行かなくなることはあります。

ましてや、計画性や教養など、個人こじんでしか見極められない能力には差異があります。その能力を身につけてこなかったのは、個人こじんのみのせいだと、どこで境界線が引けるのか?というのが、私が提起したい論点ですね。生まれ持った環境が大いに違い、育ってきた条件が大いに違い、生活の糧である収入に対する環境や変化が違う。

コレを踏まえたうえで、私は、できるだけ個別化してホームレスを見ていきたいと思っているのです。

あー、また結論まで行かなかったよぉ。3に続きます。ごめーん・・・。

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。