Jan 4, 2006に書いた文章です。
紅白歌合戦を部分的に見ました。なんだか毎年がっかりしています。レコード大賞はこちらではもう放送されなくなって長いです。そろそろ10年以上になるのではないでしょうか。放映権の値段のせいだけではないのだろうな、と思います。
かたや、New York New Year Countdownに出ていた、Mariah Careyの上手だったこと!しかも、Dick Clarkが長年のカウントダウンを、去年は脳梗塞のリハビリのために欠席したこともあり、今年復活した彼への応援熱で、会場も全米中もそのヨロコビに充ちており、彼女の歌への思い入れは尋常ではありませんでした。「こんなにすてきな年越しはかつて経験したことがない」と歌い終わったあとに話していました。当然、彼女の不死鳥カムバックも手伝っていますが、NY生まれ&育ちのDick Clarkは年越しの顔を全米で始めてからすでに30年以上が経っているわけです。彼のカムバックには私もミスター(長嶋名誉監督)のことを重ねてしまい、それにしても1年でこれだけのリハビリはすごいなぁ、と感心してしまいました。Dick Clarkはちなみに72歳です。
話を戻して・・・。
どうして日本の歌手の歌唱力ってこんなに落ちてしまったんでしょうか?←素朴な疑問。
そして、それでもプロとしてのお金を彼らに払い続けている私たちはなんなのでしょう?
さらに悲しかったのは、上手であるはずの演歌歌手たちも、一部の人々を抜かして下手になっている・・・。なぜか?歌番組がごっそり減ったことで、まずは歌う回数がものすごく少ないのでしょう。ある程度の収入が確保できれば、昔のようにキャバレーやクラブなどの巡業もなく、ディナーショーの回数も限られており、自分の楽器である身体そのものが鍛えられていないのでしょうね。残念なことです。当然、芸能界の全体的仕組みもあり、地方公演ばかりをやっていると一流だというラベルが剥がされてしまうのかもしれません。
私は中学のときに、ついつい友だちに引きずられ、運動部ではなく、合唱を始めてしまいました。その強運だったことは、私が入部する前年から全国大会まで行くレベルになっていたことです。120人の部員の中でコンクールに出られるのは30名。ソプラノだったので割り当ての12名は大きかったですが、当然、ソプラノそのものの元人口も多かったのです。私は慣例を超えて、1年のときから補欠でコンクールに出ました。風邪の季節だったので、またまた強運なことに出られてしまったのです。楽器もできない私があの活動で生き延びることができたのは、自分の唯一の楽器である身体がそもそも鍛えてあったことなのでしょう。耳も悪くなかったし、腹筋も背筋もあり姿勢もとてもよかった。効率のいいレッスンでみるみるうまくなっていったのです。というわけで、私は歌の上手下手の耳もよく、とくにマイクに息継ぎがザーザースースー入る發擦音にはイライラします。腹式呼吸をしていない証拠だからです。
CD発売前はそれなりに練習を繰り返すのだろうし、今のテクノロジーは、美空ひばりの頃とは違います。音を拾って編集しまくれるわけですから。若くて元気でおもしろくて、という歌手たちは別にしても、歌唱力が問われるはずの歌手の歌唱力がないことに、とても不思議を感じます。
それは、アダルトビデオの隣のお姉さん的な嗜好なのでしょうか?どこにでもいる子たちが芸能人になれた、というのが、一般大衆の心の支えになる?
私はどうも逆なのです。お金を払う価値がある鍛錬を乗り越えてきたプロにお金を払いたいと思うのです。私などではなかなか真似して歌えない歌だったらなおさらよいです。カラオケで簡単に歌えて、簡単に覚えられる歌は、みんながうまく歌えてしまうのでつまらない。どこがどううまく歌えないのかを見るのも、私としては、友だちを見つめる楽しみになります。がゆえに、プロにお金を払って区別化している、文化の息吹と成長がわかるというもんです。
Celine Dionは日本でも人気が高いと思います。が、彼女のドキュメンタリーは見ることができるのでしょうか?Las Vegas前とLas Vegas後の彼女の暮らしぶりは、歌に対する姿勢は変わりません。彼女がLas Vegasのショーで座ったままで歌うナンバーがいくつかあります。素人である人がやってみるとわかりますが、無理です。音量が減ります>立っていないので腹式呼吸での吸引絶対量が減り、出す分(声)も減るわけです。さらに、腹筋と背筋の支えのバランス重心が変わるので、同じ歌い方ではダメなのです。彼女の耳のよさは、Las Vegas前の地方公演の数々でわかります。設備が整っていなくとも、自分の声がマイクやスピーカーの質や位置でワンワンワンと響こうとも、音を分け隔てできるので、歌唱力はあまり変わりません。
(今度コンサートに行ったり、TVで中継があったら舞台デザインに注目してみると楽しいです。自分が体験できるかどうかはわかりませんが、ものすごい差が出ます)
さらに、彼女は1日最低でもステージ以外で3時間は歌うんですね。発声練習にそのほとんどを費やすのですが、両手をカップにして口元と鼻を包んだり、姿勢を変えて発声したり、ヒールの高さを変えて発声したりと、余念がないのです。だからこそ、Caesar’s Palaceは彼女のためだけにあのでかい劇場を作ってくれたのでしょうし、あれだけの興行成績を残せているのでしょう。私も一度行きましたが、前から数えて11列目で、オンラインでぎりぎりの時間に買ってひとり2万6千円でした。舞台構成も喋りもナンバーも踊りもとても楽しめました。
少し驚いたのが、松任谷由実です。いつもより上手だった(笑)。やはりいっしょに歌うメンバーから刺激されるものなんでしょうかね?
私はここ18年の日本の芸能界事情はほぼわかっていませんが(ネットで垣間見るくらいのガセが多い情報のみ)、歌唱力くらいはわかります。毎年どんどん下手になっていっているのは事実です。さらに言わせてもらえるならば、どうして英語の歌詞を入れているのに、発音の勉強しないんだ?(笑)字幕スーパーが出ていなかったら、何言ってるんだか私にはわからんよ(爆)。
ちなみに、身体の中でイチバン老化が遅いのは、声です。なので、一度ボイストレーニングに行き、発声方法を習ってから、毎日少しずつ歌うのは、きっと心にとてもいいことだと思います。お風呂でもきっと10分弱は歌えるでしょう。車の中でも歌えるし、カラオケだって日本には山ほどあります。しかも、ある程度の歌唱力をキープしようと思ったら、自然に運動をしたくなります。ある程度の筋力がないと、自分の身体が楽器ですからいい声が出ませんからね♪気が向いたらやってみてください。
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