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教える楽しさ

04/05/2007 にアップした文章です。

 

カルチャーセンターが開始してから、2回目がやってきました。生徒さんの数は、4名だったのが、またもや増えました。現在6名にも膨らみました。最初のうちは「閉鎖か?」と思っていたくらい心配しましたが、カルチャーセンターにお勤めの方々は、さほど心配していなかったようです。2回目に新しい方が2人いらっしゃったので、体験学習のときに使ったアンケートを、もう一度やり直そうとも思ったのですが、それでは既存の4名の方にご迷惑がかかります・・・。なので、勉強法から開始し、自己紹介を兼ねつつ、英語歴を披露してもらい、授業を開始しました。

まずは、授業構成についてご説明。1時間15分の授業で、隔週なので、「とにかく自習がポイント」ということを、みなさんにご理解いただきました。教科書は私の手作りのものを、バインダーに二穴を開けて、綴じていってもらうことで、コピーをして誰かに渡す場合には、許可が必要だということもご理解いただいたのです。授業構成は、Discussion/Free Talkが15分で、その折に、アメリカ文化の紹介をしたり、時事問題などで日米の比較をすることになります。みなさんのお名前は、話せるようになったときに便利なので、ファーストネームベースにさせていただくことにしました。年齢は、誰にも伺わないでやっています。見た目や、話したい動機の中で、大体予測がつくのですが、「学習に実は年齢はさほど関係ない」ということを、体験学習のときと同様、今回もしっかりわかってもらいました。生物学的見地をたくさん用いた、心理学での裏づけなどを紹介し、みなさんには、左耳で電話を取ってもらうことにもなっているし、おいおい、いろいろな心理学的証拠を紹介していくことになります。

文法部分は、45分を充てることになっています。第1回目は、第1章 文の構成をやりました。どんな文法の本を読んでみても、参考書を読んでみても、あまり「実感」「親近感」のない例文が多いので、私は、自分の手作り教科書には、生徒のみなさんに共感できるものをわざと選ぶことにしています。みなさんの名前がわかったし、自己紹介で情報公開していただいた分の個人情報もあるので、今後は、例文やドリルをするための練習問題に、バンバン織り込んでいけることになります。

なぜ文の構成を知っていたほうがいいのか?を、私は英語の教師に、中学校・高校の6年間、ただの一度も習うことはありませんでした。実際は、この章も飛ばしてしまいたかったのですが、やはりやることにしました。なぜならば、生徒さんたちがのちのち、英語ができるようになったときに、誰かに英語について教えることがあるかもしれません。そのときに、説明ができたほうがいいからです。私は、英語のみで英語を習ったときに、文の構成は一度もやりませんでした。なぜなのか?必要がないからです。ただ、子どもさんやお孫さんたちに教えないとも限らず、いつか役に立つかもしれないので、さらっとやることにしたのです。

主語と述語、主部と述部については、日本語との対応・比較を用いてみました。主語・動詞・補語・目的語・修飾語(句と節)や、何にも属さない感嘆詞や名前の呼びかけなどが、文を作っていることを説明するだけだったので、文法の授業部分は、わずか30分でした。机に向かって勉強をすることから遠ざかっている方々が多いので、初日はこんなものでいいな、と思った次第です。のちのち、英語ができるようになったときに、「ん?目的語がないぞ」などと思いながら、話すヤツなどいるわけがなく、なぜ、こんなことを習ったのか?と、今でもクビをかしげるのですが(笑)。

基本的には、大学の教科書や論文を読むわけでもなく、最初は、あくまで絵本が読めて、ミステリーが読めて、旅行にも行けて、映画がだいたいわかる、くらいの英語を目指せばいいわけで、文法でも必要のないことがたくさんあります。たとえば、常々言っているのが、「受動態」はすべて端折ってしまい、形容詞的用法としてのBe動詞+過去分詞だけを教えようと考えています。受動態を用いるような、婉曲な表現を英語で初心者はするわけもなく、していたら、わかりづらく、伝わりにくいわけで、あんなものは要りません。形容詞的用法だけがわかっていたら充分です。

宿題の約束もしましたが、ここが自習の習慣をつける分かれ目です。まず、毎日15分以上、できたら1時間くらいを目標に、英語を聴いてもらう習慣をお願いしました。自分が決めた題材(ラジオやテープや歌など)とその目標分数を、次回提出してもらう予定です。聴くというのは、3段階あり、1.ただのBGMとしてHearingをするだけ。他の行動といっしょにやってもらってもいいというもの。が、しかし、脳のどこかには必ず効果があるので、時間がどうしても取れない日であっても、これはやってもらいたいというレベル。たとえば、救急車やパトカーの音は、自分で再現してほしいと言っても、なかなか正確に再現できず、自信が持てないものです。けれども、聞いた途端に「あれは救急車」「あれはパトカー」「あれは消防車」などと、認知はできます。なぜなのか?たとえ意識的ではなくとも、聴くという習慣が培ったものです。なので、左耳攻撃をしてもらいたいわけなのです。2.は、意識して集中的に聴く行為。他の行動をせず、ただ、聴くという行為だけに徹してもらう。こうして、数をこなすことにより、英語脳がだんだんと確立されていくので、できたらこれを最低15分やっていただきたいお願いをしました。3.はヘビーなもので、眼と耳をいっしょに使うもの。視覚で補強されたListeningはかなり深く脳に入ります。絵本やミステリーなど、テープとセットに販売されているものを使うのです。歌であれば、歌詞カードをいっしょに読みながら聴いてもらう。

私は、耳がスコーン!と抜けましたが、抜ける人間のほうが圧倒的に少ないので、日本に居ながらも英語が話せるようになりたいのであれば、これくらいの努力はしてもらいたいわけです。

他の宿題には、Journalがあり、日記というほど大げさなものではないのですが、最低でも1日1行以上を、英語で書いてもらうことにしました。ノートでも紙でもいいのですが、日付を入れてもらい、日常生活に関係あることや、言いたかったことや表現したかったことなど、できなくていいから、とにかく書いてもらう。私の授業は、隔週ですから、14個以上の文章が出来上がるわけです。私は、その倍を必ず英語で返信する。私が、Mary Sharpという先生にやってもらっていたことです。その中で、カタカナになっている外来語にどのくらい毒されているかわかるし、進歩の具合もわかります。何に興味があり、どんな暮らしをしていて、どんなことが表現したいのかがわかります。書くことがない人間などおらず、何もしないで1日過ごすというのは、かなりたいへんなのです(笑)。

もうひとつは、15分のDiscussionのときに使う題材を考えながら、必ず質問を1個以上、隔週持ち込んでもらうことにしました。最後は、ドリルです。問題集を各章に合わせて作るので、それは座って30分くらいでできる量にしますが、これはやってもらいたいと思っています。

とにかくいい習慣を身につけて、生活改善を諸所に行い、自習ができるための癖をつけてもらおうという計画で、意味が薄かったり、難しいことは強制しない。英語を聴いたときには、数ヶ月も経てば、その後、みんなひとりで発音練習をするくらいにはなっていてもらいたいものです。

最後の15分には、発音レッスンをすることにしています。辞書の引き方なども教え終わり、バインダーに綴じるための、辞書用ページも配りました。毎日、メモに書きとめておいて、時間が作れたときに、辞書を必ず引いてくれというお願いをしました。品詞ごとにページを分けてもらい、辞書の1.2.程度の意味だけを日本語で書き取ること。3回か4回以上、同じ単語を引いた場合には、カレンダーの裏や広告などに書き、壁に貼り、必ず1週間以内に憶えてしまうこと、も約束してもらいました。発音ができるようになったものに、印がつけられる欄も設けてあります。

というわけで、教えるのは楽しい♪私の入クラス率は、カルチャーセンター始まって以来くらいの、高さで、今のところ、見学をした方が入る率は、100%です。すばらしい♪これで、よそのセンターにも売り込みに行けます(笑)。土日を思いっきり使って、ちゃんとやってみたいなぁ・・・。楽しい日々になりそうです。

 

 

  

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