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「とりあえず」を多用する人々

2006-03-18 に書いた文章です

とりあえず:(1)いろいろしなければならないものの中でも第一に。さしあたって。まずはじめに。 (2)すぐに。直ちに。

私も仕事でよく使うのです、この「とりあえず」。「応急処置的に、ここから手をつけようよ」だとか、「長いプロセスだからここから始めよう」という意味なので、私の日本語感覚は間違っていないのだな、と辞書を引いてうれしくなりました。不思議なのは、掲示板スレッドでこのタイトルをつける人がけっこういること(爆)。これだけをタイトルにする人もいるし、「とりあえず○×」と接頭語にする人も多い。Blogでもけっこう多いですよ←おいおい、こんなこと検索して調べるなよ(爆)。でもね、ちなみにGoogleで、一語だけ「とりあえず」を入れると、7億もヒットしますよ(爆)。

ところが、数日、数週間経っても、とりあえずの後が出てこないことが多く、「なんだか読んで損したよっ・・・」と思ってしまうのです。ビジネスの話でも同じで、「とりあえずこうしましょう」と言う人はダメだな、というのが、ここ11ヶ月の感想です。「弊社はこれこれこのようなシステムですので、最初の手順はこうです」なり「資料をお読みになってください」と来てくれたほうが、ずっとその後、うまく行くのでした。

しかも、とりあえずというのは、取るべきものも取らずに、という意味から来ているので、火災現場などで、イチバン大切なもの(命)を掴み取って逃げるように、「もっとも大切なこと」が最初に出てきてほしいとは思います。が、とりあえず、にはいつも騙されている感じ(笑)。

私の最も得意な「とりあえず」は、レストランや居酒屋やバーに行って、「とりあえずビール」なのです(爆)。もうね、喉を潤すためには、カクテルじゃ時間がかかりすぎるし、ワインじゃコルク開けてテイスティング儀式があるし、ダメですよ。待ってらんない。だから、この「とりあえずビール」ってぇのは定番で、大切なのです。

それから私が得意な「とりあえず」は、日本に帰ってこちらに戻ったときだけではなく、買い物やお出かけしたあと、家の鍵を開けて、荷物を置いて、すぐにネコたちのケアをすることです。とにかく触る。とにかく話す。イチバン大切ですから。が、全員寝ていることもあり、肩すかしなこともたまーにあります。特に、ネコたちの食料やトイレ砂を買ってきたとわかると、彼らはとても興奮しています。シッポをぴーんと立てて荷物や私にまとわりついてきます。カリカリ(乾いたほうのごはん)を大きめの紙製の袋で買うときには、すぐにクロゼットにしまわなければなりません。あまりに興奮していて、うれしくてしょうがないおバカさんが、爪で開けてたいへんなことをしてしまったことが、2度ほどあります。私はそのとき、人間ごはんを冷蔵庫に閉まっていたのですが、泣きそうでしたよ(笑)。ひとりが破るのに成功すると、あとの5匹全員でやっつけますからね・・・。そりゃー、もうすごいことに・・・。

とりあえずとは関係ない余談ですが、我が家のネコ6匹のうち、2匹は、和食スーパーのビニール袋のマークがわかります。なぜなら、私は和食スーパーでいつもささみを買うのですが(アメリカスーパーだと新鮮ではなく、地鶏のやつがない)、ものすごい好きなので、そこから離れない(爆)。ささみはナマであげます。虫は湧かないので大丈夫です。ハフハフ言いながら食べます。牛の生肉よりもささみのほうがどちらかというと好きみたいです。

私は、ごはんも娯楽もたいてい、「イチバン好きなものは最後派」なので、この「とりあえず」は、それほど頻繁に使っていないのかもしれません。今、かなりの時間をかけて考えたのですが、ビールとネコしか出てきませんでした。

「とりあえず」が頻用されるのは、「あまり深く考えていないから」だというのが、私の予測です。手をつけるだけつけておこう、というかなり消極的な能動性とでも言えばいいのでしょうか?あとから何とでもなるし、言い訳も通用するし、軽い気持ちで、というのをアピールするような合言葉になっていると感じるわけです。

たまに遭遇するのが、悲惨なギフトで、差し上げる前に躊躇している人たちを見かけたりします。が、一方で、その「とりあえず」でもあげたんだからなっ!という主張が出ているようなものもあり、けっこうおもしろいな、と見ていた次第です。

つい先日も、行き着けのお鮨やさんのマスターのお誕生日だったのですが、私はお酒好きのマスターに、こちらでは売っていない日本の焼酎と、このへんのスーパーでは売っていない取り寄せワインをさしあげました。焼酎は、マスターが好きなお客さんといっしょにお店で飲み、めったにないワインは、休日にステーキといっしょに楽しむ、と言ってもらえたので、よかったな、と思いました。かたや・・・、手作りはいいことだと思うのですが、ケーキが3つも重なってしまい、なんだかなぁ、と思ってしまったのは私ではなかったようで、さすがに「ケーキを3種配るのはやめてほしい」とも言えず、もらったものの残している人たちがかなりいました。「お誕生日にケーキ」というのは、付き物すぎる発想で、「とりあえず感」が拭えなかったです。他にもワインが3本ほど並んでいましたが、私はいぢわるばばぁなので銘柄を見てしまいました。特にお誕生日にあげるようなものではなく、そのへんのスーパーの大量品で、かなり「とりあえず感」を醸し出していました。さらに、風船。アルミの風船で豪華には見えるのですが、あれも定番だってことで、あんまり考えちゃーいないんだな、とも思えてしまいましたね。

すごかったのは、ナマのお肉をたくさん持ってきて、店の従業員にBBQさせた人がいたこと・・・。「鮨やなんだけどね」とは瞬間思ったのですが、マスターが無類の肉好きなので、彼は彼なりに考えたことなのでしょう。コレにはあまり「とりあえず感」はないです。自分でチャコールも持ってきていたので、むしろすごいと思いました(笑)。彼のホースラディッシュをおろす顔がすがすがしかったことは、特記してもいいかもしれません。そうそう、このホースラディッシュも自前で持ってきたのよ♪

そして、私はそのお肉をたんまり持ち帰らせてもらえると思ったのですが、おかみさんの作った肉じゃがと炊き込みごはんがおみやげでした。もらったのに文句言うなって?(笑)肉じゃがって、母と自分が作ったやつ以外のものは、どうしても甘くて・・・。しかも、私、じゃがいもあんまり好きじゃないんだもん・・・(笑)。

英語で「とりあえず」は、場面場面で違いますが、

まず;First of all

この場しのぎ;for the time being

すぐさま; at once

すぐに; just

取るものもとりあえず; as soon as possible

です。が、あんまり「とりあえず感」を醸し出してばかりいると、”You don’t mean that.” (そんなつもりじゃないんでしょ)“You are just saying that.”(ただ言ってるだけでしょ) “You are so inconsiderate.”(考えなしなんだから)などと言われてしまいます。

でも、私は母が夕食の支度を開始するときに、「とりあえずお湯を沸かす」のを見るのが好きでしたね。それが味噌汁になるのか、ほうれん草を茹でるのか、何がどうなるのか、なんだかさっぱりわからなかったものの、まな板を出して、冷蔵庫を真剣に見つめる母の横顔を見るのはとても好きでした。

どうでしょ?「とりあえず」は頻繁に使っていますか?その先はちゃんとありますか?

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