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あさりで春を知る

大昔、江戸時代の人々は、春になると大川や江戸湾のあさりやしじみなどの貝類を解禁して春を知ったそうです。夏になると潮干狩りはパタッと止み、貝類がまた育つことを願い、みんなで遠慮したそうなのです。現代にそれが通じるか?もちろん、江戸時代、きっと初期には罰則などがあったのかもしれないですし、その細かな浸透はわからないのではありますが、なんとなく、粋だな、すごいな、と思ってしまったりする自分がいます。

このコロナ緊急事態宣言下(現在2021年1月10日)、生徒さんが集まる気がせず、飲食店やその関連企業の逼塞ぶりを見るにつけ、ヒトの荒廃やイライラ、ネガティブな面もたくさん見てしまっているために、そうした命に対するゆとりや、四季を感じる穏やかさなどから、少し距離を感じているところなのです。

さらに、我が家では一昨日、あさりの酒蒸しを食し、冬なのにすごいなぁと、なんだかとっても感心しつつ、こうして食べられることにひどく感謝したあとなので、ギャップに戸惑っているところです。

他にも春を知る術はたくさんありますが、この記事がアップされる頃は、分厚いコートを脱いで、春の薄手のコートにしている人々も見かける頃かもしれないです。そして、今年の桜の開花前線がニュースになる頃で、自然から遠くに住む人々にとっては、なかなか感じにくいかもしれないですが、植物や動物たちが春の時計に合わせて、行動や形態を変えていくわけです。

私自身も子どもの頃はとてもビンカンで、冬のミノムシが吊る下がっていた枝葉に新芽が出ることや、霜があった地面に湯気が立ち始めたり、やわらかくなったことがうれしくて踏みしめてしまったり(笑)。ところが昨今では、空や土を見る時間が激減してしまったな、となんだか寂しい気持ちにはなるのです。せめてものリカバリーとして、スーパーや八百屋では旬のものに目を向け、実際に食したり、オンラインしているときには俳句のひとつも季節に合わせて振り返ってみたり、世界中の春風景の写真を見てみたり、などをしているところです。

やはり身近に溢れていた頃に比べると、この調布近辺ですら、駅前暮らしをしているにせよ、うんと少なくなった感あり・・・。

天気予報が当たり、九州・北陸・秋田あたりまでものすごい雪に見舞われたのですが、その実感も映像からしか見ることができず、ふと考えたのは、「雪を体験したことがないヒトはどうやってこれを想像するのだろう?」と考え込んでしまったのでした。九州の方々にとっては、異常な状態だったはずで、この対策ができていたのか?を検索してみると、やはり多くの方々が非日常だったことを書いていました。ネットは確かに便利なんだけど、受け取る側がそれを想像できたり、共感できたり、推測することができなければ、やっぱり理解までは到達しないんだろうな、と思うわけですね。

あさりを見たり食したりして春を知る人はイッタイどのくらいいるんだろう?

実際のところ、私個人は、潮干狩りをしたことがありません。子どもの頃は、母が台所で砂抜きしていたあさりに語り掛けながら、20分も30分も見つめていたことを思い出します(笑)。今回帰国してからも、名探偵コナンで2-3回話題になっているのを見て、想像することはできたし、ニュースなどで実際の映像を見たことはあるんですが、自分が採ったものを実際に食したことはないです。ただ!アメリカで生物学を学んでいた授業で、サンフランシスコ湾に遠足授業があって、そこであさりだけではなく、さまざまな貝類を手に取って観察したり、写真に撮ったことはあるんです。このさまざまな体験や観察があってこそ、あさりを見て春を知ることが可能になっているなぁと思うのでした。

コロナ禍で外に出ることがどんどん制限されると、実体験が薄くなるのかもしれない、という危惧、増えますね・・・。

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