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がんばる女の涙

09/18/2007 にアップした文章です。

ここのところ、授業と生徒の数が増えており、これまでも一度も不愉快だったことはないのですが、今後もきっとよっぽどのことがない限り、楽しく続けていけるんじゃないかと思っています。英語を教えるというのは、どんな教師にしろ、どんな学校にしろ、Individualized(個人に沿った)ふうにアレンジしたほうがいいに決まっており、その人の元々の状態を把握せずして、教える効果が顕れるということはないと思っています。なので、プライベートの生徒さんには、個人的事情が聞けるのでかなりうれしいです。グループで数人を同時に教えていても、みんなが連帯意識を持てるようにしたり、なかなか聞けないアメリカ現時事情を交えたり、いわゆる「学校タイプの先生」ではいないことを、強く意識しています。小学校・中学校・高校・大学で教えているのではなく、夢や希望やニーズに向って、必要以上の義務を持ち、時間とお金を掛けているわけなので、私も既存の方法ではいかんと、兜の緒を締めているというわけなのです。

西さんは、こういう話をメールや電話でする私を見て楽しそうです。これまではウェイトレスが天職だったと思ってきたのですが、この英語を教えるというのはあの頃と同じように楽しい。奉仕や献身という言葉や概念は私は大嫌いなので、ウェイトレスよりもこの概念が薄い、知識をシェアしてコミュニケーションし、意見を出し合い話すという作業が大好きなんでしょう・・・。

そんなあれこれを考えるようになって、いつも通りにカウンセリングをしつつ、授業を進めていたところ、前任の先生には申し訳ないのですが、「どうしてこんなことしてるの?」と思うことが多い。それぞれの現在の時間の使い方や、目標や、今の能力や理想や現実などを照らし合わせることで、やはり学習方法を変えていかねばならぬ・・・。たとえば、いいテキストや問題集といえども、ある程度固まった意志がある人であれば、その答え合わせや問題解きは家でひとりでできるものなのだ。そんなことで時間を使ってはならぬ・・・。払っていただいているわけだからね、時間泥棒である。

そして、たくさんのがんばる人々に出会うのですが、このあいだの土曜日には、奇しくも1日で2回、30代に突入した看護婦さんを、それぞれ別に2人、プライベートで教えることになったのです。ひとりは、カナダで看護婦さんの、日本ライセンスを切り替える学校ためのプログラムに入ることが決定している人。もうひとりは、JICAで活躍するか、アメリカに行って麻酔までできる大学院プログラムに行きたいという目標を持っており、なんだかがんばり度を見せ付けられた思いでした。

後者のがんばる女の人が、突然泣き始めてしまい、「うが、またやったか・・・!?」とたいへん心配してしまったのです。私は、よく人を泣かすのよ・・・。怒って泣かしているつもりはないのですが、私のことが怖いと感じる人は多い・・・。なので、教えているときには本当に気をつけているつもりなのですが・・・。が、どうやら彼女は、うれしくて泣いたようであった・・・(15分くらい泣きながら話していたので、それがわかるまでに、少し時間がかかったわけです)。話をじっくり聞くうちに、こんなにけなげでがんばっているんだ、それでも世の中の人々は、彼女を労わり、抱きしめてあげないんだな、と、私のほうまで悲しくなってしまい、もらい泣きしたくなっていたのです。が、私は人前では泣かないので(映画以外)我慢←おいおい、そこまで律するかい・・・。

日本の看護婦さんは、時間が長くて、上下がそこそこあって(まぁ、病院にもよるのだけれども)、Burnoutという仕事での心理的作用が大きな仕事です。日本では、9Kっていう仕事のカテゴリーがあるんだね・・・。「きつい」「きたない」「きけん」というローマ字の「K」から始まる仕事の過酷さをあらわす言葉なのですが、看護婦はさらに「休暇がない」「規則が厳しい」「化粧乗りが悪い」「くすりが必須」「結婚がおくれる」「給料がやすい」という「6K」が追加され、全部で「9K」。これがかなり端的に、看護婦さんの日々のつらさを顕しているように思えます。

いつも他人ばかりをケアしており、彼女たちをケアする人々はなかなかいないのだろうな、と、私はカウンセリング段階で、褒めていたのだろうと思うのです。そうしたら泣けてきたらしい・・・。涙を流しながら、少ししゃくりあげながら、将来の夢を語ってくれて、「忙しいから定期的には来られないのだけれども、またお願いします」と言われたときには、私のほうが頭を下げたいくらいにうれしかったです。

私には奇しくも、看護婦さんの知り合いやお友だちは多いのです。Factsをここでいろいろ。

この理由で、看護婦さんになる人は多い>看護学校や大学を卒業しなくてはいけませんが、一度取得すると、永久的に使うことができます。たとえば、結婚をして、子供を出産し、別れたとしても、女性一人で生きていけるという経済的な面で看護婦は他の職業に比べ有利であると言えるでしょう。

が、思ったよりも収入は多くはなく、心が圧迫されたり、時間的拘束が多いことを考慮したりすると、どんなもんなのか?>人事院の2003年職種別民間給与実態調査でも、看護師(専門学校卒)の平均初任給は20万2000円台、准看護師(養成所卒)では16万9500円ほど。大卒の事務員で約19万円、短大卒で16万4000円だから、OLより高給には違いないが、夜勤や残業もあり、人の命を預かる緊張感を考えれば、これでもまだ安いのかもしれない。病院によってはオペ室勤務の場合、感染症や放射能汚染の怖れがあるため危険手当も出るという。

何か目的があったり、身体を壊したり、出産などの理由で、派遣でも働くことができるのは、うれしいかもしれない>派遣:1日8時間勤務(昼休み1時間を含む)で1万5000円ほどの収入になるというから、実働の時給は2000円を超える計算だ。>が、私の時給のほうがいいのは、ちと不平等な気もする・・・。

看護婦さんのやりがいというのは、いろいろなことがあると思うのだけれども、ある人は「患者が持っている潜在的な治癒力を引き出すナースの仕事に、とてもやり甲斐を感じる」と言う・・・。とても共感できるのである。が、西洋医学の器具や技術や医師たちに囲まれて、しかも人手不足で、これはなかなか実現できない状況があるのかもしれないとも思う・・・なぁ・・・。

私は、自分のお友だちや知り合いである看護婦さんの愚痴や不平は、飽きることなく、相手の気が済むまで聞くことにしています。彼女たちにははけ口が少なすぎる・・・。私などではなく、ステキな心の温かい男の人がたくさん増えると、彼女たちの心ももう少し軽くなるに違いないんだけどなぁ・・・。

しかも、彼女たちに貸せる胸は私にはなく、私がこんな性格なので、なかなか泣けないのだろうな、と思う。包容力がないからなぁ・・・。もちろん、看護婦さんでなくとも、がんばる女はたくさんたくさんいます。そして、彼女たちは、「泣きたくない」わけではなく、「人前で泣けない」わけなのよ・・・。それをわかって、もっとみんながんばる女の涙をわかってあげてね♪

 

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