それだけが原因ではないですが、脳の萎縮は大きな要因です。脳の感情コントロールセンターは中脳なのですが、少し「考えるプロセス」を意識すると前頭葉までPathwayが通じ、このような行為はどういう結果を生んでしまう、と考えることができるのですが、それを阻む原因が、日常的に前頭葉をよく使っているかどうか?が分かれ目です。
前頭葉は理性の塊のようなもので、これまでのパターンや知識や記憶がたくさん詰まっています。ふだんからここを使うのを止めてしまったり、短い時間・回数しか使わない状態がずっと続くと、Pathways が錆びてくるような状態になります。
そうなると、中脳でプロセスは止まってしまい、感情に任せた行動をするようになるんですね。
そうなってくると加速度的に(とはいえじわじわですが)前頭葉を使わなくなり、委縮という現象まで至ってしまうことも大いにあり得るわけです。
ただ、いいニュースは、「使っていれば脳はあなたを裏切らない」ので、使い続けることが大切なんですね。漢字ドリルや簡単な脳トレ、読書や考えるクセ、写真を撮って文字を添えたり、PCを使ったり、などなど、簡単なことの積み重ねでも「使い続けている状態」は維持できますし、さらにもっと「使う領域を増やす」ことも可能です。
高齢者が犯した罪にも変化が。1989年と2019年の罪名の割合を比べると、全年齢層で「傷害・暴行」が増えているのだが、特に高齢者は2.9%から13.5%まで増えているのだ。
高齢者刑法犯の罪名構成比
【1989年】
万引き(60.2%)
万引き以外の窃盗(17.4%)
傷害・暴行(2.9%)
横領(9.7%)
詐欺(2.8%)
その他(7.1%)
脳の他にも原因はいくつも考えられます。たとえば土壌となる社会の在り方ですね。高齢化社会になったことで、+もあればーもあります。高齢者になっても安泰に引退できない経済事情の方々も増えていますし、潤沢にお金を持っている方との差を感じやすくもなって、さらに社会全体が、子どもには優しくとも、高齢者にはさほど優しくない場面も多いかもしれませんし、ただ単に高齢者個人こじんがそう感じてしまう傾向が強くなっているのかもしれません。
なぜならば、若い頃に成功したり、うまく行っていたことが、同じようにできなくなることのもどかしさというのは、非常につらいものです。脳だけではなく、身体全体がゆったりとしたスピードで日々老いているのではありますが、本人としては「急に」「ここのところ」と思ってしまうことは責められません。
新しいことに出遭い、好奇心を上げたままの状態に保つことも難しいですし、成功体験がたくさん入っている中で、世の中がじわじわと変わっていくことに順応し、また学び直しを要求されてしまうのも、理不尽に感じることが多いでしょう。
自転車の事故などで「自分が正しい!」とキレる町中での体験や目撃があるようですが、徐々に変わる環境を「元のまま」に受け止めていて、本人が行動を変えていなければ、変わった他の人たちを悪者にしたくなる気持ちもわからなくもないです。
ただ、若い頃からの積み重ねなので、やはり
- 順応 Coping skill は高いままで維持
- 新しいもの・人・場所でワクワクドキドキの体験を定期的・周期的に
- 脳の老化を防ぐための食べ物や習慣や睡眠の励行
- 脳を使うアクティビティを毎日に取り入れる
など、気を付けたいですよね。
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