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なぞの形容詞 “美人”

Jan 15, 2006  に書いた文章です

 

日本に帰って相変わらず呆れてしまったのが、「美人○○」という形容詞がついた見出し・・・。私が小さい頃に、父にしつこく尋ねてとてもしつこいと鬱陶しがられたのですが、まだ30年以上続いているってことですか?(笑) 多いのは、「スナック美人ママ」「美人OL」「美人モデル」が事件に巻き込まれたときの、週刊誌などでの見出しです。笑ってしまうのは、たまにネットでニュースを見ていても、新聞社系の記事でもたまにあるんだよなぁ・・・。当時より軟派になったのでしょうか?

父は、京王自動車のハイヤーの運転手をしており、死んで退職するまでずっと朝日新聞の記者を乗せて走っていました。ですから、餅は餅屋に、と思い、父のお得意さんにいろいろ聴いてみたし、(部に分かれている部の)デスクが遊びに来たときにもその質問をしたことがあります。

「ちっとも美人じゃないのにどうして美人OLとか言うの?」と。

美人:美しい容貌の女性。美女。麗人。
美しい:視覚的・聴覚的にきれいで心をうつ。きれいだ。

↑ええ、辞書マニアだった私は、当時もこの言葉を引きましたよ。でも、どう見ても犯罪に巻き込まれた彼女たちは、加害者側であれ、被害者側であれ、メディアに載っている写真では、心を打たれませんでした。ストーリーはまた別の話です。

が、幼い私がバカだったのは、父が乗せていた記者たちは、みな社会部か政治部の人たちで、「俺は美人なんて使わねーよ」だの、「お嬢ちゃん、俺たちは新聞社だよ。週刊誌じゃないよ」などと言われてしまい、確かなことはわからなかったのです。中でもとても政治的に中立な人は、「人によっては美人だし、書いた人が美人だと思ったら書くんじゃないの?」などというヤワな答えもあり、子ども心にすっきりしない後味を残したまま、その形容詞をまだまだよく見かけることになりました。

もしかすると、私が「美人」という形容詞に対して厳しいのかもしれません。安売りはあまりしないのです。私が素人で美人だと思う人はかなり少ないです。行き着けのお鮨やさんでバイトを5年してきた、今は日本で働いているハーフの女性がいます。当時大学生だったのですが、去年のクリスマスイブにめでたく結婚をし、その結婚式の様子を聞くと、女優バリだったそうで、写真を見るのが楽しみです。私の親友も美人です。日本に居る頃は、いつも中井貴恵を思わせていましたが、USに来てからは、彼女のイメージはJulia Robertsになりました。弊社に来ていただきたいと思って引き抜きを続行している日本のOLさんがいるのですが、彼女もOLの傍らモデルの仕事をしており、とても美人です。

私が芸能人で美人だなぁ、と思う人は昔の人ばかりできっと共感は得られないでしょう。1988年前は、岩下志麻がとてもきれいだと思っていましたし、太る前の松坂慶子がきれいだと思っていましたし、宮沢りえもきれいだと思っていました。樋口可南子もです。最近の女優はあまり見ていないのでわかりません。永遠の日本人気爆発女優のAudrey Hepburnも美人ですし、Annette BenningとSalma HayekとDemi Mooreはきれいです。ユニークできれいなのは、Angelina Jolieです。彼女が出てきた頃から好きです。一般的には、Nicole KidmanとKim Basingerはきれいなのでしょうが、私の好きな顔ではありません。最近の若い女優では、Anne Hathawayという23歳のディズニー映画主演(3本)の子が美人だと思います。

あとは、話すと美人度が下がる女性と、話すと美人度が上がる女性がいます。聴覚的な声の印象とその流れや抑揚がもたらすものではありますが、さらに、話の内容があるのだと思います。演技も同じくで、美人だからといっても、好きだとは限らないです。

うん、とにかく私は美人という形容詞に厳しいのです。そして、私のことを「美人」だの「きれい」だのと言う人に懐疑的になってしまうのでした。簡単にそのような形容詞を使うよりは、「俺の好きなタイプの顔なんだよなぁ」「意志が表れている顔だ」「目が何かを語りかけてくる」などと言われたほうがうれしいのです。簡単に「美人」と言われても、褒めていないだろうよ、と思ってしまうわけです。

それに、たぶん、私が特に美人だと思っていなく、美人でありたいとも思っていないせいなのでしょう・・・。逆に考えると、私は見る美と生活に求める美をきっちり分けているせいもあります。見る美でのホッケー選手はゴロゴロいますが、好きだぁぁぁぁ!と大声を出して言えるのは、やはりホッケー選手としての力量と、人としての品位を身につけている人です。俳優でも同じくで、どんなに売れていても見目麗しくても、奥さんを大切にしない人などはかっこいいとは思えません。

事件性の高いもので、美がなぜ見出しになるほど重要なのかまだわからずじまいです。部数を売るための「接頭語」のようになっているのだとしたら、それは国民の程度とライターの程度を表しているのでしょう。

確かに美人であることで、周囲が許してくれることは多く、不美人であることよりオトクに見えることは多いですが、事件に巻き込まれてしまうようなネガティブで大損なこともある、とでも言いたいのでしょうか?もしも、美人か不美人だけで人生が決まってしまうとしたならば、そういう流れを好んで選んできた自分に非があることでしょう。

私が思う美人は、きれいなことだけを売りにしておらず、人としても成熟するための努力をしています。たとえば、Angelina Jolieのたゆまぬ世界平和への支援は、ものすごい情熱で、映画などにも取り入れてあり、私生活でもコミットしている通りです。ホッケー選手たちも子どもたちを病院に慰問したり、ホームレスへのチャリティに参加したりと、いつも忙しいのです。後進を育成するために私財を投げ打ってアリーナを作った人たちもたくさんいます。

その横で、きれいなだけで、きれいではない人々を差別する人たちがいます。きれいなことがそれほどの特権だとは、私は思っていないのでしょう。が、世間は思っているのでしょうか?だから、このような見出しはまだまだ止まないのでしょうか?

今度、どこかの見出しで“美人”が出てきたら、笑ってくださいね♪きっと出遭えてしまうと思います・・・。

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