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世界人権週間

12/07/2006 にアップした文章です。

 

すでに突入しているのですが、長い歴史があることを少しだけ驚いてもらえたらうれしいなぁと思います。12月4日から10日の1週間、意識してみると現状について、把握・疑問・理解などしていけたらいいな、と思うのです。http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken03.html 

おおまかな小題はこんな感じ。

○「育てよう 一人一人の 人権意識」

○「女性の人権を守ろう」

○「子どもの人権を守ろう」

○「高齢者を大切にする心を育てよう」

○「障害のある人の完全参加と平等を実現しよう」

○「部落差別をなくそう」

○「アイヌの人々に対する理解を深めよう」

○「外国人の人権を尊重しよう」

○「HIV感染者やハンセン病患者等に対する偏見をなくそう」

○「刑を終えて出所した人に対する偏見をなくそう」

○「犯罪被害者とその家族の人権に配慮しよう」

○「インターネットを悪用した人権侵害は止めよう」

○「性的指向を理由とする差別をなくそう」

○「ホームレスに対する偏見をなくそう」

○「性同一性障害を理由とする差別をなくそう」

○「北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めよう」

一体全体、日本に住んでいる人々のどれくらいの割合が、このどれにも該当しないのか?と少し考え込んでしまいましたが、おそらく少数なのでしょう。さらに、進んで考えるに、この並んでいる項目の複数に該当する人々もいるに違いありません。女性や子ども、というのが大きな括りとしても、本人以外に、このような項目に該当する人々の家族や友人や職場や習い事やその他の仲間を含めれば、たくさんになるに違いありません。なのに、人権を尊重し、差別や偏見を軽減することは難しい。ふぅ、果てしないなぁ。

きれいごとかもしれないですが、やはり私はこうした尊重は大切だと思うのです。大した才能もなく、まだまだ未来がわからず、人と違うことの何が悪いのかがわからなかったまま大人になった私は、今でもいろいろなことで「少数派」に属すことが多いです。今でこそ、居心地の悪さは感じないようになりましたが、それについての飽和点に達したのは、かなり後のことになります。もうこれ以上の心地悪さは感じない、というほどのポイントに達し、その後、それ以下についてはへこたれなくなったということです。

読み進めていってもらえば、この差別や偏見の根がいじめにも繋がる心理と繋がることが、ご理解いただけると思います。

自己尊敬心(Self-Esteem)を高いまま維持したい気持ち;これには弊害があります。Self-Esteemそのものは、高いほうがいいです。が、プロでなければ、あるいはその解釈を理解していなければ、「ただの高慢ちき」や「他人をこきおろす人々」なども、Self-Esteemが高いように間違えられてしまいます。今の自分の実体、ありのままの姿を正確に「自己申告」できない人だってたくさんいるわけです。その人たちの自己申告が正しいとし、このSelf-Esteemが高いと判断するのは危険。彼らは、実はSelf-Esteemが低いのです。が、今持っているその高さを維持したい・向上させたいという気持ちは強い。それが、差別や偏見に拍車を掛けることになっていきます。

差別は学習によってしか培われません。偏見が差別の源になります。学んでしまった差別や偏見は、Unlearn(学習して白紙に戻す)しかないわけです。あるいは、relearn(再学習)と呼べるかもしれません。

このSelf-Esteemのやっかいなところは、社会動物(社会生活を営む生命体)にとっては、「比較」に依存する部分が大きいということ。生命体のメカニズムそのものが、比較という構造によって出来上がっているものが圧倒的に多いので(体温・ホルモン・脳内ケミカル・視聴覚などなど)、心がそれを一切やらないということもできません。同種のものをタイプ・分類化することで、混沌とした世界を整理するためには、いい方法なのですが、整理する必要のないことまでも整理し、定義し、意味づけし、差別化を図ることがあるわけです。どこまでが便利で、どこまでが「共存へのハーモニー」ではないのか?このライン引きは難しい。

たとえば、犯罪歴がある人々を差別するのは、全面的に非難できるのか?私はしませんが、してしまう人たちにご理解いただけるよう、しっかり説得することは難しいです。犯罪歴がある、という簡単なラベル貼りをすることにより、個々が比較・調査・研究・解析をする手間が省けますし、正確な比較・調査・研究・解析をする能力が足りない人々の代替する機能も持ちます。犯罪の中でも、殺人は最も重く、レイプや強盗や空き巣や、詐欺、その他にも組織がかりでの経済犯罪などもあります。グレイエリアを縫って犯罪やそれにに近いことをしている企業はたくさんあるし、政府が定めた機関ですら、保険料や年金などを不正に使ったり、賄賂や汚職をしていることはあるわけです。どれが最も悪いとランク付けすることは、本当に意味があるのかどうか、「比較マシン」「ラベル貼り癖」だけを学習した場合にはわかりません。危険が己や愛する人の身に降りかかることを避けたい本能は、全面的に肯定しますが、本当に危険なのかどうか、見極める力を自分が持っていると言い切れる人は、実際のところ少ないのだろうと思うのです。

もっと大きなスケールでいえば、日本史の中の「士農工商」を考えるに、実際のところは、農民たちは2番目の階級につけられていたものの、名主ほどの富がなければ暮らしは最低で、名目だけのものだったことはわかっています。なぜ、この比較・ランキングをする必要があったのか?政治の意図があり、治国のための知恵だったとはいえ、「真実の幸福の追求」であったかどうかは、疑問が大きく残ります。

世界が繋がったことにより(考えると日本は、つい150年ほど前まで鎖国をしていたわけです。海外を行き来することが、一般人やエリートやお金持ちでなくともできるようになったのは、つい数十年前からのことです)、多様化は劇的なスピードで進みました。それによって、形あるモノだけではなく、考えや行動や文化など、いろいろなものが交錯するのが日常になっています。

既存の感じ方や考え方が「ゼッタイに正しいのかどうか」は、いつも自問したほうがいいと思うのです。それにより、偏見を減らすこともでき、持たないことへ繋げることはできます。他人と自分は同じくらいに尊重して当たり前、だと心から思えて、それに沿うように行動できている人々がいかほどいるのか?回りを眺めてみてください。小さなお題になっているそれぞれに対してですら、偏見や差別を持っていることがなかったでしょうか?「ホームレスは本人が悪い」などと決め付けてはいなかったでしょうか?

せっかくのチャンスですから、人権週間のうちに、学べることは学んで、頭や身体に染み付いてしまった偏見はゴシゴシ洗ってしまったほうがよさそうです。

 

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