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向上心を持てないのはなぜなのか?その2

10/30/2007 にアップした文章です。

 

昨日は、ただ単に自分のケーススタディを書いて終わってしまった・・・。すまぬ・・・。が、昨日わかったことは、私は本当に、偶然ではあり、まったく両親の緻密な計画性はなかったにしろ、かなり結果はおいしいことになっていた、ということ。が、これでも心理学をやってきたので、私はもう少し、根本的なところから派生する、基本的要因について触れなければならぬ・・・。マスローの欲求などをこれまでやってきましたが、その他にももっと理由はあるんですね。

まずは繰り返しになりますが、すでに遺伝子に組み込まれてしまった、進化論の長い歴史における、サバイバルの法則。復習をすると、1.自分が生殖年齢に到達し、生殖すること。2.自分の子ども世代が生殖年齢になるまで成育すること。これが軸になっています。さらに、「よりよく」「効率」「有効性」などを加味していくのが、根本から派生していく基本的要因となります。これを、生物学的向上の動機と呼ぶことができます。生殖という言葉に濁されてはいますが、やはり「自立」なわけです。

ところが、元々先天的に持って生まれてきたものは、何かの刺激を与えなければ、向上しないものの方がずっと多い。たとえば、基盤になるDNAの考え方です。老いるということ=滅びること、と勘違いしている人は多いですが、老いの原因は、DNAが転写される段階でmRNAとなるときに、さらに翻訳のような段階を経てDNAへと戻るので、そこで起きる突然変異という自然のミスを含むので、だんだんと原型から離れていき、出来上がった細胞群の機能が落ちていくことにあります。ちなみに、ヒトの細胞は、60兆個ほどあり、常にどこかでこのmRNA→DNAが繰り返されており、突然変異(gene mutation/spontaneous mutation)だけではなく(この自然に発生するミスは回避できない)、有害物質や放射線などの露出により、複製は正確に行われなくなってきます。ただし、変形した異質すぎるものは細胞として生き延びることができないので、変形したもので生きる能力があるものが生き延びるわけです。ですので、滅びるというのは語弊で、この先天的に持っていた資質が変形していくことを「生きるプロセス」と受け止めていく必要があるわけです。ちなみに、それほど詳しく書かなくてもいいのでしょうが、遺伝子だけではなく、染色体にも突然変異は起きます。

こんな条件があるならば、さらに向上について考えていこうぜ!と思ってもらいたいくらいです。
(でも、ここで開き直ってさらに諦観してしまうヒトがいるかもしれないことは、ちょっと危惧・・・)

そもそも持って生まれたDNAに組み込まれた可能性というのは、宇宙よりもでかいと考えてもよしとできます。なぜならば、脳細胞一箇所を取っても、ヒトはそのすべてを使い切って死ぬことはないわけです。まだまだ可能性を脳細胞に残しつつ、たいていの場合、他の細胞の転写に負けて寿命が来ます。生まれた直後、同時に、mRNA転写のプロセスと、成長・発育という2つのプロセスが始まるわけです。後者のほうは、社会動物でいる限り、本能に大きく左右されるだけではなく、環境の中から与えられる要因に大いなる余地を持っています。

それらの中で、最も直接的に影響を与えるのが、衣食住に関するサバイバルチャンスの充実や安全保障。これらが脅かされると、当然、向上心などは消えます。それよりも現状維持すれすれでの生き延びることが最重要課題になるわけですから。どんな食生活をしているか?というのを、きちんと把握できていないヒトはかなり多いのでしょう。校長センセのように、栄養士さん指導の食事メニューを取り入れている人というのは、かなり少ないはずです。特に、子どもたちの育ち盛りの食育というのが社会の大きなテーマになってしまっているように、栄養価が落ちた野菜や果物や魚肉など、心配しなければならない環境に住んでいることを、まず向上心と繋げていくことができないことは多いのかもしれません。しつこいようですが、You are what you eat=You are consisted of what you have eatenですから。

ここに、空気や水、紫外線や放射線などを含めると、とんでもないことになってきますか・・・。環境ホルモン問題、製造年月日偽造問題、表示内容物とは違う食品の販売などなど、物騒な世の中です。闇市などがあったときには、まだ「どうせ闇市だから」と覚悟もできたのですが、この公的詐欺が横行している状態ってどうなのよ?

上記を含めたものが、社会の構築です。それが、昨日書いた「社会や国家や人類や地球全体という、私たちが生きている環境と、それを構成している人間の責任感に重く掛かる」という部分です。ありきたりに語られている「自由には責任が伴う」という表現は、本当にexecute(実行)されているのだろうか?と、私が個人的に自分でやっていないことに関しては、どうしても疑わねばならぬ世の中なのが、ちと社会動物としては切ない。Maslowの欲求階層説の下段から2番目にある「安全の保障」が脅かされてしまうわけで、その上に来る社会動物の醍醐味である「社会的欲求」「自我欲求」「自己実現欲求」などに、なかなか手をつけるゆとりがなくなってしまうわけです。

若い人々の向上心が希薄だというのは、陽さんのコメントのレスにも書いた通り、我が身かわいさのあまり、自己申請に脚色が入ることも大いに、夢がないように見せているのかもしれません。メカニズムとしては、「のちにどんな結果が来ようとも、Self-Esteem(自己尊敬心)が傷つかないように調整する」というもので、自分のベストを尽くした結果、成果が伴わないことがあると、心が萎えてしまう。なので、ベストを尽くしていないかのように喧伝すること。昔、落合博満がBig mouthと呼ばれていましたが、あの過大な有言実行をできる人間は少なくなってきている。が、過大な有言実行ではなくとも、「事実を事実として申請すること」をできないことが多いことで、社会の構成部分に大きな損失をかもし出しているのは、否めない状態なのではないかと思うわけです。駆け引きはゲーム感覚で楽しいのかもしれません。が、本音や正直コースで付き合える人々を選び、せめてその人たちだけにでも、本来の自分に最も近い部分を表現できないから、ストレスも溜まる。ストレスが溜まると、生命体としても免疫性が下がる。それを繰り返していくのが、会社員だとかメシの種を稼いでいくための手段であるとしたら、本当に人々の心身の健康は、崩れる社会となっているのでしょう。嘘や虚言や事実を事実として申請しないことは、自己がわかっていることで、それについての圧迫感は、個人を責めつけます。

嘘をついたことが成功してしまうと、辛さと似たように、エスカレートしていきます。自己申請に関しては、「Self-Esteemを守ってやるのは自分しかいないのだ」という言い訳も成り立ちます。自己否定もかわいがる気持ち同様に起き、コミュニケーション不足のために、根本解決をすることもできないまま、人生は続いていきます。向上心はそんな状態では持てないでしょう。

経済的栄達や、社会的地位などは、昨日のアメリカンドリームの定義で示したように大きすぎる目標です。物事は段階的に進歩するのが常道で、一気に飛ぶことは稀です。獲得や達成が積み重ねられない限り、さらなる向上を求める気持ちは起きない。それがメカニズムなのではないか?と思えるわけです。もちろん、他の要因もたくさんあることでしょう。が、私は、この失望感・不信感・諦観・無力感というのは、根本にかなり根ざした基本問題で、とてつもなくでかいと思います。

ここまで順調にアメリカンドリームを体現してきたはずの私ですら、失望感・不信感・諦観・無力感には苛まれることが多い。そりゃそうだよねぇ・・・。大の大人や公的機関が、堂々と詐欺まがいの行為を次々に行ってくれる・・・。それを構成している人間たちに対して懐疑心を持つことは、誰も責めることはできない。

けれども、社会的経済的な栄達ではなく、心の浄化や純粋さを求める気持ちが持てる余地があるからこそ、嘘や虚偽をしたり、自分を偽る行為についてストレスを感じるはず。だとしたらば、やはり向上心を持てる下地はしっかりあるわけです。子どもたちのために、大人がこの社会を何とかしなければ、と思える人が多くならねば、本当に地球は滅亡しちゃうんじゃないのかなぁ・・・。なんだか、ものすごい悪循環の中、人々はもう気力がなくなっているのか?と思う傍ら、けっこう元気な人々も見るので、やはり希望は持ちたいところです。

 

 

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