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母性神話

17年ほど前に書いた文章です:まだ母親になれる可能性が残っていた時期にどのような経緯で選択したのか書いてあります。なつかしー!

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私も若い頃は、子どもが産めて育てられるのではないか?と可能性は捨てていませんでしたが、2年前に子どもを持つことをきっぱり止めてから、すーっとラクになりました。もうアレ以上考えなくてもよくなったことは、Titanic級の豪華船をすっきりと撃沈してしまったくらいの気持ちです。次に引き揚げ作業をするときは、私はもう生理的に子どもを持てない年齢になっていることでしょう。

が、若い女性だったので、女性であることでの選択肢についての苦悩は、とても理解できます。掲示板やBlogその他で、子どもを持つことについて、をとても美化している風潮がありますが、少子化が進んでから、さらにその傾向は右化して人々の意識に無造作に働きかけているように思えてなりません。個人として、きちんと選択する前に、その周囲を「参考資料として冷静に見る」のか、流されて真っ只中で揉まれてしまうのか。決断する瞬間には、自分に納得のいくものであってほしいと願ってやみません。

当然、人の人生はいろいろです。まったく考えなしに、「自然なこと」と思って子どもを持つのもありです。が、彼らが引き受けなければならないのは、「私が選んだわけじゃない!」とあとから言い訳をしないことです。考えなしにしたことであっても、行動には責任がくっついてきます。特に、別人格である生命体をもうけることに対しては、20年+もの責任がついてきます。その責任を全うする力量がないままで、あとから泣き言を言っても遅いのです。科学、特に医学は目ざましく発達し、学校で教えなかったからと言い訳して、避妊しないままほしくなかった子どもを持って、文句をたれてはいけません。

私は、未婚の母や、ゲイカップルにもなんら反対意見はありません。人工授精や懐妊クリニックも応援します。自分が選択したことに責任を以って、全うしていく覚悟があれば、厳しい意見は他に何もありません。健康であっても子どもを持ちたくない選択があってもいいではないですか。母親に向いていない人はならないほうが子どものためです。私もそれ気味でしたし、世の中では離婚したあとにボーイフレンドに子どもを虐待死させる女性が増えている、と、ネットでよく読みます。他にも、マタニティうつ病などで、予定とは違う暗い子育てだってあるのです。人にはそれぞれの事情があるのだから、国をこぞって、子どもを産み育てろキャンペーンで、脅してほしくはないですね。

女性がキャリアを選ぶか、家庭生活、特に出産・育児を選ぶか、というのは、物理的にも社会的にもまだまだ難問です。が、私のテイクとしては、キャリアと子どもを持つことは同じフィールド・カテゴリーにあってはいけないことなのではないか?と思うのです。そこで、男性社会を責めつけることもできますが、そんなことをしていては、自分が倖せにはなれない。むしろ、責任転嫁をして、自分の首を絞めるだけです。自分が決め付けてしまった、「キャリア vs 出産と育児」を、これからチャンスがある女性は取っ払ってしまったほうがいいです。ハリウッド女優でも、Reese Witherspoonのように、映画1本で15ミリオンも稼ぐ女優は、23歳の早さで結婚して2人の子持ちです。スーパーモデルのなかにも、規律を課してキャリアに戻れた女性はけっこういます。どうして、両方取る作戦を考えてみないのか?と不思議でならないのですね。

日ごろ、女性の母性神話を鼻で笑っているパートナーも経営者になったので、うちの女性社員が産休を申し込んだら頭が痛いと思います(笑)。そのときは、彼の日ごろの世界観や信念が試されるときなので、私は微笑んでお手並みを拝見したいと思います。が、うちの女性社員にはまだ煙も立っていませんので、もうちょい時間はあります(笑)。

自分の力量をきちんと査定し、どちらかを選ばなければならない状態なのだと、はっきり、悲しいけれどもわかったときには、自分の選択に自信を持ち、社会に対しての恨みやつらみ、過去の栄光などを語るのは、とても見づらいことです。あちこちのBlogで見ますが、過去、キャリアバリバリだった女性が、過去の栄光の端々を書き込んでいます。私がよく行くサイトの女性は、キャリアバリバリだったにもかかわらず、キャリアを一時期お休みし、さんざんな苦労をしたあげく、姫君に恵まれ、自分の次のキャリアについても、日々、姫と遊びながら練っているようです♪いいねぇ、と思ってしまいます。

筋が通っているようで通ってないアドバイスに、「仕事はあなたではなくても代わりがいるけれども、あなたを母親として必要なのはあなたの子どもだけなのだから、迷わず子どもを選ぶべきでしょう」というのを、たまに見かけます。私としては、「うがぁ、こんな激励をそのまま受け取ってしまう人はいるんだろうなぁ」と危うく見ています。Gosh, Bunch of crap! というのが私のリアクションです・・・。

子どもにだって母親の代わりがいなくてはダメでしょうよ・・・。他の大人でも子どもにしてあげられることを、なぜ母親の肩に一気に乗せてしまうのだ?私も自分の母親をこよなく愛していますが、母親が持たないものを他の誰かからたくさんもらってきましたし、母親が忙しいことに我慢して大きくなったし、何より、母親が輝いていることが私の支えとしてきました。どんなに忙しくても、いっしょにいる時間がよそ様に比べて短くても、Precious Moments(かけがえのない瞬間たち)がいかに持て、それをお互いがいつまで経っても大事に憶えて、胸のなかに生かされていくことが大事なことで、決して長くいっしょにいて、子どもを子ども扱いし面倒見続けることではないです。

代わりがあるような仕事じゃなくするための、段階的・時間のかかる作業をどんどんしてきたのですよね。それなのに、代わりがいるのだとあっさり言われてしまうのもつらい・・・。事実としては、どんな物事にも代わりはあるのです。母親だけがないように言うのは違います。その証拠にこの世には、たくさんの養父母がいて、産みの親に育ててもらえなかったことを乗り越えている人たちがたくさんいます。私の友人や知り合いにも何人もいますし、実の父親が9歳?から17歳まで養子に出されていましたが、実父母をそれはそれは大事にしていました。男性の仕事であっても代わりはいるし、父親にもやはり代わりはいます。家庭内で父親的役割を、母親がしている場合も多すぎるくらいです。が、母性神話は増えていく・・・。

こうして、神話にどんどん尾ひれがつき、女性たちは仕事に後ろめたさを持ちながら出かけていくことになります。妻や母親や恋人である前に、自分は自分なのだという自由で可能性を探る瞬間が減り、輝きが鈍くなり、いつか光らなくなってきます。神話が正しいのだとしたならば、女性は母親になることで光り輝き、太陽よりも月よりも永遠に輝くはずなのに、みんな疲れてキラキラしなくなってきていませんか?そして、光らなくなったとぼやいている配偶者がネットでドキドキ探しをしている風景はよく見ます。なんだか、悪循環じゃないでしょうか・・・。

母性神話に背を向けてから、私はずっとずっとラクになりました。母親であっても、神話通りの女神でいなくてもいいわけです。周りに振り回されるのはやめましょう。ウダウダ言うやつに限って、もしものときに、まったく力にはなってくれてないはずです。なぜ子どもがほしいのか?よく考えてみてくださいね。考える時間は医学の進歩により山ほどあります。Holly Hunterは初産で双子を47歳で出産する予定です。Geena Davisも、Al Pacinoの彼女だった Beverley D’Angeloも40歳過ぎての初産です。知力と経済力で育てる気力があれば、出産は遅くてもいいチョイスもあります。

それに、人生は仕事と(母)親になることだけじゃないですもん…。

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そしてかなりの時間が経ち、私は子どもを持たなかったというチョイスについて、120%満足しています。負け惜しみでもなく、他者に対する羨望もなく、ただただI am happy for you!が心から言えて、世界が住みやすい場所になっており、私ごときには子どもは20年+は育てられなかっただろうという予測は正しかったと確信しています。

子どもさんを教えているのですが、全体を観て、冷静に客観的になれることがとてもうれしく、それでもパートタイムママができてしまう瞬間がたまに訪れ、こんなにいいことはない!と思えています。しかも昔から、子どもを子どもとして見るというよりは、ヒトとして観てしまう傾向があったので、向いていなかった根源はここなのだろう、と今はよくわかります。だからこそ、自分の時間を相当量献身しなければ無責任なまま終わったタイプのヤツなんだ、と。神話は神話でしかなく、美化された理想の物語でしかないですし、実際にそう言われてしまっている女性たちも、ものすごい負担感で毎日苛まれているに違いなく…。

子どものいない私は、社会貢献の大きな一部として、子どもを社会で育てることに積極的に参加したいと思っています。私、子どもは苦手じゃないですよ(汗)。むしろエレベータや電車など、あらゆるところで、赤ちゃんから小学校4年生くらまでに、じー見されます・・・。あのじーっと見るきっかけとか理由って何なのだろう?それはUSでも同じでしたし、まだ日本でも各所で起きています。やっぱり容姿なんだろうか?

 

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