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英語が話せていいことを改めて考えてみる

11/21/2007 にアップした文章です。


私は手に職をつけるためにアメリカに行ったのですが、特に「英語が話せるようになりたいっ!」と思っていたわけではなく、「しょーもない。日本に拒絶されて、眺めてみるとアメリカがいいらしい。英語で学ばないといけない」と、すっかり観念して行ったのです(笑)。まるで、人間が生きていくのに、空気や水が不可欠だというくらいのレベルである、と思い込み、歩けなければどこにも進めないのと同様に思っていたわけです。なので、好きだの嫌いだのヘチマだのといろいろ考えを巡らしている贅沢もなく、事前に英語学校に通うこともなく(なぜならば朝昼晩ひたすら稼いでいて、そんな時間はなかった。なんせ時間給ベースで働いていたのだ)、中高生と大学の教養課程レベルの英語の知識はあったにせよ、ほぼ忘れている真っ白状態で行ったのは、それほど悪い作戦じゃなかったな、と思うのです。

日本に戻ってきて1年が過ぎ、この変わらぬ英語ブームはどうなんだ!?と思っているところ。どうなんだ、って何がどうなるわけでもないんだけれども(笑)。そのおかげでメシの種があるんだから、不平不満を漏らしていいわけがないのですが、最初のインタビューやカウンセリングで不思議に思うことが、「なぜ英語が話せるようになりたいのか?」という動機問題。そこでいぢわるな私ははっきりきっぱり告げるのです;「切羽詰るくらいの状況じゃない限り、そんなに簡単には話せるようにはならないよ」と。長い眼で見ていけるくらいの、生活に入れるくらいの気力がなければ、それほど簡単に話せるようになるわけもなく・・・。

仕事で使うから、将来英語を使った仕事をしたいから、というのが二大動機。本当にそんな事務的なことでいいのか?それ以上はないのか?と問うと、それほど思い浮かばないらしい。これはいかんぞ!

実際、今の段階では、仕事にそれほど大きな支障があるわけではない人のほうが圧倒的で、だからこそ、今の能力が発揮できる職場にいるわけです。ステップアップしたい人がまず考え易いのが、英語という武器なのでしょうが、今生活していけているのだから、気合の入った努力をする人は櫛の目からこぼれてしまいます。無くても生きていけるというのは、やっぱり難しい。それを他者が強制することなどできず、やはり自分の裡側からふつふつと湧いてくるやる気や、動機などに頼らざるを得ないわけです。

何度も言いますが、私の学校の生徒さんは、助成金を使う人がいるものの、自腹の人々が圧倒的に多い。カウンセリングやセラピーでも同じですが、自分に金銭という損失があっても、代価としてのサービスを求めている段階で、すでに動機は充分に高いのです。セラピーの場合は、「治りたい」というもの。

が、企業のほうはそうでもなく、もう少し複雑な背景になります。会社のプログラムでやっている場合、個人の純粋な動機を見つけ出すのはたいへんです。マンツーマンの場合は一旦、信頼を勝ち得ることができれば話してもらえますが、一クラスが同僚や部下―上司で組み立てられているものであると建前をたくさん並べ立てられる場合も多い。しかも、前出のように、「仕事で必要だから」というのも、切羽詰っていることはごくごく少なく、仕方ないから通訳や翻訳を雇っていたり、英語ができる人材を投入したりと、なんとか廻っているというのが現状なのです。それほどの危機感はない・・・。

ですので、私は個人的に英語が話せていい部分をくすぐることにしています←くすぐるっていうと何かの業師のようだけれども、まぁ、似たようなもんか・・・(汗)。

私個人は、否応なしだったのですが、ポーンと英語しか通じない環境に行けたことはめったにできる体験でもなく、よかったと思います。しかも、長期だった・・・。日本人は各クラスに6割から9割いましたが、私は年かさだったので、それほど馴染むこともなく、適度な距離を置けたし、何より労働に忙しかった。英語学校では、午前中のみ授業を受け、朝と放課後はバス通学の女の子たちのタクシー代わりになり(ちゃんと料金はもらっていた)、学校外でもunder the table job(非合法の)で、日本語を教えたり、障害者をお風呂に入れたり、和食のお弁当を作って売っていましたから、本当に遊んでいる暇はなかった。しかも、あんなにかつて勉強なんかしたことないよっ!ってくらいに勉強しましたから。が、それは間違いで、その後、もっと勉強することになるんですけどね・・・(汗)。

今になって言える、英語が話せるようになってよかったことの私のランキングはこれです。

  1. 距離感を保ちながらも、特権である獲得した関係では、hugs&kissesという温もりが得られる
  2. 映画や本や学界論文を原語で満喫できる
  3. 英語は公用語ゆえに、情報量が圧倒的に多い(いや、面倒な人には面倒なんだろうけれども、私にはあまり面倒ではなくなっている。これについては、なのだけれども・・・爆)
  4. 3.に関連して、会話できる絶対人口が驚くほど増える

なんで、スキンシップが一位なんだよ、と問われてもうまく答えられないかもしれないんですが、日本って、赤ちゃんっぽくなくなったときから、愛する人ができるまでの10年以上、なぜかスキンシップがスッこ抜けますよね?あれがどうしても不思議だった・・・。私は女の子同士で手を繋いで歩く子ではなかったので(想像に容易いでしょうが・・・)、このスキンシップへの渇望というのは大きかったようです。子どものとき、最後に誰かに抱きしめられたのはいつだったか?と振り返ると、やっぱり8歳くらいだったかもしれない。その後も頭を撫でられたりしたことはあったにしろ、抱きしめられる、包まれるというのはなかったような記憶です。そのせいか、卒業式でも、何かいいことがあったときでも、別れや久しぶりに会ったときなど、距離感によっては他人を抱きしめ、私も抱きしめてもらえるのだ、というのはヨロコビの大きなものでした。さらに、キスもなんだよな(爆)。クチビルにキスする関係の距離感ってすごいですぜ(笑)。異性でも恋愛でもなく、ただただ親愛の情でキスできるってやっぱりすごいと思うのですが、考える頭でっかちなところはここでは置いてけぼりにしておいて、男女関係なく、「あなたが生きていてくれて、こうしてまた出逢えてとてもうれしい」というのが伝えられるヨロコビ。1.は、おそらく文化圏を超えたところで、自分が魂や考え方や理想などをすべて含めて振舞えるというヨロコビの代表なんでしょうね。

2.は、戸田奈津子訳にしか頼れなかった頃に比べて、私は洋画がとても好きになりました。とはいえ、貧乏だったんで、それほど本数も見ていなかったんですが、劇場で最初に見たハリウッド映画が、『天国から来たチャンピオン』という邦題で、Heaven Can Waitという原題。Warren Beaty主演のものでした。それも、やっぱり大人になっているからというのもありますが、理解内容が微妙にズレているのは、訳のせいだろうな、とつくづく思えたのです。しかも、Titanicを母と新宿で見たときには(そのときすでに私にとっては3回目の劇場だった。USで2回もしつこく見ていた・・・)やっぱりがっくりしましたね。端折りや意訳に・・・。本は映画ほどひどくありませんが(映画は字数制限がある)、やはり自分の理解ではなく、他人(訳者)の考えが反映されているものが多いことは否めません。

3.英語が操れると、情報量が日本語だけのときのおそらく20倍くらいになったんじゃないかと思うのです。これは井の中の蛙でいなくて済む、とてもとてもいい材料です。日本に上陸している本はとても少ないですし、学界論文などはイマドキはみんなオンラインで読めます。英語ができないとその検索すらできないですし・・・。

ヨーロッパの人々のほとんどは英語を話すので、観光しても不自由は最低限で済みます。自分がいかにワガママで箱入りなのか?ということを思い知らされることにもなりますが、私は西さんに鍛えられてバックパッキングやハイキングはできますから、それほどの設備が必要でもなく、不自由さは受け止めて納得します。が、「当然と思っていたことが違うとわかること」は大切。ヨーロッパだけではなく、アジア諸国でもビジネスの世界での公用語はすべて英語で執り行われることになっており、どんな分野・業界でも英語ができれば、自分のバックグラウンドと併せて、英語関連の仕事は見つかることになっています。が、どちらに重きを置いたほうがいいか?というと、私のように英語講師をするのはバカらしい選択肢だと思うので、自分のバックグラウンドを大切にしたほうがいいです←投げやりじゃないですよぉ。私は教えることが大好きなのだ。不思議だ・・・。

というわけで、メシの種にはなりませんから、英語。世の中の国際化ばかりに囚われていても、あまりいいことはないです。もっと必要なのは、理解力や洞察力や分類力や論理力ですから。あとは、やはり、資本である身体を健康に保つことですな。でも、英語が話したい人は後を絶たないよねぇ・・・。

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