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身体とアタマを使う~夏休みのある日

遊んでばっかりでまったく勉強をしない子どもだったのですが、こんなふうに知恵は使っていた、というエピソードです。ですます調ではないので、

多摩川

「夏休み」と言えばいろいろなことをわんさか思い出すけれど、悲しかったこと・おもしろかったこと・途方に暮れたこと・自分や友達が更に好きになったこと、がいちばんパッケージングされた事件が、小学校の4年のときにあった。

私はほーんと子どもらしい子どもで、自分の仕事は朝の庭と玄関掃除・学校に毎日行くこと・図書館に本をちゃんと返すこと・ごはんをなるべくたくさん食べること・ちゃんと寝ること以外には子どもは遊ぶことが本業だと信じ込んでた。

昇降口を出たところの水道で口いっぱいに水を貯めて、家まで子どもの足で30分の道のりを無言でお互いを笑わせつつ帰ったり、寄り道して犬猫を拾ったり(ちゃぼなんかも拾った☆)する日常よりも、休みは徹底的に長く遊べたんでほんとにうれしかった☆>カエルが鳴いたらかーえろって時間までが長かった。

夏休みの自治会ラジオ体操を終えて、ごはんを食べてすぐに遊んでいた私たち(学年ばらばらに遊んでた)は「今日は何かおもしろいことをしよう☆」と会議をし、6キロ先にある多摩川に遊びに行こうと決めた。その当時のお小遣いは1日20円。でも何となく特別なので母に「100円ちょうたい」とねだってみた。

無情な母は「じゃ、5日分ね。明日も明後日もあげないわよ」とのたもうた。私は「お昼代は?家で食べないからちょうだい」と食い下がって交渉。結局その後2日もらえないことになった。それでもどうしても多摩川☆と心が弾んでたんでいいことにした。で、理由を聞かれてすんなりゲロしたのに、母は「ほんとに気をつけていくのよ。暗くなる前に必ず帰ってくるんだよ」と行って出してくれた>無責任なのか放任なのか、今でもときどきわからない。きっと私が誘拐されても払う金なんかないから大丈夫と思ってたのか??

お母さんに怖くて言えなかった子はぶたの貯金箱を割ってお小遣いを持ってきたらしい!お昼ごはんはOOちゃんのママが招待してくれた、などと嘘までつく子もいたらしい・・・(汗)。グーニーズとかスタンドバイミーみたいな感じ☆とにかく冒険は始まった。

暑いし遠いし、行きだけの道のりで私たち6人は全員半額ほどの所持金をアイスクリームやジュースに使ってしまった。がんばって歩いてちゃんと昼過ぎには多摩川に着いて、私たちは大喜び☆だってその当時はまだまだ水もきれいだったし、魚もたくさんいたよ(今もクリーン運動でまたきれいになったみたいですね)。

もう夢中になっていろいろして遊んだ。石拾い→石投げ(平たい石のほうが跳ぶんだよね☆)、釣りの真似っ子、水遊びにざりがに探しに生い茂る背の高い草の鬼ごっこ。溺れそうになった1年生をみんなで助けて私はずぶぬれになったよ・・・。

あれれ・・・。気づくとけっこう陽が落ちてきてる。行きであんだけ時間がかかったんだ、帰りはどうしようって話になったら、みんな「疲れたぁ。歩きたくないぃ!」と一致。「ねね、子どもだけでバス乗っちゃおうよ」という意見採用された☆

ところが!

その河原のそばには商店がひとつあって、ばらばらにみんなで勝手に買い食いしてしまってた。6人のお金を合わせてもたったの30円しかなかった・・・>バス代金子ども料金2人分。さっき川に落ちた子がいちばん最初に泣いた。「来るんじゃなかったぁ」とおいおい泣いた。次に「多摩川行きたいって言ってごめんね」と言いだしっぺの子が泣いた。「どうして自転車で来なかったんだろうね」と後悔する子もいた。どんどんみんなつられて泣いたんだけど、私は「絶対に家に帰らなきゃ」と言い張り泣かなかった。「お金なかったらここにいてもごはん食べれないんだよ」とかやたら現実的な説得の仕方だった(爆)。でもみんなとりあえず泣き止んだ。

「じゃぁ、どうすんの?」とみんなで考えたんだけど、うじうじしているうちに時間が経っていく。「30円残っているうちの10円でママに電話する」って誰かが言った。そしたら他の子が「もうみんなと遊ばせてもらえなくなるよ・・・」とつぶやいた。「たいへんだ、たいへんだ」と大騒ぎした>却下。「じゃ、あの商店のおじさんのバンみたいな車で送ってもらおうよ」って誰かが提案したら、「ええ、大人がみんないい人とは限らないよ」とやたら悲観的につぶやいた子がいた>却下。

私はなぜかふと父がお客さんが来るときに、ケースで瓶ビールを注文して届けてもらうことを思い出した。「瓶代が戻ってくるから今流行の缶より得なんだよ」と彼は言ったはず・・・・。

当時の私はまだ地味と派手の区別もつかなかったし、看護婦を「かんごく」、手術を「しりつ」と間違えてたことにたいへん深く反省していた頃であった・・・。でも何となくこれはイケるんじゃないかと思った☆そこの商店には瓶ビールも売っていたのである!

疲れ果てたみんなに話してみると「やるしかないよね。他にいい考えもないし」と賛成してくれたので、「じゃ、みんな最低2・3本、ビールかジュースの瓶見つけてきて!」とパキパキ行動した。

第一回目のトライ・・・・たったの50円にしかならなかった(涙)。子ども料金で半額とは言え、180円必要だったんだもん。だんだん陽は落ちていくし、どうしようかと思ったけどみんながんばった。誰かが「おなかすいたぁ~」って言うと「たくさん見つかればお菓子買えるよ」って励ましあった。

3回トライしておじさんには変な顔されたけどやっとこさお金ができた。当時ロッテのガムが20円で6枚入りだったんで、それをみんなで分けて乾いた喉が癒されたのを憶えてる>ジューシーフルーツ>あの黄色いやつ。

帰りのバスのなかはみんな無口だった。溺れちゃった子は寝ちゃってた。バス停に降りたときはもう真っ暗だったよ。「ああ、帰ってこれた」って泣いた子がいた。

それでもバス停から子どもの足で8分くらいのところを歩いて、灯かりが灯っている玄関に入る子にみんな「また明日ねぇ!」と元気よく声をかけた。私は最後から2番めだったけど、残った子は「明日ラジオ体操遅れないようにねぇ!」と明るく泥だらけの汚い顔で笑った。「ああ、ほんとに多摩川に行ってよかった」と胸が痛かった。

その夜、「汚い身体をお風呂でちゃんと洗うまでは夕ご飯は食べさせない」とさんざ怒られ、濡れて乾いて泥がついてくちゃくちゃになった服を、「お風呂で一旦手もみ洗いしなさい」と命じられ、「疲れたのはあんたの勝手。ちゃんと自分の茶わんはお勝手に持っていきなさい」といつも通りに忙しそうな母。「ああ、ほんとに家に帰ってこれてよかったなぁ」としみじみする間もなく、私は倒れるようにして寝た。ぷんぷんに怒っててもちゃんといつも通りラジオ体操カードを枕元に母が置いてくれたのにはまったく気づかなかった。

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