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近所の温泉・入浴事情

1999年に書いた文章です。

アメリカ西海岸にもいくつかの温泉があります。日本ほど火山帯がどどど~っと全国的にありませんが、大きな規模のもので眠っているもの・活動しているもの、いろいろあります。地震があるのはそのせいですので、やっぱりいくつか動いているのも温泉が湧くものもあります。

そのなかで、アメリカ市民が一般に使うSPA(スパ)と呼ばれる形式のものは、比較的温度が低く清潔やプライバシーを重んじているせいか、公共場では水着を着用します。個人の家やプールのそばについているものなどは、その目隠し具合にもよりますがたいてい水着着用です。ロマンチックな映画で思わず脱いで入ってしまうことを Skinny Dipping(スキニーディッピング)と言って、解放感や親密度を測るロマンティックなツールにもしばしばなります。風情を重んじるというよりも、どちらかと言えば自然を利用して改造しつつ演出している感じがします。

私はこれ様式のところも数度行きましたが、何となく落ち着きませんでした。Whirl(うず)があるマッサージ効果があるSPAもあるし、プール完備だったりしますが、洗う場所はまったく別個でシャワーになっています。手間がかかるし、黙ってじっくり浸かる、というのも沈黙に耐えられないのかどうしても話しをしてしまい、アタマが常に動いてリラックス♪という感じではありませんでした。もっともっと奥まってひなびたところに行けばあるのかもしれませんが、秘境特集のテレビなどはそうそうないですし、そんな番組に出てしまったらあっという間に秘境ではなくなったしまうのではないか?と思うので、口コミに頼るとしてもそうそう「ゆっくりリラックス」というところはなさそうです。観光地としてはここから2時間ほど車で走るとCalistoga(カリストガ)という温泉町があり、そこはたくさんのSPA屋さんがあって砂や塩のマッサージまでついていますが、「うーん、何か違うぞ」という感じでした。

私は子どもの頃からお風呂が好きでした。内湯が生まれたときからちゃんとあったのですが、小さい頃から銭湯が好きで、お風呂が壊れてもいないのに母にねだって3ヶ月に一度ほど連れていってもらっていた記憶があります。小学校4年生くらいからは友達同士で行かせてくれました。その習慣は高校生くらいで終わります。バイトが忙しすぎて銭湯が開いている時間には到底行けなかったためです。けれども、渡米する前の2年弱銀座で銭湯に週に2回ほど通っていたことがあります。朝6時からひとつがふたつバイトをこなして汗だくになって、夜のバイトで汚いと思われたらプロらしくないぞ、と思ったためです。銀座というよりは新橋の銭湯だったのかなぁ、あれ。でも楽しかったです。そこでは昔芸者に出ていた粋なお姐さんたちや、板前さんなんかの話しをたくさん聞けてのんびりできました。ロッカーは普通週2回の地元でない小娘には貸してくれないのですが、無理を言って石鹸やシャンプーを置かせてもらっていました。楽しかったです☆日本に1年ちょい帰国していたときも、2週に1度ほど銭湯に通いました。外人さんが増えたとかでシャワーまでできていたし、薬草風呂やサウナや電気風呂まであってとってもよかったです。天国☆てんごく♪

ここでの生活には「洗い湯のできる浴槽のあるお風呂」が足りません。毎日じゃなくていいのです。週に一度か2週に一度、アタマをぽぽぽ~っとさせてぼけぼけしたいのですが、バスタブにいくらお湯を張っても洗い湯ができません。一時期はテレビやワインやキャンドルや煙草や本やネコを持ち込んで2時間ほど遊んだりしていましたが、ある時、西さんが韓国式銭湯を発見してきたのです☆そして私はすっかりそっちに病み付きになりました。

車で今の家から30分ほどかかるのですが、朝10時から2時間半遊びます。土曜日か日曜日。フロントは韓国語と英語で書いてあって、シンプルな入浴料は15ドルです。クーポン券があって、100ドル払うと2回半分ほど得をするようになっています。毎日のように来る人のために1ヶ月と3ヶ月定期もあります。男女が入り口で分かれていて、そこで神田川の約束をして西さんとは別れます。ロッカールームは少しアメリカチックでステアクライマーや美容ベルトやトレッドミルが置いてあり、そこにロッカーが100人分ほど並んでいます。私はいつもなぜかラッキーなので、2段あるうちの上のほうのロッカーばかり当たるのですが、空いているからでしょうか?常連さんはロッカーではなく、ロッカーの上に自分の私物をぱらっとさりげなく置いてあります。誰も盗まないっていいな♪と思っちゃいます。ハンドタオルよりもでかく、バスタオルよりも小さ目のタオルを3枚とローブを渡してもらうので、1枚だけ入浴に使うように「お風呂セット」に入れて、ローブに着替えます。もしもマニキュアをしている場合はそこに据え付けてある除光液を使って取り、体重を測って、お水をぐびぐびとスタイロフォームのカップで3杯ほど飲んで浴場に入ります。

水風呂・ぬるいお風呂・熱いお風呂の3つのSPA式の浴槽があり、水風呂以外ではジェットが出ます。サウナはスチームサウナとドライサウナの2種類。洗い場は日本の銭湯とまるっきり同じで、シャワーが鏡の上部に付いていて、下にはお湯と水の調節できる蛇口があります。桶も椅子も日本のように広告は入っていないものの、家庭で使うようなあのプラスチックのものがどどどーんとたくさん置いてあります。シャワーも3つあります。

私は必ず垢こすりをしてもらうので、身体をふにゃふにゃにする使命をなぜか背負っているわけです♪まずは髪をざぶざぶと適当に洗い、据え付けてあるシャンプーとリンスを使ってクリップで髪を上げちゃいます。で、身体を脂分が落ちた程度にきっちり一度洗い、歯磨きをし、洗顔を一度脂を落とす程度にして、スチームサウナに向かうのです。でもここまでできっちり20分以上かかるわけです。洗面器に水風呂から冷たーいお水を汲んでタオルを同じ温度まで下げて、もう一度きれいな冷たいお水を汲んでからスチームサウナに入ります。気にする人はもう一枚のタオルをお尻や身体の下に敷いています。細菌性の病気が感染るからってことのようですが、どうなんだろう?私はきっちり洗えばきれいに流れると気合で信じているので使いません。すごいもうもうにスチームが立ち込めています。しかも薬草の煙なのです♪だから木で作られた枕を確保してポジションを決めて足を60cmほど壁に向かって上げてから、顔に準備した冷水タオルをかけて鼻と口のところに少しゆとりを持たせます。で、時間の勝負♪だいたい最初は15分ほど入っていられるようになりました。最初は5分も経たないうちにギブアップしてたけどねぇ…。すごいツワモノは20分以上入っているような気がします…(汗)。

水風呂は心臓によくないように思えるのですが、あんまり熱いとやっぱり使っちゃいます。理性がまだまだ働いているときは足・手・顔だけにしておくのですが、時折身体ごと入って浸かって潜水までしてますねぇ…。「ま、今だからできるぜいたくだ♪おばばになったらじぇったいできない☆」と言い訳しています。

そしてそれを3・4回続けると垢こすりなのよ☆とにかく35分フルにこすってくれる。痛くないし、気持ちいいし、垢は取れまくるし、天国☆てんごく♪ちょっと暇で機嫌がいいとシャンプーもしてくれます。マッサージは必ずついています。これで25ドルは安いと思います。チップを15%なのですが、だいたいいつも5ドル渡します。

そのあとに髪を自分のいつも使っているシャンプーで洗い、Kパックというお気に入りのトリートメントをして、かかとをこすりつつ5分待ち、最後にSPAに入っておしまいです。着替えには熱いし、ふにゃふにゃになっているので、いつもはハイパーな私でも10分以上かけます。99%ドライヤーは使いませんが、据え付けてあります。もちろんお風呂あがりにお化粧などもったいないのでしません。たっぷりの化粧水だけでOKです。

温泉はここから1時間ちょい走ります。すんごい山のなかの国定公園にあります。途中牛の放牧があり、落石があったりします。一度川の水が氾濫しているのに遭遇しましたし、牛30頭ほどの帰宅に巻き込まれて立ち往生してしまいました。そこは日系人が明治時代に湯治場として使われていたところを数年前に再興したもので、電気も電話もありません。すんごいひなびています。もっとも新しい建物でも築30年以上経っていると思われます。お弁当持参で行きます。11時から12時半まで似たような調子で浸かったり洗ったりして(髪は除く)、ごはんを食べておひるねを30分ほどし、また夕方4時(冬時間)か5時(夏時間)まで何度も何度も懲りずに出たり入ったりします。

温度はぬるめなので10分から15分浸かって、そのあと身体をタオルで拭かずに自然に乾燥させるように「うわぁ!あっつーい!」と言いつつ、マットの上に自分の大きなバスタオルを敷いて腹ばいになって本を読みます。ものすごい芯からぽかぽかなので15分はそのままイケてるのですが、本に夢中になっていると30分くらいしてくしゃみが出て気づきます。髪は最後の最後に無人になってから洗います。インドアは丸裸ですが、アウトドアにあるSPA式のお風呂は水着着用です。でもそっちにはなぜか魅力を感じない私です…。人がいるのもそれなりに楽しいことも多いですが、やっぱりすごい自然のなかに居るので、静かでじっくりしていたい、という願いはあります。でも公共なので湯治をしている日系人(一世として渡ってきた人たちが中心で、たまに二世や三世、アメリカ人にも逢います)のみなさんたちとも話しを弾ませます。1ヶ月に2回以下しか行かない私にはわからない人間模様もあるようでいろいろです…(汗)。

そんなわけで、椎間板を傷める前はこんな調子で、イベントが入らない限りは隔週ごとに銭湯→温泉とやってました。そろそろ復活できそうなのでまたやってみようと思っています。お風呂そのものもこのようにかなり好きですが、お風呂前後についてくるイベント(飲み食いとか?)もかなり好きです。

日本に帰っていちばんうれしいのは温泉接待かもしれないです(爆)。それがだめなら自宅のお風呂を私に解放してください♪

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このGilroy Yamato Hotspringsは閉鎖されたんだそうです。温泉に関する法律の問題と予算の問題のようですね。

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