睡眠時間を削ると何が起きるのか?—脳科学の視点

「忙しいから、睡眠を削るしかない」と思っている人に、今日は少し怖い話をしちゃいます。(・。・;

睡眠不足は「疲れる」だけではない。脳そのものを、静かに、確実に壊していくんですよ。ということは・・・。睡眠不足を慢性化して放置している人は、自分で自分を少しずつ殺しているのと同じこと。怖い!(◎_◎;)

前頭前野機能が落ちると、何もできなくなる

睡眠不足が最初に影響を与えるのは、前頭前野。前頭前野は、判断力・集中力・計画立案・感情のコントロールを担う脳の司令塔だ。ここが機能低下すると、「今日何をすべきか」の判断が鈍くなる。集中が続かなくなる。感情的になりやすくなる。4日間の睡眠制限だけで、前頭葉の作業記憶と戦略的思考が有意に低下することが研究で示されている。

「最近、なんかぼーっとして効率が悪い」「ミスが増えた気がする」——それは能力の問題ではなく、睡眠不足の問題かもしれない。

「些細なことで落ち込む」のも睡眠不足のせいかもしれない

もうひとつ、見落とされがちな影響がある。扁桃体の過活動。扁桃体は中脳にあり、感情処理を担う脳の部位で、特に恐怖・不安・怒りの反応に関係している。5日間の4時間睡眠後、扁桃体が過活動することが実験で確認されている。

つまり、睡眠不足のとき、些細なことに傷つきやすくなる。ネガティブな情報に過剰反応する。「なんでこんなに落ち込んでいるんだろう」と思うような気分の揺れが、実は睡眠不足の症状だということがある。

どんな学習でも、「今日なんか全然できない気がする」「自分には向いていない」という気分になりやすい日は、前夜の睡眠を振り返ってみてほしい。

寝ている間に、記憶は整理される

「学んだことを定着させたい」なら、睡眠は学習の一部だ。

NREM睡眠(深い睡眠)とREM睡眠(夢を見る睡眠)の両方が、記憶の統合に不可欠であることがわかっている。昼間に学んだことは、睡眠中に整理され、長期記憶として固定される。

夜眠る前の体験や学習は記憶に残りやすいという経験則は、脳科学的に正しい。

逆に睡眠を削ると、せっかく学んだことが固定されずに失われていく。「勉強しているのに伸びない」という人の中に、睡眠不足で記憶の定着が阻害されているケースは少なくない。

脳の「掃除」は、寝ている間にしか動かない

さらに深刻な話をしちゃおう。脳には「グリンパティックシステム」という老廃物の清掃システムがある。このシステムはどうしても!睡眠中にしか稼働しない

睡眠不足が続くと、脳内にアミロイドβという老廃物が蓄積される。これがアルツハイマー病のリスク因子だ。ウプサラ大学の研究によると、睡眠に問題がある男性は、問題がない男性に比べてアルツハイマー病の発症リスクが50%高い。さらに別の研究では、一晩の睡眠不足だけで、脳のダメージを示す分子(NSEとS-100B)が増加することが確認されている。

「若いから大丈夫」ではない。脳へのダメージは、静かに積み重なっていく。

「週末に寝溜めすればいい」は通じない

「平日は削って、週末にまとめて寝る」という人は多い。残念ながら、研究はそれが機能しない!という結論に達している。条件をくっつけたものをやってみても、ダメみたい・・・。たとえばいい食事とか運動でも、あまりいい結果にはならないのよね・・・。(・・;)

慢性的な睡眠不足による認知機能の低下は蓄積する。週末に長く寝ても、完全には回復しない。睡眠は「借金」のように積み重なるが、「返済」は思ったほど簡単ではない。健康貯金という考え方の中でも、特に睡眠貯金は大切。

日本人の平均睡眠時間は、OECD加盟国の中で最短クラスだ。7時間台に対し、他国は8時間超。「日本人は勤勉だから睡眠を削る」という文化が、実は日本人の生産性と健康を蝕んでいるという皮肉がある。

学習と睡眠の切っても切れない関係

「英語を勉強する時間を作るために、睡眠を削る」などという選択肢は、最も非効率的!睡眠不足で勉強した内容は定着しにくい。判断力が落ちた状態では学習効率が下がる。感情が不安定になって「今日もできなかった」という自己批判が生まれやすくなる。

逆に、7〜8時間の睡眠を確保した上で1時間勉強する方が、睡眠を削って2時間勉強するより、圧倒的に効果が高い。学習時間を増やす前に、睡眠時間を確保する。

それが、学習成果を上げるための、最もコスパの高い投資。これを多くの親御さんに言ってるんだけど、深刻度はご家庭によって違うんだよなぁ。

私は子どもの頃から寝落ち大王(笑)。今も還暦過ぎて1日7時間半睡眠。取れなかったときには必ずお昼寝。そういう職業を選んでよかった。というか、そうじゃないと立ち行かなくなるんだよね・・・。(・・;) まだまだ今がイチバン頭がいい!が続いています♪