あなたにとって遊びとは?④——何で、どうやって遊ぶかで、人がわかる
遊びを「何を使って、どうやって遊ぶか」で分類する方法がある。大きく4つに分けられる。
- 運動遊び・身体遊び
体を動かすことそのものが目的の遊び。発達心理学の観点では、幼児期の運動遊びは脳の発達と直結していることがわかっている。体を動かすことで前頭前野が刺激され、注意力・判断力・感情制御の発達が促される。
- 知的な遊び・ゲーム
頭を使う遊び。ボードゲーム、パズル、クイズで、論理的思考、記憶力、戦略的判断が求められる。知的遊びへの参加頻度が高い高齢者は、認知症の発症リスクが低いという複数の研究がある。
- 表現遊び・創作遊び
何かを作ることが目的の遊び。表現遊びを通じて感情を外に出す経験を積んだ子どもは、感情の言語化能力が高くなるという研究がある。大人の場合、創作活動はセラピー的な効果があることが多くの研究で示されている。
- 集団遊び・社会性遊び
他者と関わることが核にある遊び。発達心理学者のLev Semenovich Vygotskyヴィゴツキーは、子どもは他者との遊びの中で「発達の最近接領域」が広がると論じた→これは能力向上の分かれ道。
どれもまんべんなくやってきたなぁというほくそえみが(笑)。1.はものすごく多かったんだけど、雨の日や玩具を持っている子にひっぱられた2.や、実際に2.を使ってパンケーキを作ったり、お店屋さんごっこでプロダクトを作ったり、まぁ、いろいろやりましたよね。そこで、誰かとパートナーにならないといけないこともあったし、大縄跳びとかもね・・・。なんであんなに子どもの頃が楽しかったという想い出があるのかって、自分が成長したからなんでしょうね、きっと。
また、ヴィゴツキーは、子どもの学びを3つのゾーンに分類しました。
- すでにできること:1人で簡単にできる範囲。
- 発達の最近接領域:少し難しいが、サポートがあればできる範囲(ここが最も成長を促すゾーン)。
- まだ難しすぎること:手助けがあっても現時点では到底できない範囲。
最近接領域で成長を促すためには、「有能な他者(親や先生、友人など)」の適切なサポートが不可欠です。
最初は少し手助け(ヒントや見本、環境の調整)をして成功体験を積ませる。できるようになるにつれて、少しずつ支援を減らしていく。このように建設現場の「足場」を外すように、徐々に1人でできるようにする支援プロセスを足場かけと呼びます。
学習(漢字や計算):手本を見ながら一緒に書き、少しずつ一人で書けるようにする。
生活習慣(着替え):服を頭からかぶるまでは自力でやり、袖を通すところだけ少しサポートする。
療育・児童発達支援:視覚的な絵カードやタイマーを活用して、集団行動や身の回りのことができるように環境を整える。
大人が一人遊びをするときも含め、遊びの天才はここがわかっていると思うんですよ。自分が今できることの一回りか二回りの上を狙う。パートナーシステムを作ったり、ごっこでまねっこをしたり、いろいろな緩急をつけてみたり、毎日をブームにしたと思ったら、曜日を決めたり、などなど、自分を成長させることを知っていようがいまいが、たぶん「もっとおもしろくしたい」「もっと楽しみたい!」を知っているから、工夫に工夫を重ねる。そして、しばらく没頭する。そしてできるようになっちゃったら、またもや課題を自分につきつける。
人生って、これの繰り返しでいいと思いません?
私はパイロットになるためにも、英語ができるようになるためにも、UC Berkeleyに入れて卒業できるようになるためにも、などという動機で才能や能力を積み重ねてきたわけじゃないっていう自覚はあります。遊んでしかこなかった。勉強なんかほぼ何もしてない。30歳過ぎて大学に行ったときは、「ああ、これが勉強なのね!」と何をやっても楽しかった。それはたぶん、遊びをくるくる回してきて、成長=遊び=学びへとシステム化することができるようになってきていたから。
発達研究の知見を総合すると、4種類の遊びをバランスよく経験することが最も健全な発達につながるとされている。自分が普段どの遊びに引き寄せられているかを見ると、何が満たされていて、何が足りていないかが見えてくる。遊びの偏りは、生活の偏りの鏡なので、よく自分を観察してみるといいかも・・・。
そうすると、遊び=まるごと学び、まんざらでもなく実現しそうです!






