受験生のとりあえずの成果
高校3年生になったRくん、実は塾で「英語はもう伸びない」という、烙印のような評価を受けていました。受験学年になってからそう言われるのは、本人にとってもかなり重い一言だったと思います。私自身、その言葉を聞いたとき、正直かなり悔しい気持ちになりました。総合型選抜入試も争点になっていて、そこから、私たちの戦いが始まりました。
まず伸びたのはReadingでした。単語の拾い方や、文の構造の見え方が、少しずつ変わっていくのが分かりました。読むスピードそのものより、迷わず読める箇所が増えていく感覚を、本人も口にするようになっていました。そのあと、Listeningも劇的に伸びていきました。英検準1級のスコアを見て、正直びっくりしました。これまで3級・準2級・2級と受けてきた中で、Listeningはずっと75%から85%くらいで推移していたのに、準1級でいきなり90%を超えてきたんです。級が上がるほど難易度も上がるはずなのに、そこで数字が跳ね上がるというのは、なかなか見られる現象ではありません。「もう伸びない」と言われていたはずの英語で、これだけの数字が出てきたのは、本当にすごいことだと思っています。正直に言うと、これは自負しているところでもあります。学校や一般的な塾で行われている英語のやり方だったら、これほど短期間でこの成果は出ていなかっただろうな、と。
夏休みに入ってからは、小論文のためのアンケートをGoogle Formで実施しました。9月4日までに提出という締め切りがあり、Rくんはそこで、AIをいろいろ駆使しながら取り組んでいます。データを集めて、それをどう小論文の材料に落とし込んでいくか。ただ調べて書くだけでなく、集めたデータの中から自分なりの視点を見つけ出す作業なので、決して楽な工程ではありません。この作業自体を、単なる受験対策としてではなく、少しでも楽しいと思ってくれていたら、なお嬉しいなと思っています。
とはいえ、まだまだ課題はたくさんあります。今はちょうど折り返し地点。総合型選抜がもし通らなかったとしても、もちろん一般受験もするので、道が閉ざされているわけではありません。むしろListeningの伸びしろを見ていると、一般受験に切り替わったとしても、十分戦える力はついてきていると感じます。塾で「もう伸びない」と言われたところから、ここまで積み上がってきたことを思うと、評価というのは、あくまである時点、ある環境での一つの見方でしかないんだな、とあらためて思わされます。
先日、オープンキャンパスのために関西まで足を運んだRくん。実際に大学のキャンパスを歩き、雰囲気を肌で感じてきたことは、モチベーションの面でも大きかったはずです。パンフレットや画面越しの情報だけでは分からない、その場の空気感というものがあります。あの体験のあと、彼の中の「どうしても受かりたい」という気持ちが、これからどんな形で表れてくるのか。まだ道半ばではありますが、そこが今、いちばん楽しみなところです。
ただ、英語力の伸びとは別に、Rくんのメンタル面での成長は、生きている限りずっと続いていくものだと思っています。それを、私がどこまで見届けられるのか。関西の大学に合格したら、そこで一区切りなのか。それとも、その先にアメリカの大学院という選択肢が出てくることもあるのか。まだ何も決まっていませんが、そんなことを、勝手にあれこれ考えてしまう自分がいます。






