国際大会のスタッフとして現場に入るのは、今回が初めてだった。想像していなかったことがいくつもある。

まず驚いたのは、集まってくる人たちの範囲の広さだった。近所からふらっと来ているような人はいなくて、日本全国、それこそ福岡や北海道から来ているスタッフがいる。外国人スタッフも多く、フランス語が普通に飛び交っている。アジア各国からの人たちもたくさん。こんなに広い範囲から人が集まる仕事が、世の中にはちゃんと存在していたんだと、単純に驚いた。

現場では、「綺麗なアメリカンイングリッシュを話しますね」とよく言われた。自分では、これがアメリカン・イングリッシュだと意識したことがない。20年住んでいたのだから、私にとってはただのスタンダード。それより印象に残ったのは、年齢を言うと驚かれることの方だった。62歳には見えないらしい。

一番の発見は、実は自分自身についてだった。移動の多い、先の読めない仕事を「楽しい」と感じる人たちがたくさんいる。ドキドキワクワクが原動力になっている人たち。それを見て、自分はどうやらそっちのタイプではないらしい、と気づいた。

私は昔から、2時間ドラマも小説も、大体の展開が読めてしまう。パターンが見えるから。でも今回のような大規模イベントは、何が起きるか分からないことだらけで、正直ストレスに近い。掌握できないこと、知らないことが、私にとっては一番のストレスの種なのだと、あらためて分かった。

同じ「先が読めない」状況を、刺激として楽しめる人もいれば、私のように学びながら耐える人もいる。どちらが正しいという話ではない。ただ、非日常の3週間を過ごしてみて、「私の日常は、私の日常なりに毎日違うことがあって、ちゃんと楽しい」ということに、あらためて気づかされた。派手な刺激がなくても、自分らしい日々はそれだけで十分面白いのかもしれない。