狭い範囲を、1万歩
今回の遠征生活、ホテルと現場の往復という、正直かなり限られた範囲の中で過ごしている。それなのに、気づけば毎日1万歩を超えている。自分でも「こんな狭いところをぐるぐる歩き回っているだけなのに」と驚いてしまうほどだ。現場の中を行ったり来たりしているうちに、知らない間に数字が積み上がっているような感覚がある。普段の生活圏よりずっと狭いはずなのに、動いている総量はむしろ増えている、というのが不思議で面白い。
朝晩はプロテインと牛乳中心の生活にしていて、断酒もできそうな勢いで続いている。狙って始めたわけではないけれど、シフトの合間にしっかり動き、規則正しく口にするものを絞っていると、体は素直にそれに応えてくれるものなのかもしれない。とはいえ、思っていたよりごはんもしっかり食べてしまっていて、当初の計画通りにはいっていない。それでも、あまり気にせず、今の生活リズムのまま続けている。神経質にコントロールしようとするより、だいたいこの路線で、というくらいの緩さの方が、結局は続けやすい気がしている。旅先という非日常だからこそ、こういうゆるい実験ができるのも、悪くないなと思う。
ここ数日は、万年あくびが出るくらい、ちゃんと疲れている自分にも驚いている。倒れることもなく、風邪をひいて寝込むこともない体なので、「疲れる」という感覚自体がどこか新鮮だった。派手な不調として出てこないだけで、体はちゃんと正直に、静かなサインを送ってくれているのだと思う。数字で健康を確認する癖がついている自分にとって、こういう感覚的なサインに気づかされるのは、ちょっと新鮮な体験だった。
長年、自分の体はよく持ちこたえる方だと思ってきた。健康診断の数字を見ては、この年齢にしては悪くないと安心し、多少無理をしても寝込むことがないのを、どこか当たり前のことのように思ってきた気がする。だからこそ、こうして日々の変化に敏感に反応している自分に、少し驚きながらも面白がっている。年齢を重ねるというのは、こういう小さな発見の積み重ねでもあるのだと、この遠征で改めて感じている。慣れない土地での慣れない生活が、普段は見過ごしていた体の声を、少しだけ拾いやすくしてくれているのかもしれない。
というわけで、密かな期待としては、この遠征が終わって帰る頃には、来たときより少し身軽になっていたいなと思っている。無理に頑張っているつもりはないのだけれど、今の生活リズムを淡々と続けていれば、案外自然にそうなっている気がしている。結果は、帰ってからのお楽しみにしておこうと思う。数字にはあまりこだわらず、この非日常の中で体がどう変わっていくのか、実験気分で見届けていきたい。





