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Who says that life is fair?

2006-03-14 に書いた文章です

「誰が人生はフェア(公平・正当性がある)って言ってるの?」という英語の言い回しは、よく使われます。映画でも何度か遭遇しましたし、切ない事件や天災などのニュース報道や小説で使われます。

貧乏でいつもおなかを空かせていたので、よく私もこれに近い質問を母に繰り返したものです。「どうしてうちだけ貧乏なの?」「どうしておなかいっぱいコロッケが食べられないの?」などなど(笑)。愚かモノだった娘は、この人生は決してフェアではないことを心と頭でわかるのに、17年近く費やします。

が、驚くべきことに、いくつになっても人生は決してフェアではないことを認めないまま、考えないまま生きている人も山ほどいるわけです。その理由はJust Worldという心理学の論理であることはすでに書きました(再投稿しておきます)。

そもそも「人生はフェアである」と思っていると、問題が数多くいっぺんに集中して起きたり、ものすごいマグニチュードの問題が起きたときに、根本解決し立ち直り超える率がぐんと低くなります。考え方としては、これは減点法だからです。そもそもの理想が100点満点として、自分は80点から120点の位置にいないと心が平穏ではない、ということですから。この基本的な減点法 VS 加点法の考え方は、人の悲観と楽観を分割するものです。どちらにより強く自分が寄っているのかを見極めたほうが、人生は過ごしやすいです。そのPro(いい点)とCon(悪い点)を把握し、状況や相手や個別問題の質によって使い分けることができたら理想です。「人生はそもそもフェアなんかであるわけがない」と思っていれば、問題が降りかかったときにProにもConにもするのは、生きていく術を身につけているかどうか次第です。

Learned Helplessnessという現象があります。日本語でも学習性無力感という語彙で紹介されていますが、まだ日常用語にはなっていないようです。知っておいたほうが便利な言葉です。学んでしまった無力感という意味では、自発的に学ぶのではなく、環境要因の中で無意識的に学ばされてしまったという質のもの。よくある例では、ひどい犠牲者となったPTSDや、虐待やDV(DV;Domestic Violence;家庭内暴力全般)や、Sexual Harrasment(セクハラ)などがあり、もっと広範囲にまで伸ばすと、「女性はなぜ女性らしく振舞わねばならぬか」などの社会的習慣性にまで及びます。「お姉ちゃんなんだから我慢してね」「男の子なんだから泣かないのよ」という言葉などに代表されるステレオタイプな子育てにも顕れています。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%80%A7%E7%84%A1%E5%8A%9B%E6%84%9F

私は基本的に、加点法を採用している傾向が強く、人生のはじめで貧乏によりDeprive(干された・枯渇した)ものが多かったので、あとから湧き出るように日常に登場したものに関しては、自ら獲得したものに対する達成感が強くなっています。さらに、学習という質もそうなのですが、そもそもの理想があり、そこまで達する加点法のほうがよく、理想に足りない状態を減点法で表すのは大いなるプレッシャーです。その理想の100点満点状態をどう設定するかにもより、減点法のほうがチェックポイントは多くなります>心理的苦労が多いってことね。が、コレにも加算される軸はたくさんあり、自分で努力して学習後、獲得したものと、自然に年齢的に発育して得たものとの違いを分類できなければ、ただの自意識過剰なおバカさんになります。おむつが取れるのは、生物学的要因が8割くらいです。言葉も7割くらいでしょう。しかも、育てている父や母が「○×ちゃんえらいわねぇ。隣のまーくん(誰だ?笑)よりできるわよ」などと比較しようものなら、乗数としてマイナスの数値が増えていくことになります。私が結果的に倖せだったのは、「バカ」と決め付けられ、徐々にできるようになったことが多く、大人になって再び学校に戻ったときに、それまでかなりたくさんの学習を混沌としていたことにあり、それが理路整然と数値化や評価されることになったからです。暗い20数年ではありましたが、その後はとても倖せでした。バカからスタートして賢いに移行するほうが、賢いからバカに突き落とされるよりは、心理的傷が癒されるわけです。逆の場合は癒されないかもしれない傷が増えることになります。

問題が数多くいっぺんに集中して起きる傾向には、理由があります。最初に始まった問題を、現実逃避してごまかそうとして直視せず放置するからです。が、心はすでに充分影響されており、他のエリアについての言動もSloppy(いい加減)になる。そうすると、またそれが問題点として積み重なっていく。今度は複数の問題を内包していくことになり、さらなるSloppinessを招くことになります。これを自分の責任の範疇かどうか、きちんと捉えられるかどうかで、また立ち直り率も決まってきます。自分が引き起こした問題のChain Reaction(連鎖)を容認できる場合には、人生はきっとフェアでしょう。自分がしたことです。が、その中のLuck(運・めぐり合い)やAccident(事故)の占める割合を大きく考えてしまえば、人生はフェアには見えないことでしょう。しかも、そこで自分以外の登場人物やシステムなどのせいにし、責任逃れをする場合には、人生は決してフェアには見えてこないことでしょう。ちなみに、運や事故率は、0.5%から10%として計算するのが数学的には正しいです。どの数字を使うかにより、また楽観 VS 悲観がわかります。物事にもよりますが、私はだいたい5%を使いますね。だから宝くじは当たらないのだ、と(爆)。

突然ものすごいマグニチュードの問題が起きたとしたら、それは事故や運の場合が多いです。が、ガンだと診断された場合にはふと立ち止まって考えてみたほうがいいこともあります。遺伝子が大きく影響しているので、罹る以前に食生活や習慣を改めることができたかどうか?自分の家系3代前くらいまでの死因は検証しておいたほうがいいのです。父方・母方共に。交通事故も完全なるもらい事故の場合は事故でしょう。が、飲酒をしていたり、疲労困憊なのに運転を無理していたり、ライトが壊れたまま運転していたり、ということはあることです。コレは事故ではなく、自分サイドの問題です。となると、人生はフェアです。

いい男(女)に当たるかどうかも、実際のところは、私の考えでは、最終的にならばけっこうフェアではないのかな、と思います。例外としては、先天的な遺伝子に関する病気にさいなまれ、そもそもそれが原因で、社会的要因をすべてコントロールできない人口は抜かします。あるいは、黒人に生まれたのに、どうしてもアジア人や白人が好きな場合、それがどうしても遺伝子に組み込まれてしまっている場合は(解明する術が今のところの技術ではないのですが)例外でしょう。が、その他人種好きが、後天的に自分があとから学んだものであることを認められないのは、自分のせいです。ですから、抵抗できないことを抜かせば(笑)人生はフェアです。

人生がフェアではないな、と心が震えて感じるのは、学習する能力が大きく欠落している先天性が、ひどい環境に生れ落ちてしまうことでしょうか。そして、それを他人事のように利用する人間がいることです。さらに、Dana Reeveのように喫煙歴がまったくなかった善良なことばかりしてきた人が、肺がんで死んでしまうことなどでしょうか。

私は自分に大いに厳しいので、自分が被害者になったときにも自分をひどく責めました。その責めサイクルは、最後の最後まで続き、3年以上かかりました。相手を許す・許さないという段階は、最初の8ヶ月ほどで薄らぎ、やがてなくなりました。私が選んだたくさんの選択肢のラビリンスが、その結果に至ったわけで、故意であろうと無意識であろうと、そういう人間とつきあった自分がやはり最終的には悪かったのだと思っていました。今もまだそう思っています。が、事故だったのだという偶然率にも少し頼ろうと思いました。とにかく、健康に日常生活が送れるようになるには、そこにあるものは何でも使おう、と。少しラクになりました。

私は、仏教の因果応報を実はあまり信じていません。信じるのはナイーブだと思っています。自分に対しては課さなければならぬ教えであると思うのですが、ラクをして親や親戚のコネで就職した人たちもゴマンと知っていますし、れっきとした犯罪者なのに大手を振って何食わぬ顔で暮らしている人たちも知っています。罰はまだ彼らには当たっていないし、当たる保証もありません。逆に、冤罪を受けて長いあいだ刑務所に入っており、やっと出られたと思っても、まだまだ人生や社会の厳しさに喘いでいる人たちもたくさんいるのを知っています。「人生はフェアではない」と簡単に言い切ることは、私はしたくなく、抵抗し続けてきたわけです。本当のフェアネスを見つけるために。

私の人生がなるべくフェアでなければ困る、と思っています。「本当は男に生まれたかった」などと、罰当たりなことを言っている時期は過ぎました(笑)>「お金持ちのお嬢様に生まれたかった」とは、もうここ30年くらい思ったことはないのですよ・・・。私の人生がフェアであるためには、ぜひぜひフェアに物事を考えられる人たちから恩恵をいただき、余りあるヨロコビをまた「幸福の手紙チェーンメール」のように繋げていくことなのでしょう。が、向こう岸には、「不幸の手紙チェーンメール」を続ける人たちもおり、永遠に続いていくのかなぁ、とけっこう厳しく現実は見ています(笑)。

さて、「人生はフェアだなんて誰が言ってるの?」に対して、切り返す言葉はありますか?アメリカのお茶の間を魅了したJohnny Carsonは「もしも人生がフェアだったら、エルビスは今頃生きていて、すべての物まねタレントは死んでるよ」と言いました(笑)。パンチラインを考えておきましょう♪

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