04/30/2007にアップした文章です。
昨日コメントをいただいて、即座に考えたのが、同じ作家の著書を読み続けていると、特に脳みそが統計を取っているわけでもないのに、ひょんに憶えているものなのだなぁ、と苦笑したこと。しかも、自分でも使ってしまっていることが多々あり、この伝染病まがいのものは、心理学のイロハでもあり、興味深いところ・・・。口癖はまだしも、書き癖まであるとはなぁ・・・。きっとあなたにもあるはず。私は自分の口癖と書き癖を誰かに解析してもらいたいですが、誰にいくら払えばやってもらえるのか?と思い悩んでおり、だったら私がその勉強をすればいいのか?と思いつつ、「いや、これから大学院に行くのはどうなのか。日本はどれくらい発達しているのか」と、まずリサーチをするところから始めなければいかん・・・(汗)。
いつか、法医学の言語解析をしている研究者が多々居るということを書いたのですが、事件で「遺書偽造」をPCでしたときに、看破されてしまったというもの。名詞使いの傾向だけではなく、書き出しや語尾や語順の解析、それぞれの品詞の使い方の割合、大文字小文字の癖(ある単語になるとなぜかその部分を大文字にしたりする。日本語でもありえる。似たようなイレギュラリティーはある)、結びのサインや日付の位置など、本当にいろいろなヒントがあり、偽造は困難極まるのだね。
日本のニュースで見る犯罪には、このような解析をしているという情報はなく、「メールが残されていた」「遺書があった」とは報道されるものの、それはどんな部署のどんな人が判断を下しているのか?といったところが疑問です。日本の各警察や調査期間に、「その道のプロ」がいるほどに、この概念は発達していないはず。ま、日本は検挙率が高いから、そんなのには注目しないのか?
http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~sht20004/hougengo.htm
やっぱり10数年ほどしか日本ではこの分野に気づいてないんだ。だったら、警察にもそんなプロがいるわけもないんだな・・・。まだまだ日本でも人数が少ない・・・。ということは・・・と、私はこの人にメールを出すことにします。どうも、Implement事件(事件とか呼ぶなよ、大げさな・・・爆)から、こだわっているようだ・・・。というか、今、速攻で出した(笑)。大学院に行ける年齢層にいる方に、ぜひぜひオススメしたい分野だなぁ、と、ひとりで思っているのですが、人には好き嫌いや適性があるので、一概には言えないところがつらい・・・。
さ、これで、日本ではこの分野がまだ赤ちゃんなのだということがわかった。しかも、欧米ですら、まだ30年ほどの歴史しかない。もちろん言語学の成立はもっと古く、内容が細分化されたかどうか?を、専門以外の人間が着目することなどあまりないので、言語学の基礎をやっているところで、「メシの種になるのか?」という大きな?で選ばない方も多いのだろうと思う・・・。けれども、検査技師やシステムエンジニア(コンピューター)の世界を見ていただきたい。DNAの発見以来、深いところまでの習得なしでも、検査技師がDNAを検出・解析できるようになるまで、それほどの時間はかかりませんでした。SEにしても、1960年代にあったでっかいでっかいコンピューターの複雑怪奇な仕組みを知らずとも、今SE稼業をしている方々は、細分化された特化事項を得意としつつ、働いている方々も多いです。
↑ああ、私に30年前にこんな頭があったらなぁ。違う職業を選んでいただろうか?いや、結局は私という個体の先天性や学習キャパは同じだから、同じことしたんだろな・・・(爆)。
さて、話は戻り、池波正太郎です。彼の書き癖はたくさんあり、私もひどく感化されているのです。特に、『真田太平記』で目立つのが、「言わずもがな」的場面で、使う一言;このことである。若い人にはニュアンスがわからないだろうなぁ、と、私くらいの年齢の人でも言われてしまうのだろう・・・。西さんは気がないので、私が質問したときには、真剣に答えてくれなかった・・・。私に100%取り合っていると、心も頭も砕けるのだ(笑)。本当に頻出なのだ。受験の参考書や赤本どころの話ではないの←すごい例え(爆)。
「このことである」の、「この」は、書き連ねてきた直前までのこと(範囲はまちまち)を指す。
「このことである」の「こと」は、事。気軽に使っているのだけれども、こんなに長い説明を要するほどの言葉なのだ。
事:〔「こと(言)」と同源か〕「もの」が何らかの作用・機能・状態・関係などとして実現するありさまをいう語。「もの」が時間的に不変な実体のようにとらえられているのに対して、「こと」は生起・消滅する現象としてとらえられている。哲学的には、「もの」が主語的存在者を指すのに対して、「こと」は述語的存在様態を指し、後者は時間性の契機を含む。
(1) (ア)生じた事柄。出来事。事態。事件。(イ)物事の状態や経過。事情。わけ。(ウ)重大事。大変な事態。(2)形式名詞。上に修飾語を伴ってどんな事柄であるかが限定される。(ア)ある物事に関連する事柄。(イ)ある人物が動作・心情の対象であることを示す。(ウ)(「…のことをいう」「…のことだ」などの形で)言葉が何かをさしていることを示す。(エ)行為。仕業。(オ)言葉の内容。言葉の意味。(カ)(「…ということだ」の形で)うわさ。伝聞。(キ)(「…ことがある(ない)」の形で)経験。体験。(ク)(「…ことにしている」の形で)習慣。しきたり。(ケ)(「…ことはない」の形で)必要。(コ)(「…ことだ」の形で)「…ことが大事だ」の意を表す。(サ)(「…ことにする」の形で)「…という方針を決める(決心をする)」の意を表す。(シ)(「…ことになる」の形で)成り行き。結果。(3)用言(あるいはそれに助動詞の付いたもの)の連体形を受けて、それを体言化し、用言の表す作用・状態を体言的な概念に変える。…ということ。(4)形容詞の連体形に付いて、副詞化する。(5)人を表す名詞に直接続く。(ア)謙譲の人称やそれに準ずる語に付いて、それに関していう意を示す。古くは謙譲に限られない。(イ)通称に続いて本名を言う時に用いて、両者が同一人であることを示す。すなわち。つまり。(6)動詞の連用形、名詞・形容動詞語幹などに付いて、その行為・状態を表す。多く「ごと」の形で用いる。(7)名詞に付いて、そのまねをすることを表す。ごっこ。多く「ごと」の形で用いる。(8)〔僧の言葉〕夜食。(9)動詞の連用形に付いて、前にある主語・目的語などを受けながら、全体を体言化する働きをもつ。
ね、長いでしょ?それを書き癖にしている池波正太郎について、私の言語学知識がもっとあれば、きっともっと深く読み取れると考えてしまったのである・・・。私の受け取りとしては;こんな歴史的(時間が重なり、こんな事件が起こり、こんな事情があり、こんな人物がこんな行動を起こし、などなど)にたくさんのことがあったから、「こうなったのだよ」ということが言いたい場面に、「このことである」と言っている気がしてならぬ←この語尾も時代小説を読み続けて、最近よく使う(爆)。
さらに、友だちのことを、「友どち」、「聞きました」などのことを「聴きまいた」と、し→いの旧い発音明記など、けっこうたくさん気づいてしまうのである。そこでレアモノに心魅かれる私は、忘れ得ないばかりか、自分でも使ってしまっていることに気づいたりする。
山本周五郎も横溝正史も江戸川乱歩も浅田次郎もあったし、これから読破していく作家それぞれにあって、タイトルや作家名を聞かずとも、分類できるようになるんじゃないかと、こんなトリビアな才能がついているこの日々を楽しく思うのだ。
自分の文章でも、相当な癖を残し、私がナニモノなのかをたっぷりと見せつけていると、自分でも思うほどなのだから、定期的に、毎日のように読んでいてくださる方々は、ハナについているところもあると思うのです。ぜひぜひ、そんな癖は今日のコメント欄にお願いします。私は、批判してくれる人が大好きです←読み続けてくださっている方は重々承知だよね・・・。
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