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頭のよし悪しと心の善し悪し その1

 [1999年08月01日(日)]に書いたものです。

本日と明日は、頭と心の善し悪しのバランスについてです。ちょいと長いのですが、昔一生懸命考えたことで、あまり考え方は変わっていないなーと、読み返して笑いました。

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ずいぶん昔にパブリックで「私は頭のいい人にいつも魅かれてました」と公言したことがあり、それについて大いに誤解されてしまったようである。頭がいいとは何であるか、私なりの定義をIQとEQ(Emotional Quotient 感情指数)を軸にして展開したかったのだが、惨敗に終った。

目安として「学歴」「知識」「職業」「収入」などで頭のよさを測る人たちがいる。彼らはどうやってネコやねずみの頭のよさを測るのであろうか?疑問である。使われている脳細胞の数であろうか、それともネコらしくない行動ができるネコが賢いのであろうか、ネコにも「ネコ秀才スクール」なんてもんがあるんだろうか、ねずみをたくさん獲った数で測るんだろうか、鳥は入れないのか、愛敬のあるネコが賢いのか、参考にできる目安は見る人の目によってさまざまである。

私は頭のよし悪しを考えるとき、個人的に上記の「学歴・知識・職業・収入」はただの参考資料としか見ない。しかし、それらにこだわり続ける人を見るときは、重要な参考資料になる。

前後の会話の内容にもよるが、「医者だから」「パイロットだから」「家族を養えるくらいの収入がある」「数千冊の本は読んだ」などと言う人で、頭のよし悪しにこだわる人は、まだまだ頭が悪いし心もそれなりに「悪ワル シンセサイズ」をしているんじゃないかと思える場面にたくさん遭遇する。

パートナーは人生の半分以上を学校に行って過ごした。小学校6+中学校3+高校3+大学5+英語学校1+大学院3=21年である。頭のよし悪しにこだわる人が聞くと脅威な数字であろうが、彼はフツーの人である。「大学5年間はロクに勉強もせずに、ただただボートを漕いでいたんでカウントできないんじゃないか?」と真剣に考えている。数学の学位を取りたいと、仕事が終ってから夜間のクラスを取って、今のところは挫折している。いつか取れると信じて40歳になっても幾何や微分積分と奮闘する彼の態度を、私は「頭も心もかなりいいなぁ」と感じる。

同一人物であるパートナーは便座の蓋を閉めることができない(あ、目下のところ70%の確率で閉めますが、まだまだ身体に染み込んでません)など、欠点がたくさんあり、社会科学全般の、答えがひとつでないものに取り組むまでの時間や態度にまだまだ問題がある。彼なりのその対策は「常に元気で健康でいること」で、元気で生きていれさえすれば、きっといつか考えられるし何とかなるだろうと信じている。

そのパートナーが選んだ私は「学歴・知識・職業・収入」に捕えられた両親を持つ娘であった。私はそれらにこだわっていないつもりであったが、両親の呪縛を受け継ぎ、それから解放されるところに至ってはいなかった。彼は私の頭のよさと心の善さを伸ばすことでこれまでの劣等感を帳消しにする可能性があることに気づかせてくれた。頭の悪さと心の悪さを見つめることで、改善の余地があることを示してくれた。まだまだ奮闘中である。

せっかく大学に戻ったのに行けない日々に煮詰まっている私は愚かである。健康が資本だというのはわかっているのに、頭と心がシンセサイズしないことも多々ある。あんなに楽しい勉強☆早く戻りたい、と願えることがアダになる。私が行っている大学は世間で言われる頭のいい人が集まる大学である。だから名前を出すと誤解されることも多い。私までが頭のいい人とみなされてしまう。それは違う。私の頭がいい、という定義は違うんだ。

私はそんなことにこれっぽっちも誇りを持っていない。ただできることならたくさんのチャンスが欲しい。だから世界で最先端を行くその大学で心理学を勉強できることはしあわせだと思う。頭と心をシンセサイズするための機会をたくさん広げてくれるから感謝しつつ行っているに過ぎない。

こんな愚かな失敗があった。

タンゴは「頭の弱いネコ」である。この形容詞は説明がないとたいへんに無礼なモノである。しかし私はその形容詞を「愛情」を表わすために使っていた。彼は顔が洗えない。いつも目やにをくっつけて歩いている。口を開けたまま寝る。自己顕示欲が強く、ネコドアを入って戻ってくるとき必ず鳴いて知らせる。膝の上に座ることが当然の権利だと思っている。そのくせタイミングを測ってからニンゲンを起こす。観察したあとにニンゲンの機嫌がわかる。しかし、ひとつだけ問題があった。

彼の仕事は庭に散らばっている広告拾いである。持って帰ってきて収集している。それが昂じて他人の洗濯物を盗むようになった。ネコである彼は、他人の裏庭で洗濯物がひらひらしているのを見て、「獲物」だと思っている。生きて飛んでいる鳥よりはずっとハントしやすい。それを捕まえて家に持ち帰る。たいへん自然で頭のいい行為である。獲れるモノを獲る。人間スタンダードから言うと、それは「窃盗」で飼い主である私が訴えられてしまう行為である。

これについてパートナーと口論になった。パートナーは「やらせておけばいい。彼の仕事だ」と言い張る。私は愚かだった。その通りだ。なぜネコに人間スタンダードを要求しようとしたのか。直したかった。「彼が彼でいられること、彼の頭のよさと心のよさを追求できるチャンスを損なうようなことはしちゃダメだ」とパートナーは言った。「彼が彼でいることで他人様に迷惑がかかるならば話は別だ。でも洗濯物だよ、誰の生命の危険もないんだ。洗濯物を弁償して廻ろう」ときっぱり言った。パートナーもタンゴもたいへんに頭がよく、心が善いと私は信じている。

だから「頭の弱いネコ」という形容詞は返上せねばならなかった。私はまだまだこうして頭のよし悪しと心の善し悪しについて日々奮闘している。けれども、私にはパートナーという北極星がついている。どこに行っても迷わないことは確信できる。

賢い猫

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タンゴは、21歳4ヶ月まで生きてくれて、今年大往生しました。アメリカから連れてきてしまい、本当に振り回したのですが、彼は実際、本当に賢いネコだったのでしょう。こんなに老化が遅く、こんなに愛を振りまき、今でも私を泣かせることができるなんて、すごすぎる!

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