仇討ちのためのエネルギー

個人的に昭和に育ったせいなのか、時代劇はかなり好きです。父のことを強く思い出すことが簡単にできるから、という理由もありますし、人の生き方がたくさん詰まっているストーリーが多いからでしょうね。

ただ、未だ昇華の先が曖昧なのが仇討ちです。現代人にとっては「やり返したい・復讐したい!」という気持ちですよね。私はその感情はもう20代で半分以上こそげてしまい(どのくらいがんばってこすり落としたのかは意識してないですが)、アメリカ暮らしをしてからも半分残っていた感情は38歳くらいでもうゼロにかなり近くなりました。半沢直樹が流行ったときに「倍返し!」で相当気持ちいいのは観ていたんですが、やり方だよなぁとも思ったかなぁ・・・。今も中国ショートドラマは復讐ジャンルすごい多いです。(^^;)

そこで思い返すのは、16 Basic Desires 理論です。アメリカ・オハイオ州のオハイオ州立大学名誉教授(心理学・精神医学)スティーブン・ライスによって提唱された動機付け理論です。残念ながら10年ほど前に亡くなってしまったんですよね。Precious One English Schoolでも「動機付け」で紹介しております。16個のうちのひとつがVengerance:復讐心なんですよね。

仇討ち(復讐)のためのエネルギーは、主に強い怒り、恨み、不正義感といった感情に由来するものであり、行動を持続させる強力な動機付けとして機能している。

復讐心の心理的側面

  • 感情的苦痛の解消欲求: 復讐したいという気持ちは、危害やストレスによって心が受けたダメージや辛い思いを解消したいという考えから生まれる、人間の基本的な感情の一つ。
  • モチベーションの源泉: 復讐心は、通常のモチベーションとは異なる「屈折した」動機付けとして、行動に強い強度や持続性を与えることがあります。曾我兄弟の仇討ちや赤穂浪士の討ち入りといった歴史的な事例は、このエネルギーが原動力となった典型例。
  • 「正義」との関連: 復讐(報復)は、単なる個人的な感情だけでなく、「報復的正義」という言葉があるように、正義や社会正義の概念と深く結びついている場合がある。
  • 脳の快感: 脳は復讐に「快感」を覚えることがあり、これが復讐行動への依存のループを生み出す可能性も指摘されている。
  • 自分への影響: 復讐への強い執着は、結果として自分自身を苦しめる原因にもなり得ると、精神科医などの専門家は指摘。 

エネルギーの性質

このエネルギーは、目標達成のためには非常に強力な推進力となるが、その性質は非常に禍々しく、制御が難しい側面もある。また、復讐心に基づく行動は、時に当初の「正義」の要求から逸脱し、無差別な攻撃へと変質してしまう危険性も孕む。 

結論として、仇討ちのためのエネルギーは、個人的な苦痛や不正義感から生まれる非常に強力な心理的推進力であり、歴史的・文化的にも様々な物語や事件の背景となってきたが、その影響は当事者や社会に対して複雑で深刻な結果をもたらす可能性が強い。

というわけで、私個人はこれらから放たれたのでラクになったんですが、みなさんはどうだろうなぁと思う次第です。いつも思うのは、「そのエネルギーのベクトル、他に向ければものすごーく栄達すると思うんだけどなぁ」なんですよね。なので、「相手より数倍幸せになることが最大の復讐」と思ってほしいし、「完全無視が最大の侮辱」とも思ってほしいなぁと願っているわけです☆彡