2つは似ているようで少し違います。視覚と聴覚なので、ちょっと分けてみますね。
<美術> 視覚主体
- 自分が行うとさらに効力があるのですが、一般的にアートを観るだけで、
セロトニンレベルが上がる→ 倖せを感じる、やる気が増える、眠りの質が上がる、などの+効果高し
季節性鬱病やその手前、「雨や雪がつらい、気分が重い」と感じる方は、セロトニンレベルが低い可能性があります。別名「幸せ神経伝達物質」と呼ばれているので、ぜひともこのレベルは上げたほうがオトクです。簡単なのは、日中太陽を浴びること。ガンガン浴びなくてもいいのですが、美肌・美白のために紫外線を過剰に防御している方はご注意!です。
- 感覚的、注意力・集中力、認知的、感情的な神経回路、および運動能力が上がり、継続することでそれらの能力が安定する
色彩・細部・感情や背景の推測・自己体験との擦り合わせなどを、鑑賞中に自然に行っているので、それらが脳に学習をさせ、繰り返すことにより、これらの能力が自然と上がっていきます。さらに、いい塩梅で安定化していき、しばらく鑑賞しなくても失われる能力ではなくなっていきます→ 個体差があるので、数か月・数年で失われていくかもしれませんが・・・。
- 新しい神経経路を作り、インスピレーションの状態を刺激する
ヒトの脳細胞は140億個。それらすべてが活性化されているとは限りませんし、充分に発達しているわけではありません。新しい神経経路を作ること=脳細胞が成長する、というすごい体験です。
- 美を感じると血流は脳の特定の部分で10%も増加する→ 愛する人を見つめることに相当
血流が増加するって単純にどういうことなのか?長い目で見ると、平熱が上がるなどのいいことが起きます。自律神経の交感・副交感神経のスイッチのメリハリ感がよくなるので、ぜひとも取り入れてほしいです。
- 畏敬の念を体験することで、希望と満足感を味わうことができる。いわゆる「すごいっ!超越感!」
Self-Esteem:自己肯定感の根本にあるものは、「畏怖ー尊敬・尊重感」の二極の幅をいかに広く持てているか?になるので、この畏敬の念を体験することはとっても大切なことです。
- ケガや疾病時に分泌するインターロイキンの数値が低くなり、治癒が早い
これは、私の母校 UC Berkeleyで行った実験なのですが、アートに接しているグループは、ケガの治癒率が実際に高く、早かったそうですから、インターロイキン恐るべし、です。
- 創造的な活動との関わりは、ストレスとうつ病の軽減に貢献する可能性が高く、慢性疾患の負担を軽減する手段として役立つ
いわずもがなで想像しやすいですよね。心が軽くなったり、染み込むような満足感をぜひとも体験してください!
とまぁ、すんごい効用があります。美しいものを観たいという気持ちだけで、さらにそれを実行するだけで、こんなにすごいんですよ♪
<音楽> 聴覚主体
- 時間感覚の能力を変化させる
想像できると思うのですが、音楽は時間を切ったり伸ばしたり留めたり止めたりの繰り返しです。そこで、時空を超えるような感覚を覚えたこともあるかと思うのです。それにより、時間感覚が研ぎ澄まされ、時間の捉え方にバラエティが出ることになります。ヒトには体内時計が5つほど備わっているのですが、その使い方が上手になります。
- 根本的な恐怖を刺激して緩める
リズムというのは不思議なもので、個体が持つ二元(明暗・静騒・高低などの感性や感情、五感による刺激の受容)を刺激します。そのため、たとえどん底の暗い気持ちが刺激されたとしても、すぐあとにある追刺激が明るいものだったりすると、その暗い気持ちが緩まる結果になります。いいですね♪
- 持病の発作を減らす
猫のゴロゴロは、自分の体内に音を共鳴させることで、ケガや病気を早く治す効果があることを証明できています。ヒトも音のある暮らしは持病の発作が減る、という論文が出ており、コレはよい♬
- よりよいコミュニケーションが取れるようになる
音に対する感度がよくなることで、英語ではよく使う:ストレス・抑揚・Linking・間の取り方など、かなりバラエティがマスターできるようになりますね。そうなると、友人や家族、職場の人たちと話していても、相手に理解されやすい表現が多種多様にできるようになってきます。
- より強くなれる
静かなセレナーデからアップビートまで網羅することにより、強弱・緩急などさまざまな二元論を曲の中で疑似体験していけることになります。ゆえに、ヒトとしての成長も可能になります。
- 免疫システムを強化
すでにさまざまな実験で、論文化されて証明されているものに、体表面の分泌の程度が高まり、さらにそこに存在するIgAという抗体も増加すること、血液中のリンパ球の数が増加して、リンパ節や脾臓などのリンパ器官から動員されること、NK細胞の数と機能が増大すること、リンパ球由来のある種のサイトカインという物質が高まること、などがあります。びっくりですよね??
- 脳損傷の修復を支援する
モノアミン系神経伝達物質の活性と代謝の数値が上がったことから、音楽運動療法の治療メカニズムは音刺激と記憶を繋ぐ海馬の働き、覚醒反応. と選択的注意を、制御などを司る青斑核の A6 系の活性、嚥下に必要な神経回路の刺激など、かなりデータが取れている方法です。
- より賢くなれる
脳への刺激は、何はともあれ賢くなります!既存の感じ方・考え方以上のものが入れば、ニューロンはそれに答えてくれますので。
- 失ったと思われていた奥にある記憶を呼び起こす
これは、デジャヴュ―になる旋律にめぐり遭えれば、けっこうしょっちゅう起こることのようです。マグニチュードはその記憶の強さによって違うようですが・・・。
今回、とっても長い記事になってしまいました。 (・・;) たくさんしっかり説明したかったのであった(笑)。美術と音楽楽しんでくださいねー!
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