これはよく訊かれることなんですが、どうでしょうね・・・。冷静に考えてみると、日本語を学んでる最中、まだ読書の楽しさがわからない小学校1年生であっても、すでにバラツキが大きいと思うんです。
子どもの頃から親御さんや育ててくれた環境により、読書に関する考え方がその子に影響を与えている場合がだいたい8割。逆に親御さんや育ててくれた環境とは反対の方向に行く子がだいたい2割。これをパレート法と呼ぶんですが、80-20の法則というのは、かなり多くの事柄に当てはまります。
読み聞かせをずっとされていた子どもであれば、小学校1年生の教科書で紹介されていたり、読書の時間に図書室にある本はすでに知っていたり、それ以外のものを欲するはずですし、まったく字が読めず、小学校1年生でも出遅れてしまっている場合は、歌や絵本でもまだ楽しめるはずです。
英語であってもコレは同じですよね。
大人であってもコレは同じなはずです。
レベルの話ではなく、個体差の話です。
好き嫌いや損得を中心に世界を見ている傾向が強ければ、その人それぞれの好き嫌いや、生活のオトク情報に気が行くことでしょうし、読書ジャンルにしてもSFや冒険活劇であれば日本語で読み進めるけども、英語でまったく違うジャンルであれば違和感しかないでしょうしね。
とっつきがいい、という観点から、多くの英語講師は、簡単でレベル分けされたモノをおススメするようですが、私は逆にその人の慣れや興味、志向や思考の方向に目を向けて選ぶことをおススメします。
ハードルが高いと感じてしまうものを最初から習慣にはできないだろうから、という親心のような気持ちで、簡単なものを薦めるのはわからない気もしないですが、大人になった生徒さんに自分の知性に妥協をする必要はないと信じていますので、自分の日本語での知性に見合ったものを選べるような方法論のほうをお教えしています。
その上で天文学的な数字ほどの冊数があるものから、きっと読み終わったときに「楽しかった」「ためになった」と思えるものを、相談の上選べたらなと思うのです。
とにかく乱読したいという場合であれば、作家ごとに終わらせる手もありますし、童話をすべて網羅してその次は、などというケースもありますし、まぁ、いろいろです。
何も本でなくともいいと思いますね。これだけネットにもたくさんの文字があるのですから、生活に即いいものを選べたら、もっとたくさんの英字を読むようになるかもしれません。そうした意味では、本に縛られる必要すらないですし・・・。
中学生の頃、Rip Van Winkleという本が配布され、それを読まなくてはいけなかった苦痛・・・。Rip Van Winkle それが浦島太郎のような話だよ、と最初から言ってくれたらあれほどの苦痛もなかったのに、とも思うし、単語を調べる必要などなければ読めたかもしれないとも思うし、音読を強制されなければ楽しかったのかもしれないと思ったりするのです。
今英語ができる私ですら、誰かに「これはいいよ」と言われても、余力がなければ読まないです。私のことをよく知ってくれようとしてくれる方が、「これはあなたが好きな本だと思う」と言われれば読むという日常を知っているためですね。「おもしろいんだよ」と言ってくればますます読む気は増える。
そうした意味で、万民におススメの本などありません。ただ、私の口癖は、「クラシック:古典は読んでおいて損はないよ」です(笑)。ここから何を学べるか、それはその人次第ですからね。
というわけで、Rizapのように寄り添えたら、と思いながら英語を教えるこの仕事、本当に楽しいです(^^♪
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